断章:エディッタ・オラーフ研究員の回顧録
聖女の半生
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エディッタ・オラーフのこれまでの人生とは、苦難の連続とも言えた。
「逃げなさい、エディッタ!」
それが実母の最期の言葉だった。
ブラハシュア貴族と思われる中年の男に抵抗し、無残にも殺されたエルフがいた。
「奴隷がどこに行ったかと思えば!」
そのエルフは、ブラハシュア貴族に遊びで捕らえられ、慰み者にされた被害者の一人であった。
何とか逃げ出して、同じような境遇の者が集まる隠れた集落に潜んでいた。
そこを発見した赤髪の少年の名は、ヤン・ヴァルツァーと言った。
「あら……薬草を取りに来たら、幼子を拾うなんて」
魔物の跋扈する山で、そのハーフエルフを見つけたのは、王都で薬師を営む女性、カルラ・オラーフだった。長く黒い髪が特徴的な、おっとりとした性格の人物であった。
「あなた、お母さんやお父さんは?」
その質問に、幼いハーフエルフは泣きながら首を横に振った。
境遇を察したカルラは、少し考えた後、ぽんと手を叩いて、
「じゃあ、うちの子になりなさいな」
と名案とばかりに言い放った。
「王都だから、お耳は隠した方がいいわね。偽装の魔法をかけちゃいましょう。ああ、えっと、あなた、お名前は?」
優しげな女性は、楽しそうに少女へと問いかけた。
こうして彼女は、薬師カルラの元で義理の娘として、ブラハシュア王都で育った。
「あらエディッタ、何か魔力強くなってない? 気のせい?」
売り物を調合する手伝いをしていた十歳のエディッタが、ビクッと肩を震わせる。
「き、気のせいだよ、お義母さん」
「そう……平均魔力の高いエルフ側の血が作用したのかなぁ? じゃあ夜にでも偽装の魔法を教えるわね。自分でかけられる方が何かと良いでしょ?」
乳鉢から手を離し、カルラが娘の茶色い髪を撫でる。
エディッタは昨日、夢でマァヤ・マークのお告げを聞いていた。聖女の称号を授ける、というものだ。
カルラに言おうとしたが、彼女は信じてもらえるか不安だった。
証明しようにも、聖女という称号を得た割には、治癒魔法などは初歩的なものしか使えなかった。
優しい優しい義母に、変なことを言って嫌われたくなかった。だから、何も言わなかった。
彼女は後でレナーテの元で知るのだが、称号持ちは称号を得ただけで強くなるのではない。そこに付随する様々な『特性』『技能』という概念を理解し強化していかねばならない。
「うん、ありがとう、お義母さん」
「最近、王都も治安が悪くなってきたし、何か身を守れる手段も覚えた方が良いかもね」
「魔法、とか?」
「ああ、いいわねー。魔法を覚える学校もあるみたいだし、通えるか試験を受けてみると良いかもねえ」
「試験」
「そうよー。でも大丈夫よ、お母さんは魔女の一族って言ってね、とっても物知りなんだから」
胸を張って得意げになるカルラの茶目っ気に、エディッタも微笑んだ。
この当時の彼女はまだ、幸せだった。
彼女は攻撃魔法こそほぼ使えなかったが、多様な支援と回復の魔法を覚えていった。
おかげで魔法学校に通うことができるようになる。エディッタ・オラーフ十二歳のときだった。
ハーフエルフの証明である中途半端に尖った耳は、自分で使えるようになった偽装の魔法で隠していた。
ただ、彼女の顔はエルフであった実母譲りでとても美しく、その複雑な生い立ちのせいか、大人びて見えた。
そういう女性で後ろ盾がいないとなれば、良くない輩に目を付けられやすい。それが世の常だった。
武の国と名乗り戦闘力偏重の気があるブラハシュアでなら、尚更だった。
「お義母さん!? どこ行ったの!?」
魔法を覚える学校では、寮生活が義務だった。
ゆえに週に一度の休みには、必ず実家である薬師カルラの家へと戻るようにしていた。
近頃、世間がきな臭い。
ブラハシュアはメノア帝国と国境付近でいざこざを起こしていた。対メノア帝国という風潮が貴族社会に蔓延していた。
ついでに魔女の一族アネシュカ・アダミークが帝国の上級将校となっていたことが、知られるようになってきていた。
「お義母さん!!」
「てめえの母ちゃんは、王国に追い出されたぜ」
突然入って来た下品な笑みの男が言う。
「誰!?」
「女衒さ」
「女衒? そんなのが、私に何の用よ!」
「おっと、これを見ろよ」
そこにあったのは、一枚の借金の証明だった。
「私の学費!? 義母さんが払ってくれてたはずよ!」
「払う前に追い出されちまってなぁ、オレが代わりに立て替えて置いたぜ、全額」
「何を勝手なことを! いいわ、別に学費なんて! 学校なんてどうでも」
「おおっと、そうは行かねえ。これは国の貴族も公認の借金なんだ。わかるよな?」
「……魔女の一族にでも手を出すってこと?」
「さあ、どうだろうなぁ」
下卑た笑いを浮かべる男をぎらりと睨む。
だが、エディッタには攻撃魔法を扱うことができない。身体強化の魔法でさえ、不思議と一切使えなかった。
それに回復魔法を使えるとはいえ、学費を一度に返すほどのお金を稼げるほど、まだ特性が発達していなかった。
「どうしたい……どうしろっていうわけ?」
「借金なら、稼いで返せば良いってことだよ、エディッタ・オラーフさん?」
それが、彼女の転落人生の始まりだった。
しかし、人生の始めから躓いていた彼女としては、そんな程度で全てを悲観できなかった。
こうなったら、金を稼いで真竜国に渡り、聖女として認められてやる。
それで全てを見返してやる、と決意した。
体を売れるなら、稼ぐ手段があるということだ。
成人である十五歳以下である彼女を娼館で働かせるなど、本来なら法律違反だ。
しかし、ブラハシュアは無駄に寛容であった。つまり法は彼女の近くでは、その両目を瞑ったのだった。
これ幸いと思い込んで、彼女はひたすらお金を稼いだ。
魔法学校で白い目で見られようが関係ない。
同級生に賢者の称号を持つ才女がいたが、エディッタは関わってやるものかと距離を置いた。向こうも黒い噂のある自分には近寄ってこなかったので、気が楽ではあった。
美しいエディッタにはすぐに固定客がつき、高級娼婦と言える立場にもなった。
そうして、不屈とも言える精神で彼女はやり遂げた。
借金は返し学費も払い終えた。卒業時にはある程度の財産もできた。女衒でさえ呆れるほどだった。
自由の身となった彼女は、義母とようやくの再会を果たす。
しかししばらく一緒に暮らした後、彼女は魔女の一族の隠れ住まいを出る。
義母は王都に戻れないし、自分の生業が知られても、義母を悲しませると思ったからだった。一緒にいれば、いつか感づかれる気もしていた。
だから、彼女は王都に戻った。そこでレナーテの元に渡る手段を本格的に探す。
聖女という称号を、本当に手に入れるために。
学校を卒業した年に、大陸北西三カ国とメノア帝国との戦争が始まった。
皮肉にも、真竜諸島共和国とブラハシュア王国が固い同盟を結んだおかげで、レナーテの元に向かうのが容易になった。
一年をかけてレナーテのいる真竜国奥地の神殿を訪れ、聖女と名乗るとすぐにレナーテの元に通された。
龍は不思議な力で来訪を知っていたそうだと、彼女は後で聞いた。
とにかく聖女の称号を持つ者として認められ、特性や技能と呼ばれる概念の使い方を覚えることができた。
膨大な魔力に裏打ちされた、圧倒的にも思える他者への治癒魔法は、聖女だけに与えられた技能だった。攻撃魔法が使えないのは、聖女の特性がそうさせるのだとも聞いた。他にも味方の能力を強化し、攻撃を防ぐ能力も得た。
こうして彼女は、正しく『聖女』としての技能を完全に手に入れたのだった。
しかしその頃のエディッタは、ハーフエルフの耳どころか顔まで隠し始めていた。大きなフード付きの外套を羽織るようになっていた。
神殿の貞淑な巫女たちが、白い目で見てくるのが鬱陶しかったからだ。
白い肌と美しい容姿、そして奇跡のような治癒魔法を使う称号の持ち主だ。嫉まれやすいのも当然だった。
それに加えて彼女は、忌避されやすいハーフエルフかつ、元娼婦だ。
ゆえにレナーテに仕えるという名誉を許された巫女たちからは、非常に疎ましい存在に思われていた。
日々の生活が面倒になり、隠れる場所を探すように、神殿内の人気のない場所を歩いているときだった。
「あ、ご、ごめんなさい」
彼女はそこで幼い少女にぶつかる。前を見ずに走っていて、エディッタにぶつかったようだ。
「ん? アンタは誰よ」
「え、えっと、私はその、リリアナです、リリアナ・アーデルハイトです」
まだ十歳にも満たないぐらいの少女だ。大きな目と後ろでちょこんと結んだ金髪が愛らしい。
手を掴んで引き起こしてやり、エディッタはリリアナのズボンについた土を落としてやった。
「……ああ、最近来た勇者ちゃんね。よろしく……なんで泣いてるのよ」
「な、泣いてないです」
「泣いてるわよ。ほら」
赤くなった目に手を当て、簡単な治癒魔法をかけてやる。すると、リリアナの落ちくぼんだ目の周りと充血した瞳が、みるみる健康な状態に戻っていった。
「あ、あの、ありがとうございます」
「どういたしまして。んで、勇者ちゃん、なんで泣いてたのよ?」
珍しく自分に害意を持たない存在に、エディッタは警戒を解いてその頭を撫でてやった。
「……えっと」
「何か悲しいことがあったんでしょ」
「……わたしの、すんでたまちが、やかれたって」
「住んでた町? どこ?」
「ヴレヴォ」
「ヴレヴォ……ああ」
三カ国同盟が占領した、メノアの帝都近くの都市のことだと思い出す。珍しくレナーテが怒りの波動を出していたから、彼女は覚えていた。
ということは、この勇者が帝国に住んでいたのだということだ。
残酷なことをする、と聖女エディッタは舌打ちをした。
「お友達は大丈夫か、わかったの?」
「おとうさんが、だいじょうぶだって……でも、ヴィルのおうちがもえちゃったって」
嘘だな、と今度は内心で舌打ちする。
勇者の父親とやらがどれだけ優秀かは知らないが、遠く離れたヴレヴォの子供が無事だと知ることができるわけがない。気休めの嘘を言ったのだろう。
「良かったじゃん。生きてればいいことあるよ、勇者ちゃん」
エディッタはそれだけ言うと、頭を撫でてやる。
「そうかな……でも、いやなことばっかり……」
「あー、生きててつらいこともあるか。だけどまあ、そんなの、自分で何とかするしかないんだよ、頑張りなよ」
最後にぽんぽんと優しく頭を叩いて、エディッタは勇者に背中を向けた。
もう潮時だろう。この神殿が居心地の良いものに変わる気がしない。
ゆえに彼女はレナーテに言って、ブラハシュアを守るためにと王都に戻っていった。
幼い頃の勇者との邂逅はこの一回であり、その後のエディッタは、再会するまで勇者のことを思い出すこともなかった。
王都に戻った彼女は、住処にしていた義母の店に戻る。
二年の旅ですっかり荒れ果てていた。
薬師として暮らすか悩んでいたが、エディッタは結局、娼婦に戻った。
魔女の一族である義母と同じ生業をすることが、自分には許されないように思われたのだ。
かといって、聖女の力で稼ぐのも面倒ごとにしかならない。
学校時代に好きであった魔法の研究に打ち込むため、手っ取り早く金を稼げる娼婦が、性に合っていた。
そこには、レナーテ神殿の巫女たちに対する反抗心のようなものもあった。
ある夜、客に来ていた商人の男から、一つの名前を聞かされる。
「贔屓にしてくれる貴族に、ヴァルツァーってのがいるんだけどよ、次男がかなりの弓の使い手で自慢してたんだよ。だけどまあ、戦場から逃げ帰ったみたいでよ。最近、荒れてて大変なんだよ、エディッタちゃん」
愚痴ついでに聞いた名前で、半裸のエディッタは一つの事柄を思い出した。
手に持っていた甘いにおいの香を取り落とす。
そうだ、ヴァルツァー。
実母を殺した貴族が、そういう家名ではなかったか。
忘れていた事柄だったのに、なぜか胸の奥を焦がす。
「ちょっと詳しく聞かせてくれる?」
ベッドで客にのし掛かり、彼女は耳元で囁くように尋ねた。
あのとき、母親の背中に刺さった数多の矢と、燃えていく森の住処。
それは最初の恨みの記憶だ。
義母には愛されていた。かといって実母のことが消え去ったかと思えば、そんなことはなかった。
本人でさえ忘れかけていたはずなのに、名前を思い出しただけで、胸の奥が苦しいほどに燃え盛った。
だから彼女は情報を集め、その貴族を殺す方法を考え始めていた。
聖女は攻撃魔法を使えない。肉体的に強化される特性があるわけでもない。
周到な計画が必要だ。
そう思い、復讐の計画を練り始めた。
いよいよ実行に移そうかと考えていた頃である。
数日中に準備は整い、ヴァルツァーという家は根絶やしにできる。家族構成から下働きの男の顔まで、全て把握していた。
実母の仇。
胸中を焼く感情を溶かすたった一つの方法。復讐、という形。
暗い笑みを浮かべていた彼女は、王城の方向で大きな音が鳴っていることに気づいた。
聖女エディッタ・オラーフは、嫌な予感を覚えた。
今日は王城に貴族たちが集まっていると聞いていた。当然、ヴァルツァー家の当主もだ。
彼女は走った。
段々と血の匂いが濃くなる。
王城の入り口は血まみれだった。
かなりの数の肉塊が飛び散って、城壁にこびりついていた。何か強い力で引きちぎられたようだ。
死体を生者に戻すことは、聖女にすら不可能だ。
再び大きな音がするのが見えた。
王城の高い場所にある壁を破って、エディッタのすぐ近くに何かが落ちてきた。
すぐにそれが死体だと気づく。上半身だけの男だ。
「あ、ああ……」
彼女は口を半開きにして呻き、膝をつく。
それが、親の仇であるヴァルツァー家の当主のものだと気づいたからだ。
続いて落ちてきたのは、心臓を抉り抜かれた死体だ。ヴァルツァー家の長男のものだった。
「な、なんで……、何が……」
ヴィート・シュタクという男が、単機のEAで王城に突入した。
そのときは不幸にも、賢者の敗北を知った貴族王族が、城内で会議を開いていたのだ。
武の国を自負しているだけあって、貴族たちも多くの強い人間を雇っていたし、近衛騎士団もかなりの実力者揃いだと噂されていた。
それでも、たった一人の男によって、皆殺しにされた。
貴族の一人であったヴァルツァー家の当主も、塵芥のように殺され、王城の上から放り捨てられたのだ。
「そ、そうだ治癒魔法を!」
殺すために生かそう。
どうにかしてケガを治し、自分の手で殺してやろう。
全力で治癒魔法を使い、エディッタ・オラーフは当主の死体を直そうとした。
しかし、世界で一番の治癒魔法でも、その男を死体から生者に戻すことなどできなかった。
魔力の大半を放出して徒労だと思い知り、エディッタは地面を叩く。
もし、その姿を見知らぬ人間が見れば、死体を治そうとする悲劇の聖女だと思ったかもしれない。
「どうして……、どうして!!」
事実、彼女は嘆き悲しんでいた。
実母の仇を殺せなかった。
この手でくびり殺そう、どうやって破滅させてやろう。
そればかりを考えていたのに、何もできずに仇が死んだのだ。
胸の奥で再点火された感情が、荒れ狂う。
殺せなかった。
それが何よりも悔しかった。
戦争が終わり、メノア帝国によってブラハシュア王国は併合され、そして滅亡した。
抜け殻のように気力をなくしたエディッタは、ふたたび魔法研究に打ち込み始める。元々、学生時代から魔法の研究は好きだったし、他のことを考えずに済むからだった。
そんなある日、彼女は、一人の男と再会した。
ヤン・ヴァルツァー。
母の仇の息子であり、レナーテから使わされた称号持ちであるという。
「なんだハーフエルフかよ。特級冒険者をしてるヤン・ヴァルツァーだ。一応、よろしくな」
戦場で行方不明になったが、それは国に使われるのが嫌で離れていただけと嘯く。
聖女エディッタは彼の顔を見て、それが実母と住んでいた隠れ住まいを見つけた少年だと気づいた。
――ああ。そうだ。幼いときの面影がある。この顔だろう。
生きていてくれて良かった。
泣きそうになったエディッタの顔を見て、ヤン・ヴァルツァーは不思議そうに、
「どこかで会ったことあるか?」
と小首を傾げる。
この男が、本当に生きていてくれて良かった。
胸の奥に燻っていた火種が業火へと変わる。
さあ、再開しましょうか。
これが称号持ちなら、いっそ決別してやろう。
行くなら帝国だ。EAのある帝国が良い。
聖女としてではなく研究者として、帝国軍を強化し、称号持ちもあのレナーテ神殿も粉砕してやる。
こんな痛快なことはない。
逃げ惑う巫女たちも、いっそ帝国兵に犯されでもすれば良いのだ。
聖女エディッタ・オラーフの再度の復讐劇が、ヤン・ヴァルツァーとの再会により、再び幕を上げたのだった。
そして彼女は、ヴィート・シュタクと出会う。
称号持ちすら葬る、EAという技術の使い手。
私が武器を持てない聖女なら、彼を剣としよう。良い道具になってくれると助かるわ。
そう思っていた。会った頃は。
……だが残念なことだが、彼女は道具に愛着を持つタイプだった。
彼女が研究員となった今では、帝都にある開発局の隠し部屋で、ヴィート・シュタクと会話をすることが多い。
「ヴィート、こないだの浮遊実験だけどさ」
「ヴィートと呼ぶなオラーフ。お前、指先分しか飛ばなかっただろう?」
「だってアンタら魔力少ないんだもん。これ使って良い?」
「壊すなよ? 素材は一つしかないんだからな」
「直すのは得意よ。ああ、一つ思いつきがあるんだけど、聞く?」
「何だ? ろくでもないことじゃないだろうな?」
「動体探索の魔法を大出力で撃ち出してさぁ」
「絶対にろくでもないことだろう? いい加減にしろよ!?」
軽口をたたき合い、技術について真剣に相談し、称号を頼りにもしない関係性を得てしまった。
「あのさぁ、ヴィル」
「その名で呼ぶな、エディッタ」
二人きりのときは、わざと本名を漏らしてやる。男女の関係になる気もしないが、今はこの関係が心地よい。
「良い悪巧みがあるのよ」
「ほう? 楽しませてくれるんだろうな?」
ときには悪い顔をして笑い合う。
復讐の最中に、こんな心地よい友を得てしまったのだ。同じ目的というのは、人の結びつきを強固にするようだ。
「人生面白いわぁ」
「とうとう年寄りみたいなことを言い出したか、行き遅れ」
「何だと? 殺して治してまた殺すわよ?」
「やってみろバカが」
苦難の連続で始まったエディッタの人生は、復讐という目的を得てから、不思議と楽しいことの連続になっていたのだった。
昨日から今日にかけてすごくポイント増えました(当社比)本当にありがとうございます。読んでくれている人がいるとわかっただけで嬉しいです!
明日から第三章「真竜諸島攻略編」が始まります。




