そして反抗組織とようやく出会う
「うぉぉぉぉれぇぇぇぇがぁぁぁぁぁ」
「うるさいっ」
ズガンッ
9話が終わり、倒れようとしたエイドリー。その厚かましい断末魔がセフィーリアさんをイラつかせたようでココナッツクラッシュばりの膝蹴りを顎に喰らわせ、倒れるエイドリーに乗りながら彼の頭にショットガンを叩き込んでいた。
容赦ねぇ……
「何の騒ぎだ!?」
「ええい、散れ散れ、野次馬共」
エイドリーを倒していると、なぜか兵士さんが集まってきた。
今までマルサを探していた兵士が全員ここに集まって来たのだ。
その一人が目ざとく見つける。
「隊長、マルサです! あそこに居るのは手配書の女ですッ」
「なにっ!?」
え? 今更っ!?
さっきまで普通に素顔晒して闊歩してたよマルサ。
気付くの遅過ぎだろ!?
マルサに気付いた兵士達がエイドリーを中心にして僕らを取り囲む。
すると、ゆらり、エイドリーにトドメを刺したセフィーリアさんが顔を上げた。
ジャコンッと何処からともなく取り出したマシンガンっぽい銃器を両手に一丁づつ持ち引き金に手を掛ける。
「全員殺せば……問題ありませんよねぇ?」
ビキビキと顔全体に青筋浮かべたような恐ろしい顔で僕にニタリと笑みをくれる。
あかん、なんかセフィーリアさんの機嫌が格段に悪くなってる。
が、襲いかかってくる気配は無く、槍を僕等に向けて囲んだまま兵士たちは微動だにしなくなってしまった。
「あ、これ10話で戦闘になるのか」
「だったら早くしてくださいません? それとも……もろとも鏖しでいいのかしら?」
10話をタップして戦闘開始。セフィーリアさんに恫喝されたからじゃないよ、ほんとだよ。
戦闘キャラは変えずに出撃。
「そして全てが灰になる」
兵士達が一歩踏み出すその瞬間、虐殺令嬢が牙を剥いた。
この人マジ怖い。出来れば単独行動とってどっか行ってくれないかな?
一瞬にして敵が消え去るのを見ながら、溜息吐いてセフィーリアさんを見るのだった。
「あら、まだ生きてますね」
そりゃイベントだからね。エピローグタップしといた方がよさそうだな。
ボタンを押した瞬間だった。
どこかから黒い何かが投げ込まれる。
なんだ? と思った次の瞬間、黒い物は煙を噴き出した。
一瞬にして視界が真っ白に覆われる。
煙幕って奴か!?
「皆さんこちらにっ!」
誰かの声が聞こえたのでそちらに向かって走る。
エイドリーの足に躓いてこけた。
ちょっとイラッと来たのでとりあえず蹴っておいた。
「ええい何処だ!」
「こっちだ足音がしたぞぉうっ!?」
そして僕の後ろから追って来た兵士達がエイドリーに躓きその兵士の上に次に躓いた兵士が覆い被さる音がする。
これは、ペンギンこけたら皆こけた現象か!?
煙で見えないのが哀しい。普通に見えたら絶対抱腹絶倒案件だったのに。まぁ、煙が無かったら躓きすらしないだろうけど。
煙が晴れた辺りに脱出すると、既に脱出していたシークレット達がいた。
後居ないのは……ルーカがいないな?
イリスに聞いてみたがまだ煙の中らしい。
「おーいルーカ?」
「ダイスケー? どこー?」
「こっちだ。早く来いよ」
「声はこっちだ、急げ!!」
「急いでください、追い付かれたら終わりですよ!!」
僕が声を掛けると、煙の中で右往左往するルーカの泣きべそかきそうな声が聞こえる。
そしてその声に反応した兵士達。助けてくれた人らしき声が切羽詰まった声で叫ぶ。
「ダイスケ、どうもこのイベント、兵士達に掴まったらペナルティーがあるみたい」
「マジで!? 仕方無い。ルーカ、後で合流なー」
ペナルティーがあるなら話は別だ。
僕らは遠慮なくルーカを切り捨てる結論をだし、その場を後にするのだった。
「は、薄情者ーっ!!」
「とりあえず空飛んで逃げてろー」
と、声だけ残してさっさと逃げた。
後ろ姿しか見えないけど助けてくれたのはベロニカさんのようだ。
凛々しい甲冑姿の女性に案内されて僕らは反抗組織に辿りついたのだった。
なるほど、ここでようやく反抗組織に所属できるわけか。
となると第7章が反抗組織と帝国との激戦になるのか。
んー。そうなると続けて7章やっといた方がよさそうだな。
国回りは7章終わった後にしておくか。
急いでる訳でもないし、オリジナル召喚キャラ探しは後でも良いだろ。
後は……ルーカ、結局合流できなかったな。どうなるんだろ?
まぁ、あいつは結構生き汚いし、放っといても大丈夫だろ。
またアニキみたいなのと出会って暴走するんだろうけど、まぁリーハやセフィーリアいるし問題は無いかな。
裏切っても大丈夫だよルーカ。死んだらどうなるか分からないからほどほどになー。