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そして紛い物は本物を越えた

「ふむ、我も参加して良いか?」


「へ?」


 え? ヘスティカーナさんや、自分倒しに自分で参加するのかね。

 連続ヘスティカーナ戦もすでに50を越えている。

 つまりヘスティカーナさんのレベルにあと50回倒せば追い付く計算だ。


 ここからヘスティカーナ本人を入れるとするならば、大幅に戦闘メンバー交換したほうがいいな。

 敵のレベルに合わせて対応出来そうなキャラに替えとかないと。

 えーっと、ヘスティカーナ確定だから後四人。

 セフィーリアが入りたそうにしてるから残り三人。

 セフィーリアに対抗するように魔王陛下がやる気満々だから残り二人。

 うん、残りはサシャ×2でいいか。


 しかし僕は人選を失敗した。

 それはなぜか? 簡単だ。ヘスティカーナまで順番回らないからだ。

 開幕直後にリーハとセフィーリアが先を争って必殺するせいで周回イベント用のヘスティカーナが即殺されてしまうのだ。

 80レベル辺りからはそれでもなんとか1ドットのHPが残るのだが、サシャの前には紙装甲。

 まだ二人目のサシャにすら届かない。


 レベル90代、ようやく二人目のサシャの攻撃まで回る。

 レベル100到達。ついに残るか? 思った次の瞬間、サシャ二人目が会心の一撃を叩きだし撃破。

 ヘスティカーナが涙目になっていた。


 だ、大丈夫だよヘスティカーナ。ほら、コピーはまだまだレベル上がるから、体力も上がって君の攻撃が出来るから。

 レベル101。ついにヘスティカーナ本人のレベルを越えてしまった。

 コピーの方が強くなったのだが、御蔭でようやくサシャ二人目の攻撃でもコピーヘスティカーナのHPが残った。


「ぬおおおおおおおおおッ! だっしゃああぁぁぁぁ――――っ!!」


 コピーヘスティカーナをヘスティカーナが殴り倒す。そしてえいど○あーんとでもいいそうな勢いでガッツポーズ。そこに皆がおめでとうーっと殺到して胴上げが始まった。

 ……なんだこれ?


「見たか主様! これが我の実力だァッ!!」


 え? あ、うん。


「あー、よくやったな。感動した」


 とりあえず抑揚のない声で褒めておく。

 自分が倒したことで昂揚していたヘスティカーナにはそれだけでも充分だったようで、うっしゃー、なろーっと叫び声を上げていた。

 思わず微笑ましい顔で僕とイリス、そしてルーカが彼女を遠くから見つめてしまった程である。


 それで満足しちゃったようで、戦場から撤退して来るヘスティカーナ。

 そろそろ皆にもきつくなってきてるようだ。

 タダシさんとヘスティカーナを変更して、戦闘開始、行ける所まで行って貰おう。

 タダシさんは皆を守ろうと必死に自分がダメージを受けるつもりらしい。


 でも、全体攻撃喰らったらどうしようもないよね。あの尻尾攻撃が地味にきついな。一撃でオリジナルキャラ達がHP半分持ってかれるし。

 まぁ2ターン目で大体倒せてるから問題は無いんだけど。

 150レベル到達したぐらいからなんかダメージが効きづらくなりだしたんだよね。

 まぁ、レベル差があり過ぎるのはしかたないんだけ……マジか!?


 なんと直線に一撃を喰らわせる水流撃をくらったリーハが第二形態に変化した。

 つまり、第一段階のHPが全損したことになる。

 攻撃力が高くなり過ぎてる。

 タダシさんの防御力が高いからなんとかなってるけどこれはマズいんじゃ……


 って、今度はタダシさん巻き付かれた!? 潰れて即死した!?

 そうか、防御比例攻撃だから防御力が高いタダシは普通にダメージ受けるより大ダメージになるのか。

 160レベルまでなんとか闘ったが、ついに恐るべきことが起こってしまった。


「ば、馬鹿な!? この我が、魔王だぞ? この我が、滅……びる?」


 ……魔王陛下が滅んだ。

 世界はこれで平和になったのではあるまいか?

 当然この世界ではそんな事にはならないんだけどね。


 なんとかサシャ二人が頑張って168レベルのヘスティカーナを撃破する。

 でもこの先は流石にちょっと無理そうだな。

 と、いうことで、こちらも秘密兵器を投入することにした。


「よろしくおねがいしやす、師匠」


「お主の師匠のなった覚えは無いがのぅ。面白い、勝負といこうではないか」


 オリジナルのケンウッド、をタダシさんと入れ替えで投入。

 天下唯一が火を噴いた瞬間一ターンキルが確定。

 ヘスティカーナ周回レベルがどんどん更新されて行く。


 それでも、190レベルを越えるとお爺ちゃんでもキツくなってきた。

 お爺ちゃんの連撃喰らってもまだ生きてる時があるんだよ。まぁ連続攻撃っていっても20回とか少なめな時だね。御蔭でヘスティカーナの薙ぎ払いを受けて全滅が時々でてしまう。

 火力は充分だが相手の攻撃を受け止める装甲もないのが現状で、ケンウッドの連撃回数次第でどちらの敗北かが決まるようになっていたのだった。

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