お店で買い物をしよう。遠い地方の店に行くとなぜか買っちゃうよね?
お金で買えるアイテムを確認。
行動回復薬が500金貨。アリーナ回復薬が500。ってことはバトルアリーナ形式のイベントがあるのか。
まぁまだ切羽詰まってないしこれは放置で良いよな。
あとは生活用品が売ってる。ベッド28900金貨、冷蔵庫87000、一軒家30000000、石鹸98。タペストリーにクマの置物エトセトラ。
うん、まぁ、なんていうか、冷蔵庫あっても電気ねーだろっ!?
一般用品に混じってスキル強化オーブが売られている。一つ3000らしい。
それと服? なんか無駄に高いぞ。一番安いのでも50000する。
特殊な服らしい。セーラー服とかブルマ体操服とかナース服とかが売られている。
ちなみに一番安いのは白いTシャツとジャージ。Tシャツには働いたら負けかなって思ってる。と文字が描かれている。絶対着ないだろコレ。
とりあえず今欲しいのは強化の種なので覗くだけ覗いてキャンセル。
育成具の方を見ていく。
強化の種は一つ3000。
60000あるからえーっと、20個買えるのか。でもいろいろ必要になるだろうし、10個で止めとこう。
あと金貨を集める方法も調べないと。やっぱりデイリーが一番かな?
……あれ? そう言えば蝙蝠とかゴリラ倒した報酬って貰ったっけ?
「なぁルーカさんや」
「はいはい。なんだねダイスケくん」
「ゴリラと蝙蝠倒した報酬ってどうなってんの?」
「多分プレゼントボックスでしょ」
「え? 面倒くさっ!?」
ステージなどで手に入れたアイテムは全てプレゼントボックスに送られるんだとか。
一先ず30000を使って強化の種を買っておく。
そのままショップを出ると、村長宅へと場面が移動する。
これ、慣れないなぁ。
プレゼントボックスを開くと、第一話クリア報酬金貨100とパワーリング。第二話クリア報酬は金貨300、金貨が500、スピードリング、蝙蝠の羽。
さらに強化の種×10。これはさっきショップで買った分だ。どうやら買い物した奴も全部プレゼントボックスに一時保存されるらしい。
上限が300でそれ以上溜まると一番初めの報酬から消されるらしいからこまめにチェックするしかないな。面倒臭いけど。
にしても、蝙蝠の羽、何に使うんだ?
「そう言えばさルーカ」
「はいな?」
「食事ってどうなってんの?」
「普通だよ。お腹減ったら食べればいいよ」
「ってことは携帯食料がいるか」
ゲームとかだと時間経過はなかったから何年経っても初期に手に入れたイチゴパフェとかが普通に食えたけど、こっちだと流石に無理だよな? 面倒そうだ。
……って、あれ? お金が減ってる?
30900残ってた筈なのに残金が何故か20200になってるぞ?
はっと気付いた時には遅かった。ルーカを向けば、ばっとタイミング良く顔を逸らして口笛を吹く。
このヤロウ、僕の金貨で買い物しやがったな!?
「何を買いやがったルーカ!」
「何って何を? ワタシ、ナニモ、ワカリマセーン」
「見せろっ」
「そうだ見せろっ! 我も買っていないのに自分一人だけズルいぞ!」
なぜかリーハも参戦してルーカを揺する。するとその懐からごろんっと落下する謎の木彫り物。
いや、違う。これは……こけしだ!?
しかも揺すったことで頭だけ取れたようで村長宅にごろりと転がるこけしの頭。軽くホラーだ。
「気持ち悪る!?」
「いやーっ!? 私のこけちゃんがぁ!?」
慌てて拘束を振りほどいたルーカは涙目で床を転がるこけし頭部を追いかける。
「ふえーん。壊れてるぅ……」
いやー、引くわぁ。なんでこけしだよ? 意味がわかんねぇよ。でも意味不明なものをつい買っちゃうのは分かる気はする。
僕もちょっとタペストリーとかクマの置物とかゴブリンフィギュアとか欲しいと思ったもん。
でもあれらは集め始めたらそれこそドツボに嵌る悪夢の手先だ。
「主様よ、何だあれは?」
「さぁ……ルーカの趣味はわからんよ」
「こけちゃーん。うえ――――っ……」
両手を歪曲した手刀にして目を押さえるようにして泣き叫ぶルーカ。ちょっと居たたまれない気持ちになるけど、下手に声掛けるとこけしを弁償させられかねないから放置する。
なので話し相手は自動的にガチャキャラになる。
「さてリーハ、これからどうする?」
「ふむ。問題は戦闘メンバーが少ないことだろう? レベルはあげられるなら無理に今の面子のレベルを上げるよりガチャとやらをやればいいのではないか?」
「まぁ、そうなるか。第三話行く前にそうするしかなさそうだな」
村長には休む時にまた来る、と告げて、僕らは一旦外に出る。
とりあえずガチャ、いいキャラが出ればそいつをレベルアップさせて第三話、かな。
そして、村長宅にこけしの頭を抱きしめ嘆くルーカだけが残った……




