20連ガチャ、増えるA・後編
10連は失敗に終わった。残るは10連。
これで有用キャラが来なければ、終わる。
いいの、来い!
召喚陣が現れ淡い光を紡ぎ出す。
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Eだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「り、リーシェは僕が守るっ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「ひゃはははははは、次に殺されてぇ奴はどいつだぁぁぁぁぁ!?」
「なんだぁ? 俺が召喚されても闘えねぇぞ?」
うわー。相変わらず村人率はんぱねぇ。しかもEがでてきたよ。
そして新キャラは多分リーシェの知り合いかな。男の子が木の枝構えて現れました。
そして……また出たよレゴウ。マジ消えてくれ。
九人目に出現したのは筋肉マッチョ。禿げあがった頭が印象的な髭親父だ。本人曰く武器屋の親父さんらしい。うん、戦闘向きじゃないな。
おっさんの特性を吟味していると、魔法陣がキラキラキラっと輝きを発した。
この現象、魔王様が来た時と同じ!?
☆5、来ちゃいますか!?
「御屋形様、魔王討伐私も是非連れて行って下さいませ」
そういいながら魔法陣に現れたのは、巫女服を着た白髪の女性。長い髪を揺らしながら、大和撫子を思わせる彼女は魔法陣から歩み出る。
赤い瞳をにこやかに綻ばせ、僕の元へとやってきた。
「姫巫女サクヤと申します。よしなに」
礼儀正しくお辞儀するサクヤさんに思わず顔が赤くなる。
すっごい可愛い。僕好みだ。これはもう編成確定だな。
そう思った僕だったが、サクヤが隣の人物を見た瞬間、僕の理想が脆いガラス細工のように砕け散った。
「魔王グレヴィウスリーハ!? 何故ここにッ」
「ほぅ、誰かと思えば蛇巫女ではないか」
キシャーっと威嚇するサクヤの口から二つに先分かれした赤い舌がちろちろと……あ、これただの可愛い巫女じゃないや。
昂揚したのか徐々に全身に鱗を生やし始めたサクヤに理想の女ってそうそういないんだなぁっと壊れた瞳を空へ向ける僕だった。
「と、とにかく、今回の戦果を吟味しよう」
リーハとサクヤが両手をがっつり組み合って睨み合っているのを視界から外し、メンバーを確認することにした。
とりあえずこの20連で出現した村人以外のキャラは……
☆3快楽殺人者レゴウ×2、☆3狂信者レスティス、☆3エロ盗賊ゴルディ、☆2武器屋の親父ダンディ、☆1ヘタレ少年マリク、☆5蛇巫女サクヤといったメンバーだ。
一先ずさっさとレゴウを削除し、ゴルディも消滅したので居ないモノと数える。
現在のパーティーは☆5リーハ、☆4ケンウッド、☆2シオ、☆1リーシャ、☆1村人Aだったな。
そう言えば皆のスキルも確認してないか。
そうだな。とりあえず主用に成りそうなメンバーから見ていくか。
とりあえずリーハとケンウッドさんはそのまま。残りの三人をサクヤ、レスティスに変えるべきなんだろうけど、残り一枠どうしよう? いいやもう村人Aで。
「リーシャとシオは一端休息しといてくれ。戦闘メンバーにサクヤとレスティスだ」
「なっ!? 魔王と轡を並べよというのですか!?」
「先程説明してやっただろう? 我もお前もコピー体という者らしいと」
「それでも倒すべきモノと一緒に闘うなど……」
「これも主のお導きでございましょう、神意でございますサクヤ様」
「いや、これは明らかに人為……」
「神意でございますサクヤ様」
ゴネるサクヤにずいっと前に出て睨みを利かすレスティス。狂信者の押しの強さにうぐっと呻いたサクヤは不承不承頷いた。
レスティス、謎の風格があるからなぁ。あの人はかなりヤバい。
狂信者レスティス
必殺:
神よ奇跡を
味方全体を少回復。防御力、回避力を増加。稀に1ターン無敵付与
スキル:
祈り
味方単体を微回復。
天罰のロザリオ
敵1体に神聖ダメージ。
主は来ませり
直線状に光属性貫通攻撃、昇天付与。
パッシブ:
狂信者
神の為ならば何をも恐れない。不心得者には徹底的な鉄槌を
布教活動
神の教えを周囲に布教します。
とりあえずスキル見てみたけど、やっぱ酷いなぁ。特に狂信者スキル。これはかなりヤバい。
下手なこと言うとこの人も味方殺しやりかねないぞ。
☆3ってこんなんばっかりか?
ま、まぁとりあえずレスティスにしよう。ダメならリーシャとダンディさんだな。武器屋でもその筋肉ならそれなりに闘えるだろ。
一応安定ではないけど強い回避力を持つケンウッド爺ちゃんを種で強化。レベルを7まであげておく。
さらにサクヤのレベルも7に。迷ったけれどレスティスにも。そして村人Aに残りを詰め込む。レベルが9に上がった。




