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襲われる皇族たち

「しかし、そうか。我が姿がいつの間にか変わっていたか」


「自覚が無いのが怖いところだな」


「すまないなパルマ、恐い思いをさせたみたいで」


 彼らは悪くない。

 悪いのは姿を変化させた、というか彼らを消した駄女神だ。

 パルマはまだ疑惑を持っていたようだが、思い出話を告げ出した兄たちに徐々に警戒を解き始めた。

 そんな、時だった。


 唐突に、そいつらは湧いて出た。

 黒づくめの男達。

 わらわらと謁見の間に現れ、集まった皇族たちを取り囲む。

 うん? なんで皇族を取り囲むんだこいつ等?

 彼らの誰かが放ったパルマ殺しの下手人じゃないのか?


「何者だ貴様等ッ」


「ここが皇帝陛下の御前であると知っての狼藉か!?」


 皇子たちが口々に告げるが、黒づくめたちは徐々に距離を詰めるだけで答えない。

 これが8話目の闘いか。


「面倒だしリーハさんお願いしていいかな?」


「よかろう。即殺だ」


 魔王様の開幕必殺が吹き荒れた。

 皇城内に降り注ぐ火炎弾。もはや皇城は見る影も無く風穴だらけになってしまった。

 うん、まぁ魔王様に頼んだらこうなるよね。


 まさに即殺されたアサシンども。

 しかし、戦闘終了後、生きてたアサシン達が皇族へと殺到する。

 そして、皇帝陛下が暗殺された。


 え? これって暗殺でいいんだよね?

 皆の目の前で襲撃されてるけど、相手はアサシンだし暗殺でいいんだよね? よね?

 イベントみたいだし、とりあえず放置してみたけど、皇帝暗殺を終えたらアサシンたちが即座に撤退していった。


「ち、父上――――っ!?」


 皇子の一人、ムキムキで脳筋っぽい皇子が倒れた皇帝に駆け寄る。

 そしてもう一人は……うっわあくどい笑顔。こりゃこいつが暗殺者送り込んだ黒幕だな。

 となると、皇になるために脳筋君を次に暗殺。最後はパルマ、って所か。


 パルマは目の前で他人のような父が殺されたことで困惑している。

 本当の容姿を持つ父だったなら絶望に拍車が掛かっていただろうが、未だに彼が自分の父だと納得できていない彼女にとっては、父の死であろうとも他人の死に感じるようで、サボに抱きついたまま呆然としている。


「ダイスケ君だったか、今日はもう遅いし、王城に泊まっていくといい。パルマの部屋近くで寝ると良いだろう」


 優男風の皇子がそんな事を告げる。

 いや、目の前で父親暗殺されたのに落ち付き過ぎだろあんた。

 怪しさ爆発しすぎだっつの。


 となると、このままパルマを狙うパターンか、あるいは一連の事件をパルマに罪着せるパターンか。

 はっ!? 気付いてしまった。

 もしかしたらと思うが、こうか!


「ガチムチ皇子を殺して罪をパルマに着せる、自分は皇帝となり、パルマを処刑。しかしそこにサボが颯爽現れ優男皇子の罪を暴きだし逆処刑。パルマの求愛によりサボが次期皇帝となる。かな」


「ほぅ、この先の展開予想ですね。では私はこうしましょう。優男がマッチョを毒殺、罪をパルマに着せる。パルマの無実を訴えるサボは捕らえられパルマの目の前で処刑。その後パルマは首を刎ねられ、自分の身体を見せつけられながら処刑。あ、私はヒロインさんの亡骸をモブどもに凌辱させるのも付け加えましたよ。首だけになってもまだ生きてるヒロインさんには嗤ってしまいました」


 悪魔か君はッ!?


「そして自分が皇帝になり邪魔者が居なくなったと高笑いした瞬間に私が眉間にブチ込みます。これで解決ですね」


 魔王か君はッ!?


「いや待て貴様等。犯人はマッチョの可能性もあるだろう」


 僕とセフィーリアに横槍入れたのは魔王陛下。

 魔王はこいつだった。


「「ないな」」


「う、煩いっ。とにかく我はマッチョ犯人説を押すぞ! ダイスケが言ったのと優男とマッチョが入れ換わったパターンだ」


「それはありえませんね」


「何故だ!?」


「マッチョは見たとおり、父親の死に本気で泣いています。暗殺されるとは思っていなかった」


「甘いな小娘。それこそが演技だと言っている」


 いや、アレが演技って。流石にガチムチ君がそんな演技してたらショックだな。脳筋タイプだろあの人。


「つまり、マッチョこそが皇帝を狙う犯人だ。次の話で優男が死ぬぞ」


「馬鹿ですかね。あんな脳筋にそんな演技が出来る訳が無いでしょう」


 互いにおバカな人を見る目で対立する魔王と悪役令嬢。

 埒が明かないので次の話をタップして真相を確かめることになった。

 イリスの話では案内された部屋で寝ると次の話になるらしいので、僕らは優男皇子に連れられてパルマの部屋の横の部屋に向う。パルマはサボと離れたくないからと一緒の部屋で寝ることになった。


 でもさ、ベッド、ここ一つしかないんだけど。

 当然、僕が寝たら皆寝るらしいので僕用のベッドしかないんだなこれが。

 さって、それじゃ第9話、行ってみようか。

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