エピローグ
はじめまして、ユッカリーンと申します。
この度は「時の彼方へ」ご観覧ありがとうございます。
誤字脱字や、文法的に至らない部分もありますと思いますが、なにとぞよろしくお願いします。
春――
出会いと別れの季節
過ぎ去る冬を惜しむ間もなく、忙しく生命が活動する中、僕はというと、必死に勉強し、やっとの思いで高校生になれたというのにまだ中学生気分が抜けきれずにいた。
そして、今日は僕が三年間お世話になる県立東高校の入学式である。
最初の顔合わせ、ここで失敗したら三年間が台無しになってしまう。
気を付けてた筈なのに……
「…………」
眠気眼で枕元の時計を見る。
現時刻、9:30。
入学式開始予定時刻、10:00。
つまり、つまりだ。
要約すると――
「あっーはっはっは!! 間に合わねぇ!!」
つまりはそういうことである。
どんなに嘆いても、時計は針を進める事を怠ろうとはしない。
たまには休めばいいのに、なんて呟いても刻一刻と過ぎ去る時間は、僕の三年間の最初を終わりに近づけたいのかやけに早く感じる。
ガバッ、と勢いよく起き上がり、部屋を飛び出して洗面所に向かう。
途中、マロン(飼っている猫。命名僕)の尻尾を踏んでしまったのか情けない声をあげていたが、そんな事に構っている余裕はない。