改めて、進め第5章
「長かったな今回のメンテ」
「御蔭でセフィーリアが暴走しないか私はやきもきしてたわよ」
ルーカと僕はげんなりした顔で告げ会う。
やはり時間が経つごとに険悪になっていくセフィーリアと同じ空間に居るのは苦痛でしかない。
正直いつ暴発するかとシークレットの太ももに抱き付き震えていたくらいだ。
「あ、見てダイスケ、あそこが終点みたい」
そう言えば僕らは黒づくめの誰かを追ってたんだっけか。
なんか色々あり過ぎて何やってたか忘れちゃったよ。
えーっと、追ってた黒づくめが居るのは王城の城門に密着している小屋の前だ。
そこで周囲を確認した後、室内へと入ろうとして僕等に気付いた。
室内から黒づくめ二号が現れ、空気を受け渡す。
だからお前ら何を運んでんだよ。皇女様は既に救出済みだっての。
しかし、黒づくめたちは気にせず敵対。
どうやらここでぶっ倒して良いらしい。
「では、参りましょうか。レベルは万全ですか?」
「今60くらいです。推奨レベルは超えてるので」
「仕方ありませんがいいでしょう」
どうやらセフィーリアは確定のようだ。
下手に攻撃させなかったらいろいろ言われそうだし、ここはオリジナルキャラは待機だな。
アニキ、ケンウッド、レスティス、オデーブ、NPCにサボ起用。
さぁ、好きに動くがいいセフィーリア。
敵対するのは四体の黒ずくめ。
アニキがバギーで一直線に打ち抜き、レスティスが光の光線で一体を撃破。
オデーブがレスティスを守り、ケンウッドが腰を痛める。
サボが適当に撃ってダメージを与えた瞬間、セフィーリアは何かを喰わえ、引き千切るように、ピンを抜くと、思いっきり手に持った物を投げた。
小型のパイナップルにしか見えないそれは敵中央に落下し、1秒。
爆発とともに範囲内にいた黒ずくめたちが消し飛ばされる。
うん、セフィーリアさん手榴弾投げちゃったよ。あんたのスキル欄にそれないでしょ……
ほら見なよ、君のスキル欄。
虐殺令嬢セフィーリア Lv58
必殺:
そして全てが灰になる
敵全体に銃器による防御無視の即死付き超絶ダメージ。
スキル:
貴方の死は確定しました。
敵一体を確実に射殺。当たれば即死確定。ボス即死貫通付与。
とりあえず死んでください
攻撃力増加。即死付与。クリティカル率上昇。通常攻撃回数増加。
全員殺せば問題ありませんよね?
フィールド全体にマシンガン掃射。敵も味方も壊滅させます。
パッシブ:
神への反逆者
不条理なことほど回避能力が上昇。全ステータスが上昇する。
自由奔放
気分しだいでプレイヤーすら殺すことがあります。扱いにご注意ください。
ほら、手榴弾ないじゃん。
WAVE2の攻撃時にはマシンガン使ってるし、WAVE3ではロケットランチャー使ってるし、攻撃方法多彩過ぎる。というか今のどっから出したの!?
「準備運動にもなりませんね」
戦闘終了時にこれですよ。
セフィーリアさんが満足できる戦闘ってこの世界ないんじゃないかな?
さて、次の話はこの室内に入れってことかな。
セフィーリアさんが率先して入って行ったので恐る恐る後から入る。
なんか薄暗い納屋ってかんじだな。
人が一人いるはずなんだけど、見当たらないぞ?
「隠し通路はそこの藁の下、です。脱出するとき使いました」
パルマからの密告で次に向う場所発見。
アニキが藁を取り除くと、確かに隠し通路があった。
ただ、この展開、第2章を思い出すのはなぜだろうなぁ?
「あら? この隠し通路入れないわね」
「あー、やっぱり」
セフィーリアさんが入ろうとして壁にブチあったったみたいなので思わず口から漏らす。
瞬間、こちらに銃口が向けられた。
「知ってるようですが、理由を聞いても?」
「Yes、サー! 第2章で似たような現象起こったであります!」
なぜか直立不動になるのは仕方無いと思うんだ。
ふーむ。と睨みつけるセフィーリア。何かを吟味した後銃口を降ろす。
やばかった。また殺されるかと思った。
「ではこの先に向うのはどうするのですか?」
「次話タップでいけるはずだよ。場面が一気に切り替わるから気を付けて」
「そういうシステムなのね。了解」
セフィーリアが了承してくれたので遠慮なく次話をタッチ。
次の瞬間王城地下と思われる場所に……
ターンッ
「えええええ!?」
移動終了とともにセフィーリアが発砲。地下通路を銃弾の音がしっかと響き渡った。
潜入に向いてないよこの人。
でも誰も来ないな。今の一撃絶対皇城まで聞こえてた筈なのに。
「失礼。つい撃ってしまいました」
それ謝って済むもんじゃないからね。
まぁソシャゲ世界ですから、次話タップする以外で敵と遭遇して闘うことは無いんだけどね。