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第三話.恋愛裁判

「私たち三人の中で誰が一番可愛かった?」

沈黙。黒崎悠斗の脳内で警報が鳴り続けていた。

(地雷だ……)

(どれ選んでも死ぬやつだ)

高校の元カノ、陽菜が机を叩く。

「ほら、答えなよ」

大学の元カノ、莉央は頬を膨らませる。

「正直に言って?」

中学の元カノ、美月だけが静かに微笑んでいた。悠斗はゆっくり言った。

「全員」

三人「は?」

悠斗「全員可愛い」

陽菜「逃げた!!」

莉央「ずるい!」

美月はクスッと笑った。

「悠斗くんらしい答え」

しかし陽菜が腕を組む。

「じゃあ次」

「なんで別れたのか覚えてる?」

空気が少し変わる。悠斗は視線を落とした。最初に口を開いたのは美月だった。

「私の場合は簡単だよね」

優しく言う。

「悠斗くんの転勤」

悠斗はうなずく。

「中2の冬だった」

「急に引っ越し決まって…」

美月は少し寂しそうに笑った。

「連絡もだんだん減って」

「自然に終わっちゃった」

静かな沈黙。次に陽菜が言った。

「私はさ」

少しバツが悪そうに頭をかく。

「友達と遊びすぎてた」

悠斗は苦笑する。

「毎日カラオケとか行ってたよな」

陽菜「うるさい」

顔を赤くする。

「…悠斗のこと、ほったらかしにしてた」

そして最後。

莉央が椅子にもたれながら言う。

「私は——」

悠斗を見る。

「悠斗が浮気してるって疑ってた」

悠斗「してない」

莉央「知ってる」

悠斗「え?」

莉央は少し恥ずかしそうに言った。

「今なら分かる」

「私が疑いすぎてただけ」

三人の視線が、同時に悠斗へ向く。そして陽菜が言った。

「で?」

悠斗「え?」

莉央「今」

美月「彼女」

三人同時。

「いないの?」

悠斗はため息をついた。

「いない」

その瞬間。三人の目の色が変わった。陽菜が机に身を乗り出す。

「じゃあさ」

美月が静かに言う。

「一つ提案」

莉央が笑う。

「この会社」

悠斗「うん」

三人が同時に言った。

「私たち三人の部署に配属ね」

悠斗「待て」

陽菜「逃げないよね?」

美月「面接まだ終わってないし」

莉央「これからいっぱい質問するから」

悠斗は頭を抱えた。

(転職先間違えたかもしれない……)

しかし悠斗はまだ知らなかった。

この面接には——

もう一つの秘密があることを。


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