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エレメンタルストーリー  作者: RUKA
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第六話 疾風は質問好き

「この感じだと村につくのは夜になっちゃうねー。」

「どっかの誰かさんに邪魔されちゃったからね。」


「・・・。」


シルヴィが疾風の左肩に座りガオウに対して文句を言った。


「ま、まぁ王になりたいのはみんな同じだからしょうがないよ。」

「そんなことより、ガオウさん、いつからこっちの世界にいるのか教えてよ。」


ガオウは最初はめんどくさそうだったが疾風にいろいろ質問されるのを嫌ってか自分に起きた出来事を話し始めた。


この世界にガオウがきたのは10日ほど前である。


最初はマイトに言われ疾風のように例のキノコを採り売ってお金を稼いだ。


何日か森に通う中で他の精霊使いエレメンタラーと二回ほど戦闘もした。


どちらもすぐに逃げられてしまったが、負けたのは今日が初めてとのこと。


相手は疾風のように初心者で、片方は風の精霊シルフ、そしてもう片方は火の精霊サラマンダーであった。


風の精霊シルフに関しては最初から体に宿っていてすぐに逃げられた。


火の精霊サラマンダーはお互い精霊を宿して戦っていたが、うまく木を倒し時間を稼がれ逃げられた。


そして同じように森に来て疾風たちに敗れたことまでを話し終えた。


火の精霊サラマンダーの野郎はあとちょっとで仕留められそうだったのにな。」


火の精霊サラマンダー使いの人はどんな武器だったの?」


「武器?」

「ただの剣だったが。」


疾風は自分のダガーもそうだが人により持っている武器が違うことが少し気にかかった。


この戦いに参加している精霊は風、土、水、火の四大精霊である。


その種族の違いで扱っている武器が違うのか疑問に思ったのだ。


「どうしてガオウさんは斧を使っているの?」


「さっきから質問が好きな野郎だな。」

「マイトが用意してくれてたんだよ。」


疾風の時と同じだ。


「で、今は戦士ウォリアーとしてアックスに秀でた技を練習してたんだよ。」


「君、戦士ウォリアーだったんだね。」

「にしてはちょっと斧使いが雑じゃないか。」


戦士ウォリアーとはと疾風は疑問に思い聞こうと思ったが先にシルヴィがガオウに向かって話しかけた。


「う、うるせぇ。」

「まだ見習いだったんだよ。」


「ふーん。」


シルヴィはあまり興味がなさそうだったが疾風はこの世界について知らないことが多いため、疑問に思ったことははすぐに質問した。


「あの、戦士ウォリアーって?」


「お前、職業ジョブのこと何も知らないのか?」

風の精霊シルフ、教えてないのかよ。」


「おっと、忘れちゃってた。」


忘れてたってことは大事なことではないのかと疾風は思った。


シルヴィが面倒そうにしていたのでガオウが教えてくれた。


戦士ウォリアーとは数多くある職業ジョブの中の一つである。


エーテルランドでは「特技」「魔法」「能力」といった概念が存在し職業に就くことによって様々な力が使えるようになる。


ガオウの地面に穴を空ける程の縦斧技は「鉛大破バーティカルスマッシュ」と呼ばれる「特技」の一つだ。


ガオウはその一つの技しか使えないが鍛えて練習すれば新しい「特技」が使える。


もちろん元から使える技の威力も上がるだとか。


職業ジョブの中にはマスターすることによりさらに上の「上級職」が存在するらしい。


「って凄く重大なことじゃないか!」

「僕今無職ってこと!?」


無職のニート野郎に俺は負けたのか・・・。」


「悪かったね疾風、戦闘する予定はなかったんだよ。」


疾風はガオウがいてくれてよかったと心から思った。


「それで、どうすれば職業ジョブにつけるのさ?」


「村かなんかにギルドがなかったか?」

「そこで契約するだけだ。」


「暗くてよく見てなかったからわからなかったよ。」


「あるよ、ギルド。」


シルヴィにあったのかよと突っ込みたかったが疾風はやめた。


「じゃあ、明日は何か職業につかないとな。」


正直、急に「特技」や「魔法」といった空想の中での言葉でとらえきれてないが、ガオウの技を直に見ているので少し理解ができた。


「そういえばシルヴィ、土の精霊ノームと相性が良いって言ってたけどあれはどうゆう意味?」


「そのまんまだよー。」


やれやれといった様子でまたもガオウが説明してくれた。


「これはマイトが言ってた言葉だ。」

火の精霊サラマンダーは潰せ、風の精霊シルフは相手を見ろ、水の精霊ウンディーネは逃げろだったか。」


「それは土の精霊ノーム火の精霊サラマンダーには勝てるってこと?」


「絶対というわけじゃないが相性はいいからな。」


「僕たち風の精霊シルフは?」


「本来は土の精霊ノームが相性悪いが、お前がガキだったから行けると思ったんだよ。」


「勝ったのは私たちだけどねー。」


シルヴィが嬉しそうに言った。


「具体的にどう相性がいいのさ?」


疾風は先ほどから何度も質問ばかりしている。


しかし、村まで時間もあるためガオウも仕方ないといった様子で説明をした。


シルヴィは眠そうである。


「話すと長くなるがまず第一に・・・・・・ってことだ。」


風の力のようにそれぞれの精霊の力は存在する。


風なら風を読める、風のように身軽になれる。


土(大地)なら大地を読める、馬鹿力に似たような怪力が使える。


火や水も同じように何か力はある。


「次に相性だ。」


風は土に強い。


土は火に強い。


火は風に強い。


水については特に相性はない。


「お前の風を読む力は俺たち土の力にとっては本来天敵だってことだ。」


土は力が通常より大きくなるため風に読まれやすいということらしい。


「まぁ、火の力についてはよく知らねぇがさっき言った相性の通りだ。」


シルヴィに疾風は聞こうとしたが既に眠ってしまっていたためガオウに別の質問をした。


「さっき、水の精霊ウンディーネは逃げろって言ってたけどあれは?」


「俺も詳しくは知らないんだが奴ら「心」が読めるみたいなことマイトが言ってたな。」


心が読める!?


確かにその力は反則急に強いと疾風は思った。


「こ、心が。」


「実際のとこはよくわからないがな。」


精霊によって様々な力があることや職業ジョブのことを疾風はやっと知った。


そして、その知識もなく戦って生きていることが奇跡だと実感した。


ようやく長い長いガオウとの会話も夜の村につきやっと終わった。


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