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男達から逃げだしたい

 女性陣に囲まれながら移動することしばし、特殊召喚石については全く進展しないまま王城付近まで来てしまった。

 いや、知ってるという奴は何人かいたんだよ。

 それが僕らをベッドに誘うための口実で嘘だったというだけで。

 ほんと、警戒してなかったら誰かがふらふらと付いて行って襲われていたかもしれん。

 まさかネビロヌさんまで襲われる対象になっていたとは想定外だった。


 セフィーリアさんが割り入って自分が向うと言った瞬間ふざけんな嘘だよバーカとか言って来たモヒカン君に速射して殺害してくれなかったらネビロヌが新しい扉を開いているところだったんだからな。ほぼガイコツみたいなネビロヌを性的に襲おうとか寒気がするわッ。


 しかし、恐ろしい国だな。

 行き交う人々が皆男で、僕ら男性陣を性的な眼で見て来るの。しかも基本お尻に視線が来るからなんか凄く居心地が悪い。

 これが女性達が日々感じているという男達の視線という奴なのだろう。

 正味辛い。正気度が駄々下がりするわっ。


 城の門番たちは互いにアイコンタクトして顔を赤らめを繰り返す変態達だった。

 僕らに気付くと、ダイスケさんですね、話は聞いてますどうぞ。と城の中へ入れるように脇に避ける。

 どうでもいいけど何で僕の名前知ってるのかな?

 ド変態の巣窟だから余計に寒気がするよ。ストーキング、ダメ、絶対。


 城内へと入る。

 すれ違う兵士達が僕らを見ておほっとか凄くいい尻しやがってとか言いながら鼻息荒くするのが恐怖だった。

 シークレットの背後に隠れて後ろにパルマさんをひっつかせてガードしながらじゃないと歩けないくらいの恐怖がある廊下である。


 なんとか地獄の廊下を通り抜ける。

 メイドさんの恰好したおっさんとか誰得だよ。全身毛だらけのメイドさんとか正直吐き気がしたわっ。

 しかも執事のイケボおじさんと客間に消えて行ったのが恐ろしい。

 ここはきっと魔窟なんだ。常人が入っちゃいけない場所なんだ。


 早く第一話始まってくれ。セフィーリアさんみたいにそこら中の生命体全滅させれば問題ありませんよね? って暴走しそうだぞ僕は。

 謁見の間を守る兵士たちが僕に気付き、ようこそダイスケさん、と扉を開く。


 謁見の間には厳かな雰囲気の中、玉座にムナゲスキーが座って待っていた。

 僕らは警戒しながら赤絨毯を進む。

 謁見の間は入口から玉座前の壇上になっている場所までレッドカーペットが敷かれているのだ。

 無駄に広い作りで護衛兵なのか直営兵なのか、レッドカーペットの左右に等間隔で兵士が数人づつ囲んでいる。


「よう来たのダイスケ殿」


「あ、はい。魔王四天王がここにもいると聞きまして……」


「うむ。我が国より北に向った場所に奴らの拠点がある」


「あ、じゃあそこに行けばいいのか」


「なんじゃ、四天王を討つつもりか?」


「ええ。まぁ……」


「そうか、ならば……ひっ捕らえよッ!!」


 は?

 意味が分からず呆然とする僕等に殺到して来る兵士達。

 即座に動いたのはセフィーリア。

 近づく奴からゾンビでも処理するように的確に眉間を打ち抜いて行く。

 しかし、倒れた奴から生き返る。


「戦闘準備を! ダイスケさん、早く!」


「あ、り、了解ッ」


 セフィーリアの怒声に止まっていた時が動き出す。

 想定外過ぎて思わず呆然としてしまった。


「くっふっふ。女は殺して構わん。男共は牢に繋いでおけ。後でお楽しみタイムじゃ」


 コピーもブッ飛んでたけどオリジナルも大概だな。

 セフィーリアさん、アレ、徹底的にぶっ殺しちゃってくださいっ。


そして全てが灰になるジェノサイド・レクイエム!!」


 近づいていた兵士達が一気に灰になる。

 高火力全力投球されればそりゃ生き残れんわ。

 そして後に残ったのは焦るムナゲスキーただ一人。

 当然セフィーリアがムナゲスキーの眉間に弾丸を打ち込む。


「おほぉっ」


 断末魔ーっ。今の断末魔だよね? なんでそんな変な声になるんだよ。


「ふふ、女の癖にすばらしいブチ込みだ。久々に猛ってしまうぞぃ」


「なんか言葉がヤバいよ、もう嫌この国、さっさと帰りたい」


「スマンのう、四天王エルナバスは儂が狙っておるのじゃ。悪いが倒させる訳にはいかんのじゃ、まだ堪能しておらんゆえ」


 理由もヤバかった。四天王さん逃げてーっ。


「あら、だったら私達を捕縛せずに協力してくれと頼めばよかったのではなくて?」


「むぅ、成る程、確かにその通りじゃな」


 玉座をぴょんと飛び降りたムナゲスキーが僕らの元へやってくる。


「ではそなたらが四天王の一人エルナバスを倒し、その後は儂が面倒を見る。それでよいかの」


「うわー、いいのかリーハ?」


「エルナバスか、暑苦しくて面倒臭い奴だったからな。それもそれでいいのではないか?」


 魔王様から許可が出てしまった。

 これから倒されるであろうエルナバスに僕は静かに黙祷を捧げた。

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