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第一話.面接

春の少し冷たい風が、スーツの裾を揺らした。

「はぁ……」

深く息を吐きながら、黒崎悠斗はビルを見上げた。

今日の面接先——大手企業 「ネクストリンク」。

社会人三年目。転職のチャンスとしては、悪くない。

だが問題は——

「緊張するな……」

受付を済ませ、案内された会議室の前に立つ。コンコン。

「どうぞ」

ドアを開けた瞬間、悠斗の思考は止まった。

「……え?」

目の前に座っていたのは、三人の女性。そしてその顔を見た瞬間、悠斗の背筋が凍る。

(うそだろ……)

一人目。

黒髪で落ち着いた雰囲気の女性。中学時代の元カノ。

二人目。

ショートヘアでクールな表情。高校時代の元カノ。

三人目。

優しそうな笑顔の女性。大学時代の元カノ。

(なんで……全員いるんだよ!?)

完全にフリーズする悠斗を見て、

三人は一斉に微笑んだ。

「久しぶりね、悠斗くん」

黒髪の女性が静かに言う。

「……元気そうじゃん」

ショートヘアの女性が腕を組む。

「面接で会うなんて、運命かもね」

優しい声の女性。悠斗の頭の中はパニックだった。

(いやいやいや待て待て待て)

(なんで元カノが三人とも面接官なんだよ!!)

すると中学の元カノが、書類を見ながら言った。

「では、面接を始めます」

高校の元カノがニヤッと笑う。

「黒崎悠斗さん」

大学の元カノが静かに続けた。

「あなたを、採用するかどうか——」

三人は同時に言った。

「私たち三人で判断します」

悠斗の額に汗が流れる。そして次の瞬間。

高校の元カノがぽつりと言った。

「ちなみにさ」

「私たち、まだ——」

三人が悠斗を見つめる。

「あんたのこと、嫌いじゃないよ?」

面接室の空気が、一瞬止まった。

(……終わった)

悠斗の転職面接は、

人生で一番ややこしい面接になった。


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