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回避とサイコとツトム外伝  作者: 時田総司(いぶさん)
爆破スマシという女

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2/2

第二節 強盗犯

時は過ぎ、何時しか杉田は中学校3年生、爆破は小学校6年になっていた。


いつもの帰り道で、二人は出会った。


「! おいっす」


「ああ」




――、


「クラスが変わって、友達はできたのか?」


杉田は爆破の近況を想い、問う。


「いいや、できてない」


「!」


「超能力が使えることは、学校中の噂になっており、私を冷ややかな目で見る者が多い」


「そっか」


「……」


「まぁ、噂話ってのは『ここだけの話』という言葉をキーワードに、広まっていくものだからなぁ」


「ハハ、何だ? それは」


「んー、人生観?」


「そうか、噂を止めるのは難しいな」


「だな、しかしこうして俺が話相手になる事で、カタルシスを味わう事となったんじゃないか?」




「カタ……カルタ……?」




「ぶっ!  ハハハ。小学生には早かったか?」


「からかうな、クソ……」


「あと一年くらいで中学生になるな。俺はその時高校生だがな」


「そ、それがどうした?」


「中学2年生くらいになったら分かるかな? さっき言ったセリフも」


「そうか……」


「中学に上がると、定期試験があるぞー? 勉強しないといけなくなるぞー?」


「皆が一緒にする事だろうが、問題ない」


「そっか。丁度3つ違いだから、同じ学校には行けないな……」


「! ……ああ、そうだな……」


「ん? 待てよ……」


「どうした?」


「だ……大学だ!! 大学なら一緒の学校に行けるぞ!!」


「!! ……フハハ」


「何だ?」


「いや、どうしてそんなに必死なのかと思ってな」


「彼氏と彼女だぞ? 一緒に居たいというのは普通のコトだろ?」


「! まぁ……そうだな」


爆破は顔を赤らめた。


「じゃあ、な」


「おう!」


爆破と杉田は軽い挨拶を交わし、別れる。それぞれの自宅に帰って行った。




翌日――、


再び二人は帰り道で出会う。


「おいっす!」


「……」


「? どうした? 表情が暗いぞ」


爆破は俯いていた。遂には口を開いた。




「学校で……いじめに遭った……」




「!! 何!?」



――、


「そうか、イスの裏に……」


「ああ、油性マジックで化け物だとか、学校に来るなだとか……」


「原因は、何だと思う?」


「…………」


「……?」


不意に、左手をかざす爆破。


「ボッ」


左手の周りの空間は爆発した。


「十中八九、これだと思う」


「そうか、バーストが……」



「……」

「……」



少しの間、二人を沈黙が襲った。そして、口を開いたのは、


「それなら、バーストで人助けをすればいいんだ!!」


杉田だった。


「これで、このバーストで、悪人を倒す。そんな人助けをすればいいんだ!!」


「簡単に言うな」


溜め息をついたように、爆破は言う。


「悪人など、そう簡単に遭えるはずも無かろう」


「ふっふっふー、スマシちゃんよぅ。ニュースはあまり見ないのかい?」


「?」


「じゃーん!」


杉田はカバンに入れていた新聞を取り出した。


「これ! この記事、この町のコトだよな!?」


その新聞には、『連続強盗事件、○○町にて発生中』と、でかでかと綴ってあった。


「な!?」


「この犯人を、バーストを使って捕まえるんだ」



数日後、とある商店街にて――、


「本当に強盗事件になど、遭遇するものなのか?」


不審がる爆破。


「ふっふっふー、俺の情報網を舐めてもらっちゃ困るってモンよぉ、スマシちゃーん」


やけに自信たっぷりな杉田。


「やけに自信たっぷりだな、その自信はどこから来る? そしてその情報網とは何だ?」


「ここ数カ月のこの町の強盗事件を隈なく調べた。その結果、店ごとに再犯を繰り返すケースが多い。経験上、侵入しやすいんだろうな。最低2回は同じ店に入っているんだ。そこで、だ!」


「!」


杉田が声を大にして言うので、思わず虚を突かれる爆破。


「強盗に1件しか入られていない店を見つけた。この店はいずれ2回目の強盗に見舞われるだろう」


とある八百屋を指さす杉田。爆破は腑に落ちない様子だった。


「しかし、そんな事が本当に……」




「金を出せ!!」




(あったよ!!!!)



「レジの鍵を開けろ! 今すぐにだ!!」


強盗犯はレジのお金を奪うつもりだ。手には刃物を持っていた。


「行くぞ! スマシちゃん!!」


「へ? 行くって……え?」


「俺は警察を呼ぶ! 犯人の足止めを頼む」



「ピ、ピ、ポ」



「もしもし、警察ですか?」


杉田は携帯電話で警察に通報する。犯人はお金をバッグに入れ始めた。数十秒もせずに走り出した。


「スマシちゃん!!」


「くっ! やむを得ん!!」


爆破も犯人を追って走り出す。


(バーストを人に打つのは初めてだ……上手くいくか……? 制御せねば、人を殺してしまう……!!)


爆破は犯人をジッと見つめる。


(落ち着け……何も人に向けて打たなくても良い、ならば……!!)


左手をかざす爆破、


そして……



「バースト」




「ボッ!!」




爆破は爆発させた。


犯人の前方の、舗装された歩道を――。


「うっ! うわぁ!!」


犯人は爆発させられた地面につまずき転ぶ。


「今だ!!」


そこへ、偶然通りかかったラガーマンが犯人にタックルした。


「なんだなんだ?」


「強盗犯が現れたってよ!」


「取り押さえるぞ!!」


商店街の店主たちが集まってきた。商店街の店主たちは協力して犯人を取り押さえ、数分後に駆け付けた警察によって、犯人は逮捕された。


(こんなに上手くいっていいのだろうか……?)


「急に地面が爆発したんだ」


警察の聴取に応じる店主たち。


(あ……)


爆破は警察官に駆け寄る。


そして――、


「ごめんなさい!! ここの歩道を破壊してしまって……」


「君がどうやって……?」


不思議がる警察に証拠を見せる為、爆破は左手をかざした。


「ボッ!!」


爆破は目の前の空間を爆発させた。



「…………」



うつむく爆破。


「じゃあ、これで犯人を足止めできたんだね?」


「へ?」


「お手柄です」


警察官は爆破の両手を握った。



翌日――、



『超能力少女、強盗犯を撃退!!』



朝刊の一面に、でかでかと爆破の写真が載った記事が掲載された。いつもの様に登校する爆破。


「よう、超能力少女」


「!」


杉田が居た。


「か……からかうな、この……」


「これは俺の野生の勘だが……」


「?」


「今日、学校で良いコトあるぜ? じゃあまた、夕方――、な」


「何なのだ、一体……?」


小学校へ登校した爆破。席に着き、溜め息をつく。


(今日もつまらない一日が……)



「おい爆破!!」



「!!」


「お前は……」


「今日のニュースで見たぜ!! 超能力で強盗犯をやっつけたんだってな!!」


「あ……アレはたまたま……」




「スゲー」


「マジかよ」


「ホントだったんだ!」




「! …………」


ちょっとの気恥ずかしさと、妙な感覚が爆破を襲った。



夕方――、


「よっ、超能力少女!」


「!」


爆破はいつもの様に杉田に出会った。


「良いコトあっただろ?」


「ま、……まぁな……」


「俺の勘は鋭いからな」



「あ、あのなぁ!!」



「?」


「あ……ありがとうな。き、昨日は……」


ニッとにやけながら杉田は言った。



「どういたしいまして」

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