第四話.三通の合格通知
面接が終わってから三日後。黒崎悠斗は自宅のソファに寝転がりながらスマホを見ていた。
「……来た」
メール通知。ネクストリンク 採用結果のお知らせ
悠斗はゆっくり開いた。
「この度は、面接にご参加いただきありがとうございました」
「慎重に選考した結果——」
「採用とさせていただきます」
悠斗は天井を見た。
「だろうな……」
あの面接の空気。どう考えても普通じゃなかった。悠斗はすぐ返信した。
「大変ありがたいのですが、今回は辞退させていただきます」
送信。
「よし」
悠斗はスマホを机に置いた。
「関わったら絶対大変なことになる」
あの三人。中学の幼馴染美月。高校の元カノ陽菜。大学の元カノ莉央。
(三人同じ会社って時点でおかしいんだよ)
そう思った瞬間。ピコンスマホが鳴る。悠斗は見た。
「……?」
差出人。朝倉美月
件名
合格通知
悠斗「は?」
開く。
「悠斗くん」
「私の推薦枠で合格です」
「辞退は認めません」
悠斗「いやいや」
その瞬間。ピコン次のメール。差出人
藤崎陽菜
件名
合格
悠斗は頭を抱えた。
開く。
「逃げんな」
「私の部署で採用決定」
悠斗「待て待て待て」
さらに。ピコン三通目。差出人
神谷莉央
件名
採用決定♡
悠斗「もう嫌な予感しかしない」
開く。
「悠斗」
「人事の最終承認通した」
「あなたもう採用」
悠斗は叫んだ。
「勝手に決めるな!!」
しかしメールの最後に書かれていた一文で、
悠斗は固まった。
「ちなみに条件」
「今の給料の2倍出すよ」
悠斗「……」
沈黙。五秒後。悠斗はスマホを持ち上げた。
「……話だけ聞くか」
そして翌日。ネクストリンク本社。会議室。
三人が並んで座っていた。悠斗が入ると、三人が笑った。
陽菜「来たじゃん」
美月「おかえり」
莉央「やっぱり来ると思った」
悠斗は椅子に座る。
「確認する」
三人を見る。
「給料二倍ってマジ?」
三人同時。
「マジ」
悠斗「なんで?」
美月が静かに言う。
「理由は簡単」
陽菜がニヤッとする。
「悠斗が必要だから」
莉央が腕を組む。
「仕事でも」
そして三人同時。
「プライベートでも」
悠斗はため息をついた。
「……入社します」
三人
「よし」
こうして黒崎悠斗は——
元カノ三人がいる会社に転職することになった。しかもまだ知らない。この会社でさらにとんでもない事が起きることを。




