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月蝕《ツキハミ》黙示録  作者: 無様
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第四話『旅立ちの夜、悪魔の祝福』

 「…いや、どういうことだ?」


月蝕(ツキハミ)の悪魔は綺麗だった、一瞬見惚れてしまう程には。

しかし、俺の頭は存外冷静で、彼女への反応も冷めたものだった。


「クライの旅路に、私も同行するってこと。

 一人旅よりも、二人旅の方が愉しめると思わない?」

「それはまあ…わかるが。

 なんで、あんたがそこまでするんだ?

 『助け』の範疇を超えてる」

「それは、あなたの範疇でしょう?

 私はもともと世界を放浪する身、何処へ行こうと構わない。

 何より、私の生は悠久。

 その欠片をあなたに捧げることに、何の躊躇いもないわ」

「ううむ…」


腕を組んで黙り込む。

月蝕(ツキハミ)の「助けになりたい」を前提とするなら、論破する言葉が見つからない。

そうは見えないが…彼女は相当と表現することすら生ぬるい程の長寿なのは事実。

人と人では重大なことだが、人と悪魔は、悪魔からしてみれば暇潰し程度の感覚なのかもしれない。

そう考えれば彼女の過度とすら感じる献身も、幾らか軽くなったが。

虚しさも、覚えた。


「……………」


ここに至ってもなお、首を縦に振れないでいる。

感情は、間違いなくそれに向いているのに、行動が伴わない。

一緒だ、今までの俺と。

嘲られても、罵られても仕方ない状態、だと言うのに。


「今すぐに答えを出して、とは言わないわ。

 これはあくまで唯の提案、拒絶したって構わない。

 勿論、私としては選んで欲しいけれど、ね」


悪魔は、頭を引っ込めるだけでこちらを責める気配はない。

ついと視線を横に流せば、彼女の銀髪と指が背凭れに触れているのが見えた。

おそらくは、そこに腰掛けて背中合わせになっている。


「人を不幸にする…あんたと旅する場合、それはどうなる?」

「さっき言ったまま、あなたが私に惹かれない限りは大丈夫。

 その代わり…という表現は可笑しいけれど、私は然程約に立たないわ。

 悪魔と言っても、弱いから」

「そんな話も書いてあったな、何度か退治されてるとか」

「事実よ、昔は私も若かったから」

「今も充分若く見えるがなあ…」


気軽な口調だが、「退治した」とは人間からすれば「殺した」の表現である。

しかしこうして顕在なのを見るに、「弱い」と評しながらも悪魔として充分な不死性だろう。


「そうね…3日(みっか)後にしましょう」

「3日後?」

「ええ、私が町を立つ日。

 つまり、クライが答えを出す日」

「3日後か…」

「短い?」

「いや、仕事の予定を考えてた。

 その日は夕方まで仕事だが…次の日は非番だ

 丁度良いかもしれない」


丸一日俺が消えても、誰も気付かないということだ。

こればかりは、偶然だと思いたいが。

もしかしたらそれすらも把握してのことだと思えるのが、彼女の恐ろしい処か。


「なら、決まり。

 ね、どうせなら劇的にしましょう?」

「…劇的?」

「その日、その時、その場所までクライの答えを秘密にするの」

「それをしてどうなる?」

「私が愉しめるわ。

 それは、あなたがどちらを選ぶにしろ、大切な瞬間。

 だから、できれば綺麗に刻みたいと想わない? お互いに」

「…あまり、そういう気分にはなれないな。

 旅立ちには、後ろめたい気持ちもある」

「だからこそ、よ」


ほんの不意に、俺は振り向いた。

そこには、殆ど同時にこちらを向いた彼女の、自信満々な顔。


「折角の一歩が、後ろめたいなんて哀しいから。

 月蝕(ツキハミ)の悪魔が彩りましょう、クライの物語、その大きな一(ページ)を。

 ロマンティックなのは、お嫌い?」

「……………」


仮に、それが悪意や軽蔑に満ちたものなら、どれだけ楽だったか。

罪で穢れきっている筈の悪魔の笑みは、少女らしい純粋無垢なものに見えて。

俺は、心を揺すられていた。


「………俺は、悪魔に(そそのか)されてるのか?」

「ええ、唆してる。

 あなたの仮面の奥、その素顔に惹かれたから」





 次の日、朝からの畑仕事を終えて、縁台に一人腰掛け一服していた。

雨季もそろそろ終わる頃、これから暑くなるだろう…仰ぐ空にそんな感想を。


「なぁ、クライ、お前何かしたのか?」

「お前か、お疲れ。

 何かしたってなんだ?」


声を掛けてきたのは茶毛短髪の青年、名はアラック、歳は俺より一つ下だった筈だ。

東町では裕福な家の子で、俺と同じように現在は下働きをしている。

その所為(せい)か何かと顔を合わせることが多かったので、自然と仲良くなった。

俺の数少ない友人の一人と言える。


「おう、お疲れさん。

 いやな、昨日見慣れない女の子にお前のこと聞かれたんだ。

 なんか妙に詳しく聞かれたんで、何かやらかしたのかと思ってな」


月蝕(あいつ)だ。

俺のことを調べたって、もしかして町の人に聞いて回ったのか?

人目は忍んでたんじゃないのか、と内心しかめ面を。

表は普段からしかめ面なので、何も問題ない。


「それは、変なことがあったもんだ。

 俺に女っ気が…人気(ひとけ)がないことは知ってるだろ」

「そりゃ知ってるが、何もないのに聞いてくる訳ないだろ。

 正直に吐いちまえよ」

「……………」


予想外の場面で、悪魔の被害に会ってしまった。

クネウムには教会も無ければ、住民も信心深くはない。

だからと、悪魔を拾ったなどとは口が裂けても言えないのに、あいつは。

どう誤魔化そうか。


「………はあ、俺も詳しくは知らない」

「ほぉ?」

「3日か、4日前かな。

 夜警してた時に畑の近くで一人でいたのを見つけた。

 『人に見つかりたくない』って言うんで家の方に連れてって…朝には、食事して出て行ったよ」

「はあ? 何だそりゃ?」

「逆に俺が知りたい、まだ町に居たのか。

 そいつは、どんな風に言ってた?」

「あーそういや『世話になった』とかは言ってた気がするぜ。

 お前に気があるんじゃねえの?」


相変わらず男女の交流に恋愛を結びつけたがる奴だ。

まあ、こう陽気だから俺にも絡んでくれるんだろうが。


「どう飛んだらそうなる…

 俺は不敬やらかしたのかと不安でしょうがない」

「へ、良いとこの子なのか?」

「いや、外見から判断した。

 お前もそう思わないか?」

「え…うーん…」


気怠い目線で彼を見れば、腕を組み、首を傾げ態とらしく唸っている。

悩む程のことかと、女好きな友人に。


「うぐ…実を言うと、あんまり覚えてないんだ、その子のこと。

 俺としたことがなあ」

「覚えてない?」

「いや、まて、流石に黒い服だったこと位覚えてる。

 後…ああ! 傘差してたな、日傘だ!

 確かに、良いとこの子かも。

 だが、なんでそんな子がこんな田舎に? しかも一人で?」

「だから、俺が知りたい

 まぁ…元気そうなら良かった。

 野垂れ死にでもされたらと、心配だったからな」


皮肉混じりの溜息と言葉は、嘘と誤魔化せた。

俺は周囲からは誠実な人間だと思われているし、この程度なら慣れたものだ。

しかし月蝕(ツキハミ)の容姿を、よりによって女好きのアラック(こいつ)が覚えていないとは。

普段疎い俺ですら綺麗だと感じる姿だ、こいつが興味を向けない筈はない。

となると、何かしらの仕掛けが…魔法の類の何かがあるのだろうか。

これは一服を終え、耕作作業に戻ってから考えたもので。

会話中の俺は、彼女が両親には話を聞きに行ったのかどうかが、気掛かりだった。





 俺は「わかった」とだけ返事を返し、月蝕(ツキハミ)もまたそれに頷き、静かな夕食に戻った。

すっかり冷えてしまった煮汁を片し、食器を台所の桶水に浸しておく。

暗くなるまでは、ソファで寛ぐことする。

少し…かなり疲れる食事だった。


「ねえ、場所はどうしましょう?」

「場所?」


月蝕(ツキハミ)はまだ、暢気に紅茶を嗜んでいる。

結構な時間が経ったが、まだ2杯目、完全に冷めてるだろうに。


「そう、あなたの答えを聴く場所」

「……ここじゃないのか?」

「劇的にするのよ?

 場所も、時刻も、それに相応しい舞台にしなくちゃ」

「面倒臭いな」

「冒険者になること自体が、より面倒じゃない?

 それに一手間加えるだけなのに」

「………まあ、それは一理ある」


一理ある…が、どうもそれとこれとは話が違う感覚だった。

この違和感を言葉にできない現状、異議を唱えるができはしない。


「時間は…昼から夕方までは無理だ。

 となると、それ以前かそれ以降になる」

「仕事前、と言うのは締まらないと想うわ」

「そこは同感だ、なら夕方以降で。

 で、場所なんだが、そう言われてもなあ」

「クライが想う、始まりに、あるいは終わりに相応しい場所。

 そうね…景色が善い所なんて、素敵じゃない?」

「んー…」


記憶を辿り、心に残る景色を探る。

幾つか思い浮かびはしたが、それはどれも。


「町中にはないな、そんな所」

「『には』、と言うことは外にはあるのかしら?

 あなたに不都合がないなら、私は何処でも構わないけれど」

「……………」


さらに深く、記憶に潜る。

その作業は苦ではなかったが、それらは殆どが幼い頃のもので。

ここ数年は、そういう経験を得ることがなければ、得ようともしていなかった。

仕事があった、勉強があったと言い訳すれば、それで済むのだろうが。

俺が冒険者を志す感情の源泉は、そこにある筈なのに。


「………東町の方から出て少し先に、丘がある。

そこからの景色は、好きだったな」

「素敵、そこにしましょう。

 その日、その場所、黄昏刻から。

 あなたを、待っているわ」






 そして瞬く間に、約束の日の朝。

あの夜以降、月蝕(ツキハミ)は家から出て行った。

曰く、「ここにいると嫌でも答えを知ってしまうから」だそうだ、嘘だろうが。

夕食時には何処からか現れるし、清潔とは言えない自宅の屋根上で器用に眠っているのも見掛けた。

なら、何が狙いなのかと考えても、わからず徒労に終わった。

何故、彼女はこうも俺に親切なのか。

本人の言通りの理由なら、酷く気持ち悪い話だがギリギリわからなくはない。

そう言える実感が…つまりは彼女が俺を好く程のことを何も積んでいないのが余計に。

結局、悪魔に唆されていると思うのが、一番気楽だった。

昨日の夕食の席のことだ。


月蝕(ツキハミ)、聞きたいことがある」

「なぁに?」

「仮に、俺が提案を断ったとして。

 後々一人で、冒険者になれると思うか?」

「さぁ…私に未来を詠む力はないわ。

 悪魔も知らず、神のみぞ知る…と言った処かしら?

 けれど、一つ言うならば」

「……………」

(とき)が経てば経つほど、クライをこの町に縛る楔は強くなる、ということ」

「………楔?」

「御両親が老いるほどに、あなたが育つほどに。

 抱える責任は、より重くなる。

 そうなれば、真面目なあなたはきっと」

「別に、自分が真面目だとは思わないがな」

「ふふふ、そういう処も好きよ?」

「五月蠅い」


畜生、この悪魔の表情も、言葉も、心臓に悪い。


 月蝕(ツキハミ)への答えを出したのは、すぐに。

具体的には彼女が出て行った3日前の夜、決めた。

決意と言えるほど重いものでも、決定とは言えるほどの軽いものでもない。

清々しくはない、鉛色の雲を吐き出すような気分だった。。

それから2日間は、旅支度に費やして。

荷造りそのものは、物資が揃っていたので苦労しなかったのだが、その他の。

主に身辺整理に、予想以上に時間を喰ってしまった。

自宅の清掃にはじまり、職場への謝罪と感謝の手紙や、両親への謝罪の手紙の用意。

ここでの日々は充実していたと、今になって思う。

町での最後の仕事、本来は一層真面目に働かなければならないのに、ずっと上の空で。

今日は空が青い日だと、虚しく仰ぐばかりだった。

仕事を終え、自宅での最後の夕食も。

多めの香辛料と分厚い豚肉を使った豪勢なものの割には、記憶に薄い。






 陽が落ちて暫く、夜が深くなった頃。

人目を避けるには、適切な時間。

下着と上着に着替え、獣革の硬い茶コートを羽織る。

普段軽装な所為か、厚いカーゴパンツに違和感があった。

磨くだけだった鉄剣を収めた鞘を左腰に差し、革靴を履く、身に馴染むには、まだ時間がかかるだろう。

支度は万全に近い筈だったのに。

馴染まない、というだけでまだ何か足りない気がした。

背負子(しょいこ)の大荷を背負い、手提げの袋を持つ、流石に重い。

玄関から外に出てから、室内を振り返る。

星月の明かりが、居間のテーブルに置かれた封筒を微かに照らす。

僅かばかりのお金1000T(トワイ)と、手紙。

『これで、良い酒を買ってください』と酒好きの両親に宛てて。

彼らが俺に注いだ額には程遠い、ほんの些細なお金だけれど。

せめてもの、感謝に。

こんなにも世話になったのに、両親を愛せなかったのは何故なのだろう。

扉を閉めて満天の星々を仰げば、そんなことどうでも良くなった。


 静まり返った町を、西から東へと抜ける。

生まれ育ち、人生の大半を過ごした筈の東側も、既に遠い過去のように感じた。

今足を止め、眺めている実家も。

2階に俺の部屋があった、母は今でもその部屋を、俺が戻ってくる時の為に掃除を欠かしていないのだろうか。

そう考えてると、重々しい霧が心にかかったが。

それだけだ、それに支配されることはなかった。


「さようなら、今までありがとうございました」


独り言と共に頭を下げて、その場を去った。

振り返ろうとは微塵も思わずに。


 振り返ったのは、夜警の目を盗み町を出て、更に離れてから。

約束の場所、その丘の近くの道で。

町はもう遠く、篝火(かがりび)の灯だけが存在の手掛かり。

「やっとここまで来た」そう思って良い程には悩んだ筈だったのに。

「どうして、今まで悩んでたんだ」と思う程に、心は晴れ晴れとしていた。






 雑草を荷物と自身の体重で潰しながら、丘を登る。

斜面を進むのは、予想よりも負荷があったが、根を上げるほどでもない。

この日の為に、地道に鍛えてきた。

頂上のなだらかな面に辿り着き、見渡せば。

見逃しようもない、中心部に彼女はいた。


 ―宵闇に染まる令嬢の衣 微風に泳ぐ艶やかな銀糸 覗く肌は蠱惑

 月光すら蝕む漆黒の傘を差し 憂いに似た表情を浮かべる 永遠の少女の形

 故に 彼女を夜月と心を蝕む悪魔 月蝕(ツキハミ)と呼ぼう―


書物にあったその名の所以の一文、そのままの姿で彼女は佇んでいた。

その光景に、現代の詩人なら、芸術家なら、どう表現するだろうか。

唯の人間であった俺は、綺麗だと、ただ目を奪われていた。

奪われた時間は、現実ではほんの一瞬に過ぎないが。

それは緩やかに流れる、感覚的な、あるいは霊的な瞬間だった。

はっと我に返れば、深夜の現実を見る。

どれだけ天が瞬こうが、夜は昏い。

黒いドレスを着込む月蝕(ツキハミ)の姿は、気付けないか、あるいは露出した肌だけが目立ち怪奇現象に映るかのどちらだろう。

だが、あの瞬間は確かに、白い輝きが鮮明に世界を照らしていた。

…酷く馬鹿な思考を巡らせているのではないか。

幻の感覚を振り払い、再び歩き出す。




 月蝕(ツキハミ)がクライに視線を向けたのは、それから5歩目。

彼は信じるだろうか、悪魔がこの瞬間まで答えを知らなかったことに。

知ろうと想えばいつでも知れた、知りたかった。

欲望を押さえつけて迎えたこの時を、どれだけ待ち望んだか。

その答えが、どれほど嬉しかったことか、彼は気付くことはない。

けれど、それで善い、それで善いと。

悪魔はただ、微笑む。




 「悪い、待たせた」

「ええ、待ってた」


月蝕(ツキハミ)の輪郭がわかる距離で、立ち止まった。

およそ5m弱の間隔。


「クライの答え、聴かせてくれるかしら?」

「見てわかるだろう、これが町に戻る人間の装備に見えるか?」

「見えないけれど、言の葉にするのが大事なの。

 あなたの(こえ)で」

「…そうか」


相変わらず、妙な部分に彼女は拘る。

だが、嫌な気分ではない。

一度、深い呼吸を置いて。


「決めた、俺は冒険者になる

 どこまで行けるかはわからないが…

 行ける処まで、行ってみたい」

「そう、御両親には?」


どうして、そこで連中のことを聞くのか。

もう、捨てたことだ、忘れたことだ。


「言ってない、家出ならぬ、家捨てだ。

 後悔はない」

「クライがそれで善いなら、私は構わない。

 …ふふふ、あぁ、愛しい人」


瞳を震わせ、熱に浮かされたような悪魔の表情は、少女にあるまじき色気がある。

魅力的ではあったが、人ならざる気配に俺は一歩引いてしまった。




 月蝕(ツキハミ)の悪魔は、そんなクライに目もくれず翻り、一歩、二歩、三歩と優雅に舞って、くるりとまた翻る。


「クライ、あなたの選択に、私はどう報いれば善いのかしら。

抱き締めることも、唇を捧げることも、きっとあなたは望まない、だから…」


顔に蠱惑を浮かべ、悪魔は唄う。

人を惑わす、闇撫での唄を。


「その選択に、その心に、ただ悪魔の祝福を。

そして…」


右の手を、彼に伸ばし。


「これからの旅路、この肢体と、この心を供に。

これからも、よろしくね」


その所作に、言の葉に、どれ程の価値があったのか。

彼は、気付かない。

他者に祝福される旅出が、結ばれる手が。

愚者の楔を、麻薬の如く溶かしたことを。


「…ああ、よろしくな、月蝕(ツキハミ)


愚者は未だ楔を抱えながら、旅人となった。

真に砕くことなく、真に解くことなく。

愚者は、浅薄な愚者なまま。

それは、誘う悪魔の、悪意無き罪。

いずれ、痛みは彼を殺すことになる。

けれど、少女は願う。


 彼が、彼になれることを。

その痛みに、寄り添えることを。

誤字脱字等ありましたら、宜しければご報告お願いします。

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