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第6話,交渉と計画

4月10日、この頃、史実ではまだ 日本軍は破竹の勢いで勝ち進んでいた。

今度も同様であった、海戦では一部の提督が史実と違う作戦を採り日本側の艦艇は史実よりも損傷している数がほんの少しだけ少なかった。


だがこれが資源の乏しい日本にとっては救いであった。

ちなみにこの頃佐々木首相は中国との本格的和平交渉に望んでいた、クーデター以前にも交渉は行われたがそれは失敗に終わっている、日本の目的として中国との和平は重要であった、既に大勢の戦力が中国に展開している、しかも中国はアメリカやイギリスなどの支援をうけつつしつこい抵抗を続け結局中国は降伏せずなんとか凌いだ。



中国自体は弱いがその背後が強い、日本陸軍の戦力温存の為中国との和平は必要不可欠であった。

また、犠牲者を減らすという観点から見ても和平は必要であると佐々木は考えた。


その交渉内容は満州国の独立は認めさせながらも日中戦争勃発後に日本軍が占領した領土すべてを返還、さらに満州からも完全な撤兵はソ連も中立条約を締結したとはいえ攻めてくる可能性もまったくないとは言いがたいので一部の部隊と将軍のみ駐屯をさせてくれという事、和平後は中国のさらなる近代化の為の一部技術者派遣とアジア解放戦争への参加参戦であった。



これに対し中国は難しいと返答した、国内からの撤退と満州からの大幅撤兵、そしてさらなる近代化の為の支援はよしとするが一部部隊というのが気に入らないらしくさらに今までアメリカやイギリスべったりだったのでもしこの二国を裏切ったらとんでもない事になるという。



この4月10日は日本占領下の南京にて蒋介石と佐々木首相が交渉に臨んだ、ただし佐々木首相はかなりの人数の陸軍に護衛されていた。

万が一殺害されたらそれこそ大問題だからである。


「どうも、2ヶ月ぶりですな蒋介石さん」


「こちらこそ、しかし私の人生で貴方のようなお方は始めてであります。それで本題なのですが、やはりあの条件は厳しいと?」


「はい、満州は中国です、私としても返還を願いたい、そして中国国内から日本軍の完全な撤退をお願いしたいのです」


蒋介石は中国から完全に撤退してほしいと佐々木に言った。

「…しかし、そんな事をすればまたうちの陸軍の馬鹿どもが騒ぎ出します」


「陸軍の馬鹿?貴方が陸軍では?」


「左様、最も私は異端者とされて来ましたがね。現に満州事変の時は大馬鹿野郎と思っておりました」


「はぁ~、日本にも貴方のようなお方がいらっしゃったわけですか」


「すべてが国粋主義者というわけではありません」


2ヶ月前の時もそうであったように、蒋介石は佐々木のような奴がいるとは思ってもおらず、そして前々から感動していた。

そして中国側の視点から見れば佐々木ならばこの問題をどうにかしてくれるだろうと考えていた。


「それで、先ほどの撤兵の件ですが、貴方は共産党に悩まされていたわけですよね?」


「うむ、毛沢東あのおとことの戦いは再発するでしょうな」


「毛沢東は共産主義者であります…私は知りませんが、当然ソビエトがバックにくるでしょうな。さらに貴国の軍隊は戦争で消耗している、勝てますか?」


「微妙な所でしょう」

佐々木は話を、中国で起こっていた内戦の話にもっていった。

史実では国境内戦は戦後に再発し蒋介石は台湾に追い出され大陸には中華人民共和国が建国された、佐々木はこのままでいくと中国大陸に共産主義国家が建ってしまうと警告、だからこそ今は軍の再編を行うべきと主張した。


「………しかし、我が中国はすでに米英の支援をうけております、それがあってこそ今ここに中国が存在するのですが、もし裏切れば米英と戦争中の貴国の味方とみなされ戦争へ発展するのでは…?」


「仮にそうなった場合は最低限の国境警備と後方支援を行ってくれれば我が国があとは戦います、我々の目的は実を言えば勝つ事ではなく、あくまでアジアの解放なのです」

っとはいうが日本の目的は史実よりもマシな負け方をし誇りある国へ復興させる事であった、なので上のほうに人々は誰も勝利など望んでいなかった。


しかし勝つ気がないのなら戦争する意味がないではないかとつっこまれるのであいてアジアの解放というありふれた理由で説明したのである。


「なるほど…………しかし、それを決めるのにはこちらも時間がかかります。少なくとも6月までには徹底抗戦か和平か、我々は決断します」


「その日を待っております」

もしこれが今までの日本ならばこの場で徹底抗戦すると言われていただろう。

しかし佐々木の作戦は功を奏し一回で拒否はされず考える時間をよかせと中国は主張、これで受け入れてくれれば対中戦は終わりかなりの戦力を対米英戦に回せるはずである。



最も成功する確率は極めて低いのでその場合の作戦も日本側は考えていた。

しかし、その前に日本はやらなきゃいけない事があった、それは…………


「本土空襲?そういえば以前北村君もそんな事をいっていた、ぼぐはちょっと検討がつかないが」

その頃、日本会ではドーリットル空襲の話が行われた。

米内はいくらなんでもそれはありえないと考えていた、空母を日本まで近づけて艦載機で攻撃すればできるだろうが艦載機ではあまり損害をあたえられない、アメリカとしては東京を攻撃したいのだろうと米内は考えておりそれならば爆弾を多く搭載できる爆撃機が必要である。


しかし爆撃機は航続距離外で爆撃機を空母から発艦させるなんてそんな話米内は聞いた事がない、だから日本会のメンバーである高須中佐のこの言葉はちょっとうそ臭く感じたのである。


「本当ですかね高須中佐?」


「左様、北村殿の証言が正しければホーネットからB-25爆撃機16機が出撃、東京、川崎、横須賀、名古屋、四日市、神戸を爆撃します。我が方も迎撃に上がりますが失敗しています」


「すると今やることとは?」


「艦隊を出撃させるには遅すぎます、防空力の強化あるのみです」


「それで?今の所は?」


「はっ!とりあえずは主要部に零式戦を配備、さらに試作機であり正式採用された機ではありませんが陸軍はキ61、北村殿の証言が正しければ三式戦闘機飛燕として配備されるはずの戦闘機、さらに新型局地戦闘機もなんとか28機配備されております」


「新型局地戦闘機?」


「はい!光電です」


「光電?」


この光電こそが、大日本帝国本土防空の要となる、この小説初の架空兵器である。

武装は零戦と同じ7.7mm機銃2基、20mm機銃2基である。


この戦闘機の開発が指示されたのは実に2年前、山本五十六が指示したのである、仮に開戦となった場合、米国が本土まで到達するのはしばらくの間ないであろうが本土防空を疎かにするのはよろしくないと、あまり複雑な構造ではない大量生産を視野にいれた局地戦闘機、それが光電である。


最高速度512km/h、航続距離1200km、この頃の戦闘機としては性能は低いほうであるものの日本の事情を考えれば仕方のないものであった、少なくとも日本軍は陸軍の主力機、九七式戦闘機を上回るものさえあればよいと考えていた。



まだ数は足りず性能的にも時代遅れの感はあるが最初から完成されすぎた零戦と違い、まだまだ改良の予知がある機体でありこれぞ現在の日本帝国空の防人の中核である。


「しかし、その戦闘機、数が足りない上性能もそこまで高くはないのでしょ?大丈夫なのかね?」


「はい、少なくとも、陸軍の九七式よりは、頼りになるかと」


「…よかろう、あとは4月18日、本当に米国はB-25で爆撃してくるかだ」


その頃、アメリカはやはり、ドーリットル隊による日本本土空襲を計画、実行に移ろうとしていた。

日本は漁船までもを動員、警戒にあたらせていた。


御意見、御感想などお待ちしています。


この小説は今年初の更新です、駄作ですが今年もよろしくお願いします。

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