新人研修編
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「江藤探偵事務所の日常~催馬楽 佳奈の場合~ 新人研修編 」
【登場人物】
催馬楽 佳奈・・・28歳。女性。一応、既婚者。
最近までニートをしていたが、
嫁ぎ先から追い出されて働くことに。
現代っ子。
加藤 博貴・・・男。江藤探偵事務所のNo.2。
容姿はあまり良くない。
店員:一言だけセリフがあります。加藤役の方は兼役をお願いいたします。
(できるだけ声を変えてやると違和感がないかもしれません。)
【所要時間】
6分程度
【本編】
佳奈:加藤せんぱーい。コーヒー買って来ましたよ〜
加藤:ん。ありがとう。......ってあれ?
俺、冷たいやつって言わなかったっけ。
佳奈:せんぱーい、何言ってんすかぁ。今もう冬っすよ。
自販機に冷たいコーヒー売ってないっすよぉ〜。
加藤:そ、そうか。
すまん。とりあえず、ありがとう。
ホットだけにホッと一息いこうか。
佳奈:なーにいってんすか。
加藤:あ、いや、別にいいんだ。
ところで、また新しい依頼が届いた。
佳奈:おぉー!!殺人ですか!?殺人!!!
加藤:お前はすぐそういう物騒なことをいう。
今回はただの謎解きだ。
佳奈:え〜。殺人じゃないんすかぁ........
加藤:こら。残念そうにいうなよ。
平和なのはいいことじゃないか。
佳奈:まぁ、そうなんすけどね。
もっと難事件を解決したりすると思って探偵事務所に入ったのになぁ〜
加藤:そんなの滅多にあるわけないだろ。
俺だって今まで10年以上この仕事を続けているが、
2回くらいしか出くわしたことがない。
佳奈:そうなんすか。
加藤:またお前は。えらく興味なさそうだな。
佳奈:だって、そんな話聞いたところで、
事件が降ってくるわけじゃないので。
加藤:はぁ、本当にお前は推理は長けているが、
やる気のスイッチを入れるのが難しいよな。
よし、じゃあ今回の依頼。お前が解決したら飯を奢ってやる!
佳奈:はぁ。今時、飯奢るっていって若者が付いてくるとでも?
せんぱーい古いっすよ。古い。
加藤:ぐっ.......現代っ子にもほどがあるわ........
わかった!
じゃあ5分以内に解決できたらお前の好きなものを買ってやる!
佳奈:ほぉ.......それ!!!いいっすね!!
加藤:食いついて来た......
佳奈:なーんでもいいんすか!?
加藤:あぁ、ただし1つだけ。後、社会人としての空気を読んだ値段でな。
佳奈:わーかってるっすよ!
さぁさぁ、私に解いてほしい依頼とは何かね!ワトソンくん!!!
加藤:くっ....お前ってやつは......
まぁいい。さっそく本題に移るぞ。
佳奈:さぁさぁ!なんでもいってみなさい!
加藤:......今回の依頼は密室事件だ。
とある学校でのことだ。
勉強嫌いな山田くんは、いつも補修時間に教室を抜け出していた。
痺れを切らした教師は、
外側から鍵をかけて開けられない扉・窓の無い部屋に閉じ込めた。
1時間後に教師が見に行くと、山田くんの姿は無かった。
部屋の中には隠れられるようなロッカーや机はない。
さて、山田くんはどうやって抜け出したでしょう。
佳奈:先輩。質問いいですか。
加藤:おう、いいぞ。
佳奈:この学校は建てられてまだ新しいですか?
加藤:数年前に建替えられてたはずだ。
佳奈:その部屋にエアコンはありましたか?
加藤:ん?......ちょっと待ってくれよ.......
あぁ。エアコンはあるようだが。
佳奈:その学校は有名な学校ですか?
加藤:申し訳ないが、学校名は教えられないぞ。
佳奈:学校名はいらないです。大きな学校ですか?
加藤:あぁ、結構大きな学校だ。
生徒は全体で1000人以上いるそうだからな。
佳奈:なるほど。わかりました。
加藤:そうか。じゃあ、答えを考える時間はどれくらいほしい?
佳奈:いや、だからわかりました。
加藤:え?
佳奈:答えがわかりました。
加藤:え、もう!?
じゃあ!答えてみろ!
佳奈:山田くんはその部屋から出ていませんよ。
加藤:何を言っているんだ?
隠れる場所はないといっているだろ。
佳奈:ありますよ。一箇所だけ。
加藤:どこだ?
佳奈:天井です。
加藤:天井?
加藤:佳奈:そうです。
最近に建てられた建物でエアコンがある部屋だと、
点検口が比較的多く取り付けられています。
点検や修理を行うために要する物なので、
天井内に潜り込むことは可能でしょう。
よって、山田くんは天井内に潜り込んで隠れていたと推測できます。
加藤:ほ、ほう......そう来るとは.........
佳奈:で、答えはなんなんですか?
加藤:実は、この問題に答えは無かったんだ。
佳奈:はぁ!?
加藤:これは、お前の推理力を判断するために出した言わば練習問題だ。
佳奈:私を試した........ってことですか。
加藤:あぁ、そうなる。変なことをしてすまなかったな。
佳奈:それで解けたら好きなもの買ってやるって言ったんすね。
答えがないから。
はぁ〜きったない大人だなぁ。
加藤:まさかそんな答えを出して来るとは思わなかったよ。
佳奈:はぁ、いや、そんなのはいいっすからとりあえず、
私の答えは間違いっすか。正解っすか。
加藤:んっ.......正解でいいだろう............
佳奈:いよっし!好きなもん買ってもらお!!!
せんぱーい覚悟してくださいね(ニコッ)
加藤:おっ、おぉ.............
(間)
店員:ありがとうございました〜
佳奈:せんぱーい♪ありがとうございます♪
加藤:......くっそぉ......まさか5万円もするゲーム機を買わされるとは....
佳奈:先輩がなんでも好きなのって言ったんじゃないっすか〜
加藤:社会人としての 空気を読んだ値段とも言ったがな!
佳奈:じゃあ、フェラーリとかにしときましょうか?
加藤:いや、いい。
俺の負けだ。
佳奈:それでいいんすよ〜
加藤:ぐっ........明日からはビシバシいくぞ!!!!
佳奈:了解っす〜。
さぁ〜晩御飯はなにを奢ってもらおっかな〜♪
加藤:えぇ!?お前飯奢るのは古いって言ってただろ!?
佳奈:先輩が奢ってくれるって言ったんすよ〜!?
奢ってくれますよね♪
加藤:ほんとこいつは.......わかったよ!!!!
この際だ!!!パーっといこう!!!!
佳奈:ヤッタァー!今日は飲むぞぉー!