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赤色くんと青色くん

 ある夏の日のことでした。

 赤色くんと青色くんがケンカをしました。

 どちらが一番えらい色かを話し合っているのです。


「ぼくの方がえらい!」


 赤色くんが言いました。


「オイラの方がえらいんだ!」


 青色くんも負けません。


「もー、ケンカはダメだよー」


 黄色ちゃんは止めようとしますが、どちらも聞いてくれません。


「じゃあどっちの色がえらいか勝負だ!」


「望むところだ!」


 こうして、色くらべがはじまりました。







「太陽さんは赤い! 太陽さんがいなければ、皆さむくて困ってしまうよ!」


 赤色くんは胸を張ります。


「空は青い! 海も青い! 空がないと鳥さんが飛べないし、海がないとお魚さんが泳げなくなっちゃう!」


 青色くんも負けていません。


「じゃあ次だ! 町に行こう!」


「負けないぞー!」


 赤色くんと青色くんは、町へ走り出しました。


「まってよー」


 黄色ちゃんも、後からついて行きます。







 赤色くんと青色くんは、信号の前に来ました。

 たくさんの人や車が、止まったり進んだりしています。


「赤は止まれ! 安全を守る大事な色だ!」


 赤色くんは言いました。


「青は進め! 青が無ければ、皆動けなくなっちゃう!」


 青色くんも言いました。

 どちらがえらいか。なかなか決まりません。







 やがて、雨が降ってきました。

 それでも赤色くんと青色くんは、どちらがえらいかを決めようとしています。


「あの人は赤いかさをさしている! やっぱり赤がえらい!」


「でも、あの人のながぐつは青だよ! 青だって負けてない!」


「もう、やめようよー」


 黄色ちゃんは困ってしまいました。







「うわ~ん。うわ~ん」


 どこからか泣き声がきこえてきました。

 赤色くん、青色くん、黄色ちゃんは、その声の方へ行きました。


 そこには、男の子がいました。

 男の子は、やきゅうのボールと黄色いバットを持っていました。

 やきゅうをしたかったのでしょう。


 でも、雨が降っていてはやきゅうはできません。

 赤色くん、青色くん、黄色ちゃんは、男の子を泣きやませようとしました。


「赤いグローブだよ!」


「青いやきゅうのぼうしだよ!」


 しかし、男の子は泣き止みません。

 男の子のなみだは、更に雨をつよくしました。

 このままでは雨はやまず、男の子も泣いたままです。

 どうしましょう。


「そうだわ!」


「どうしたんだい? 黄色ちゃん」


「赤色くん、青色くん、力をあわせましょう!」


 そうして、みんなの力をあわせることにしました。






 男の子が空を見上げると、そこには大きなにじがかかっていました。

 赤、青、黄色。それに緑やオレンジにむらさきにこんいろ。

 色の皆が力をあわせて、雨をやませたのです。


 男の子は、赤いグローブ、青いぼうし、黄色いバットを持って、お友だちとやきゅうをはじめました。

 赤色くんと青色くんと黄色ちゃんは、それをニコニコとながめるのでした。

童話祭2014用に考えたものですが、3000字行かないので童話祭には使えません。

しかし、お蔵入りするのはもったいないので投稿しました。

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