過去視テレビの末路
疲れすぎて思考停止で作った、行き当たりばったりのショートショートです。
「と、いうわけで、検証しよう」
とあるこじんまりした家の一室で、五人の女性が集まっていた。ぱっと見共通点がないように見えている女性陣だが、趣味に全力投球しているオタクたちの集まりだった。
科学や発明が大好きな発明オタクが、目の前のテレビに映る光景に満面の笑みを浮かべた。映っているのは、一年前に彼女が招待された科学者のパーティーの光景だが、撮影されたものではなく、このテレビが過去を映し出しているのだ。そう、今日は発明オタクが開発した「過去視テレビ」の検証会なのだ。発明オタクが見たい光景を見る。後は順番に真偽がわかるものを見ていくのだ。最後に真偽不明の見たい光景を映してみる。
「おお、そういえばあったなぁ、こんなこと」
「一応成功なんだ、すっご。あ、じゃあ、私は前回出たコミケの映像見たい」
BL小説が大好きな腐女子。その言葉を受けて、コミケの内容が映し出される。
「あ、見覚えあるわ」
「じゃあ、私は……結婚式とか。この間仕事で手配した結婚式が終わったから」
とは、美容オタクで、結婚プランナーをしている女性だ。
「個人のものは公に表に出るもんじゃないしいいよね」
「この間の図書館での読み聞かせ会」
図書司書をしている傍らで趣味でゲーム作りをしているゲームオタク。
「子供が生まれた時の映像」
一児の母で、イラストレーターをしている絵描き系オタク。
「全部見覚えがあるね。じゃあ、次は何を見る?」
「真偽不明なものでもいいんだよね。じゃあ、百人一首に出てきた伝説の歌人、猿丸大夫」
百人一首が好きで、その光景をよくイラストにしているイラストレーターが真っ先に手を挙げた。気になって気になって仕方がなかったのだ。
「はい! 織田信長の閨。森蘭丸とのムフフを……」
腐女子の言葉には全員ドン引きした。
「変態か⁉︎ ……変態だったな……」
「どっちもあるかないかわからないから、その前にあったであろう光景の古い過去みようよ。ほら、神話時代とか」
「それこそ眉唾じゃん。新撰組は? 比較的記録が残ってるし」
「じゃあ、沖田総司と土方歳三の閨」
「「やめろ」」
「ううーーん、限定しなければいいんじゃない? 織田信長を映して、とか」
「あ、そっか。それなら詳細はともかく存在はしていたし」
「なら、紫式部がいい」
「いいんじゃない。……紫式部を映して」
テレビの映像に渦が巻いた。それはさっきも見た光景なのでじっと見つめた。渦の中に着物姿の女性の姿が一瞬だけ映ったが、その瞬間、バチン、と大きな音がして真っ暗になった。家だけではなく窓の外も完全なる闇の中だ」
「停電?」
原因不明の停電から復活したのは丸一日後だった。そして、その後で見たのは、あのテレビが煙を上げている様子だった。千年前に当たる平安時代は古すぎたのかもしれない。
数日後
「先日起こった原因不明の停電は、〇〇町全体にも及びました。このところ電気が暗くなったりなどの不具合が多く、電力会社の方で調査を進めていたとのことですが、警察でも……」
ピンポーン
「はい」
「警察のものですが……」
「は? 警察?」
「あなたが発明した発明品……について伺いたく……」
THE END




