四天王を守れ!
エルナバスに近づくムナゲスキー。どう見てもこの先に行われるのは恐ろしい現象の筈だった。
しかし、ムナゲスキーがエルナバスの方に手を置いた瞬間で固まる。
どうやら8話はここで終わりのようだ。
次に9話をタップするんだけど、エルナバス倒したのに後二つ戦闘が残ってるってどういうことだろうか?
まぁいい、とりあえず9話タップで。
タップと同時に動き出すムナゲスキーとエルナバス。
なんだろうなこの映画で一度カット出された後の現場みたいな状態は?
「何をする気だ貴様?」
「何って、ナニに決まっておるではないか」
「ええい、べたべた触るな気持ち悪い。おい、そこのお前、こいつをどうにかしろッ」
どうにかって、それ僕に頼ることじゃないよね?
「わ、分かった。ならばこれをくれてやる。私を助ければこの召喚石をやるぞ!」
あれは、特殊召喚石!? 四天王が持ってんのかよ。
と、なると、ここでエルナバスを助ければ特殊召喚石入手イベント、助けなければエルナバスの初めてが散るってことか、その場合戦闘がない、とかか?
あるいは、選択肢と見せかけて石を手に入れられるか手に入れないを選ぶとなぜかムナゲスキーと闘うイベントだけが消化される、とかかな?
まぁ、そっちは選ばず僕が選ぶのは石を手に入れる方だな。
という訳で、ムナゲスキー覚悟!
「ぬぅ、おのれダイスケ! 裏切るか!!」
「裏切るも何もお前と仲間になった覚えは無いぞ?」
「くっくっく、まぁよかろう。そなたらを倒してペットとして飼ってくれようぞ」
「死にくされド変態ッ」
戦闘開始。万全を期してメンバーは全員女性で固める。
リーハ、サシャ、セフィーリア、サシャ、ヘスティカーナ、シークレット。
メインメンバーで即殺だ。絶対に負ける訳にはいかない。
というか駄女神、ここで負けたらお前マジ地獄に落とすからな。
―― まさかのとばっちり!? 大丈夫、こいつに関しては弄ってないから ――
本当だろうな?
戦闘開始と同時に開幕必殺が突き刺さる。
ムナゲスキーが消滅した。
うん、弱ぇ!?
勝負は一瞬で付いた。
所詮はただの王様、雑魚だったってことか。
エルナバスと闘った後だけに、というか全滅させられただけに拍子抜けもいいところであった。
そう告げてこいつが強化されたら怖いので指摘はしないでおくけどね。
「あふんっ」
しなを作って倒れるムナゲスキー。倒れ方まで気持ち悪い。
危機を脱出出来たエルナバスが近寄って来て召喚石を渡して来た。
思わず受け取ってしまったけど、こんな感じでいいんだろうか?
相手魔王四天王なんだけ……おわっ!?
唐突にたたらをふむエルナバス。
なんだ? と思えばエルナバスの背後にムナゲスキーが飛び付いていた。
このヤロウ、まだ諦めてなかったのか!?
「き、貴様ッ!?」
「ぬほほほほ、さぁ一つになろうぞ。儂とそなたはもともと一つの生物なのじゃ。さぁ、繋がろうではないかっ」
「ちぃッ。そんなに繋がりたいのならばそうしてやるッ」
え? マジっすかエルナバスさ……うげぇ!?
なんとエルナバスが溶けるようにムナゲスキーと融合し始めた。
「な、なんと!?」
「くくく、これぞ文字通り一つの生物。貴様を取り込んでダイスケどもを撃破してくれよう」
だからなんで僕の名前を……いや、もう、いいや。とりあえず敵味方問わず親しげに呼んで来るって理解出来たし。
最後の10話でこのエルナバスとムナゲスキーが融合した生物と闘うってことか。
エルナスキーとかになるのかな?
「ぐはははは、ふふふふふふ、男ぉぉぉ、尻をだせぇぇぇぇ」
あ、ダメだコレ、エルナバスよりムナゲスキー寄りだ。
ムナゲバスとかの名前になりそうだ。
「んじゃ10話タップ。セフィーリアさん、完膚なきまでに抹消してやってください」
「了解」
ぴんっと安全ピンを引き抜いたセフィーリアさん。
パイナップル弾を高笑いしていたムナゲバスの口に投げ込んだ。
戦闘開始。
「しぃねぇぇぇ……おぼろぉっ!?」
動き出そうとしたムナゲバス。内側から膨れるように爆散した。
戦闘開始1秒。ボス爆殺で終了。
今までで最速なんじゃないかな?
どうやら今の闘いで二人揃って消滅してくれたらしい。
魔王四天王二人目撃破出来たし、ムナゲスキーという危険人物も撃破出来たので、よし!
「ふむ、エルナバスが死んでしまったか。それなりに強く、腕は買っていたのだがな」
まぁ仕方あるまい。と魔王陛下。
いや、それで済ませちゃだめだろ。自分所の戦力だよ?
自分自身で粛清しちゃってるけどさ。
さて、とりあえず次の国にさっさと向って今回手に入れた特殊召喚石見てみるかな。
流石にこの国に留まる気にはならないしな。