コラボイベント? 誰がやるかっ!
……
…………
……………………
はっ!?
あ、あれ? ここは? 今セフィーリアさんに射殺された気がするんだけど、僕、生きてる!?
思わず起き上がり周囲を調べる。
皆の呆れた顔がそこにはあった。
「残念ながら、死んだわよダイスケ」
現実、受け入れようね? と聞きわけの無い子を諭すような顔で告げて来るルーカ。
嘘、だろ? マジで殺されたのか、ガチャキャラに!?
ばっと、セフィーリアを見る。
「運営とやらから変なスキルを付けられてしまいました。貴方を射殺すると私が爆死するそうです。面倒臭い」
神様珍しく仕事した!?
っつかこの人ヤバ過ぎだろ。
多分戦闘にも使えないと思う。なんか背中からお爺ちゃんとか撃たれそうだし。
味方の死すら利用して敵を倒しそう。
危険物だからとりあえずストックにしまって……
「ああ、一応告げておきますが、ストックとか言う場所に入れたら全力で殺すわ。いいえ。殺すのは無理だから死にたくなる苦痛を教えてあげる。出来ないと……思いまして?」
ニタリ、冷笑する悪役令嬢様に僕は即座に首を振った。
あかん、下手にストックに入れたらこの人なんかストック中は時が止まるとかいうセオリー無視して脱出して来そうな気がする。
そして拷問という名のおそろしい……考えただけで震えるわっ。
「あ、ちなみにダイスケ。セフィーリアさんのコラボイベントあるけどどうする?」
「絶対やるかァッ!!」
「それがいいです。どうせあのクソ神が考えたろくでもないコラボイベントでしょう。参加したら最後、ここのメンバーが残り一人になるまで殺し合いさせられて、優勝者も何かしらのイベントで殺されます。そういう神なので」
「最悪ですねそいつ」
「ええ。最悪も最悪です。話が分かりますねダイスケさん。今のは好感度が増加する選択肢ですよ」
「選択肢あんの!?」
「0・0000000000001程好感度が増加します」
「実質変わらないですね!」
だと思ったよ。
この人は本当に好きにさせておいた方が良い気がする。
放置しとこう。何も命令はしない。お願いはたまにしとこう。
「ああ、あとレベルはしっかり上げておいてください。ちゃんとカンストするまで上げてくだされば少しはご褒美さしあげますよ」
「そのご褒美、鉛玉じゃありませんよね?」
「あら、そちらがお望み?」
僕は全力で首を振って否定した。
からかわれただけだと分かっていても絶対に頷けない。
何しろ殺された過去があるのだから、というかこの人は逆らっちゃいけない人だ。
「ふふ。別の世界とやらがどのようなものかわかりませんが、殺伐としていないなら嬉しい限りですね。オリジナルには悪いですが、私はここでゆったりとさせていただきましょう」
もはや僕に付いてくること確定したコピーのセフィーリアさん。これ、どう見てもオリジナルと同じ扱いにしないと撃たれるパターンだな。
よし、放置しよう。この人にはもう触れない。触らぬ神に祟りなしだ。
気を取りなおして、こっちのガチャ回してみるか。
ランダムコラボガチャを見てみる。
今回出現するのは第4弾のコラボから☆5悪役令嬢リーシェロット、☆4悪徳主人公エシャロット。第7弾コラボから☆5悪役令嬢スカーレット、☆5貧乏令嬢ガムテープ、☆4貧乏くじ令嬢ホーメリー。
って悪役令嬢ばっかじゃねぇか。
セフィーリアで痛い目見たばっかりだし流石にもう悪役令嬢系はお腹一杯かなぁ。
って、貧乏令嬢名前がおかしいっ。なんでガムテープ!?
こ、これはもう排出させて理由を聞くしかねぇじゃないか。
もしかしてこの娘も日本出身なんじゃないのか。
よし、引くぞ、引いちゃうぞ!
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Dだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「くはは俺を呼んだかマスターッ。共にハーレム王国造ろうぜェ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「まぁまぁ、これはこれはお可愛い方。おサルさんみたいですわ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「……」
「ば、ばぁさんや飯はまだかの?」
「今食べてるでしょうお爺さん」
会話成立したっ!?
☆1のおじいさんとおばあさんが最後に出現。お婆さんはたまに立ち止まりながら早歩きしていたお婆さんで、お爺さんの方は超高速運動しているお爺さんである。
どうやら皇国に入ったことで出現するようになったようだ。☆1キャラとしてガチャに実装されたのは多分最近なんじゃないかな?
それからエロ盗賊のゴルディが再び現れた。
見た目が気に入らなかったのか出現と同時にセフィーリアが掃射。近くに居た村人A二人を巻き込み即殺してしまった。
ああ、またゴルディが仲間になるまえに消えちまった。
最後に一人。☆4貧乏くじ令嬢ホーメリーが出現しました。
ちがう、そうじゃない。僕が欲しいのは君じゃない。




