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プロローグ

 ソーシャルゲームを知ってるかい?

 ああ、そうさ。スマホで出来る無料のゲーム達だよ。課金はあるけど、お金使わなきゃ無課金で遊べるんだ。もちろん通信料は掛かるけどね。

 僕なんかずぶっずぶだからいろんなソシャゲやっててさ、一日ずっとソシャゲ祭りさ。

 通信料も馬鹿にならないし、更新が連発した日には通信料が恐ろしいことになったりするんだよね。この前も一つのゲームだけで通信料10ギガも使用させられたし。


 まぁ、その辺りはいいや。とにかく僕はソシャゲが好きだ。

 むしろソシャゲに一生を捧げたっていいと思ってるんだ。

 課金だってそれなりにするよ。

 高校入ったばっかりだからまだバイトしてはないし、お駄賃からだから月一万くらいしか課金出来ないけどね。

 大人になったら就職して課金しまくるんだ。

 廃課金バッチコイ。

 ああ、早く大人にならないかな~。


 プワーッ


 ……ん?

 スマホから顔を上げる。

 あれ? なんかトラックが僕に向かって……?

 クラクションめっちゃ鳴らしてんの、はは、ウケる。




 横断歩道の道途中。

 車道は青、歩道は赤。ソシャゲに夢中の彼は気付きもせずに前進する。

 顔を上げた少年向けて、青信号だからとブレーキ踏まずに直進したトラックが突撃する。

 運転手が気付いた時には遅かった。

 呆気に取られた少年が、巨大トラックと追突する。

 跳ね跳ぶ少年。スマホが地面を滑走する。

 彼の意識は、一瞬で途絶えた――――



 ……

 …………

 ……………………


 あれ? ここ、何処だ?

 黒しかない暗闇に、僕は目覚めた。

 少し遠くに光が見えるが、ここまでは届かないようだ。


「やぁ、おはよう」


 誰?

 ふと気付けば、すぐ前に誰かが居るのがわかった。

 暗闇なのに輪郭ばかりか相手の姿が見える。


「あ、俺神って奴。いやー、新しく世界作ってみたんだけどさー、別世界の奴に問題無く世界回せてるかの確認して貰いたくってさ、丁度死んだ奴いたからお願いしよーと思って」


 え? 意味分かんない。

 こいつ誰だよ?

 角の丸い三角錐みたいな顔とにょろにょろした長い触手で出来た生物を見て僕は目をぱちくりさせる。

 あれかな、一昔前に逸った火星人のコスプレかな。喋るホイ○スライムかもしれない。

 そいつは触手の二つを手のように動かし他の触手で立っている。

 手と思われる触手を片方顔の横にあげて、「やっ」と挨拶をしていた。


 にしても、世界の確認? 死んだ奴? あ、これ、まさか……ゲームとかでよくある異世界転生?

 いや、でも、僕ソシャゲやりたいしなぁ。異世界とか行ったらガチャ回せなくて発狂するんじゃないかな?


「あー。その、僕は……」


 別の人にやって貰おう。断ろうと思った僕だったのだが、


「ちなみに地球で流行ってるソシャゲって奴を真似て作ってみたんだ。だからちょっと世界としていろいろおかしくてさー。いろいろ手直ししたいし、君、そこの主人公として世界体験してくんない?」


「ソシャゲ!? ソシャゲの世界なのか!?」


「え? そうだが(ずいぶん喰い付きが良いな)?」


 近寄り唾を飛ばす程の僕に、火星人ルックの神は触手にハンカチを吸着させて飛んで来た唾を拭き取る。


「ガチャは!? ガチャは引けるのか!?」


「課金はないけどね。ソシャゲを参考にしながら作ったよ。一応世界に存在する住民は全員ガチャで引けるようにはしてみたんだ。あとマスコットキャラも作ってみたよ」


「課金ないのか……いや、でも、なんかオラワクワクしてきたぞ!!」


「そ、そうかね」


 喰い付きが良すぎる僕に神様は呆れた顔をしていたのだが、僕が気付くことはなかった。この時はね。うん。


「では転生オッケーってことでいいかね?」


「いいですけど、この身体のままですか?」


「一応君死んでるからねー。向こうの世界に行く前に身体直して連れてく予定だけど。なに? 赤ちゃんからしたいの? そうなると向こうの住民になっちゃうんだけど」


「なんか問題あるんですか?」


「いや、ガチャで君もでるようになるんだよね、何かややこしくなるから出来ればその姿のままでお願いしたい」


「えーっと、じゃあまぁそれでもいいっす」


 良し決まり。と神は楽しげに僕の肩に触手を乗せてぽんぽん叩く。

 なれなれしいなぁ。と思ったものの、触手は意外とプニプニしてたのでそこまで不快じゃなかった。

 むしろ猫のにくきゅうが金太郎飴になった感じな気がする。


「おーし、んじゃあ俺の世界にれっつごー。後の詳細はマスコットちゃんが説明するからさ、バグ報告はメイン画面のオプションからメールでよろ」


「了解、あ、初回ガチャは無料みたいなのあるの?」


「10連だっけ、初回のみ☆5キャラ確定にしといたよ」


「おーっ。楽しみっ」


 僕はワクワクしながらソーシャルゲーム世界とやらへと向かうことにしたのだった。

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