これがホントの因果応報
「と、言う訳で、これからは仲間じゃな。よろしく頼むぞい」
ヤバい人物が仲間になった。
しかも仲間になって早々、僕やウッディ、村人君の尻に鋭い視線をぶつけてくる。
ヤバい、なんか凄い身の危険を感じる。
「ムナゲスキー、お前王様だろ。先頭歩いてエルナバスの場所まで案内してくれ」
「む、しかし王である訳だし後ろでふんぞり返っておった方がよいのでは……」
「いや、ぜひとも、つか絶対に先頭を歩いてください」
「いやいや、ダイスケ殿より前に行くなど新参者としてはのぅ……」
「煩い、さっさと前歩け、去勢するぞコルァ」
「はいッ!!」
そして僕らはオリジナルムナゲスキーを先頭にしてエルナバスがいるらしい魔王四天王の砦へと向うのだった。
道中、ムナゲスキーはこの国では絶大な人気があるらしく、すれ違う人全てに気さくに挨拶していた。
主におっさんばっかりだけど、腐女子も結構声を掛けてくる。
まぁ、基本今度相手してくれとか、ソレを見るの応援してますとか正直耳が腐りそうな言葉の応酬だったけどな。
こいつはこの国に絶対に残しておこう。
ついでにムナゲスキーコピーとかなんかそれっぽいの全員ここに置いて行こう。
「そう言えばダイスケ、この国のピックアップガチャってしないの?」
「え? ルーカムナゲスキーもっと出現してほしいの?」
「それは嫌だけど、ほら、確認くらいは……」
ハレン・チー王国から出た辺りでルーカが煩いのでガチャ画面を開く今回の8章ピックアップは……魔王四天王ガルガンラヴォス。エルナバス。ムナゲスキー。の三人だった。
なんでガルガンラヴォスなんだよ。まぁいいけどさ。
って、あれ? も一つピックアップがある?
星5が力王ガイザス、星4が白眉軍師エリアラ、破壊戦士ポロンリーの三人だ。こっちは四天王攻略ピックアップだそうだ。
こっちの方やってみるか。
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「闘いだけならアホでもできる。あっぽーぅ!」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「なんだぁ? 俺が召喚されても闘えねぇぞ?」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「もうかりまっかー」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Dだぁ」
「来たぜェアニキぃ!!」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Cだぁ」
ぎゃふーんっ!?
まさかの全滅だと。☆5ばかりか4すら来なかった。
神様に言っとかないと。せめて一つは☆4以上確定とかしとかないとクレーム来るよ。
―― ああ、☆3以上確定にしといたよ。ハッサン当ってるだろ? ――
☆3なんざいらねェンだよッ!!
ええい、もう一回!
☆4以上でろよクソガチャがっ!
「よろしくダイスケ君」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」
ぎゃああああああああああああああ!?
英傑の息子セルジュの☆3が出た以外がゾンビヘイグルという暴挙。これはアレか。クソガチャとか思っちゃったからガチャが怒ったとかか!? ンな馬鹿な!?
セフィーリアが即座に鎮圧を試みるが今回はセルジュ君にまで噛みついたせいで犠牲者がでてしまった。
ゾンビになるとストックにも入らないから鎮圧するしかないようだ。
「馬鹿な、我が傀儡とならん、だと!?」
ネビロヌの死者操りも効果ないらしい。余程墓を暴いた存在に恨みを持っているようだ。
迫り来るゾンビヘイグルとゾンビセルジュをセフィーリアが鎮圧する。
ガチャするのも次からはゾンビヘイグルが来る想定で回さないといけないようだ。面倒臭い。
「おお、なんともったいない。ゾンビと致すのはまだだと言うのに」
そこの変態は黙ってろ。
ムナゲスキーの変態性はまだまだ底が知れないようだ。罪深い奴め。
砦に向う道中でかなり時間を取られてしまった僕らは、適当な場所で一旦休憩することにした。
とりあえずムナゲスキー対策に落とされてしまった村人Dをストックからだして生贄として捧げておく。
さぁ、第2話から先をさっさと終わらせてこの国からとっととオサラバしよう。