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第5話,緒戦

その頃、日本では開戦を伝えるラジオが流され臨時の新聞も発刊された。

「号外!!号外!!」


そして戦争を指導するは内閣総理大臣となった陸軍の佐々木である、早速佐々木は太平洋戦争が好調なスタートを切った事を耳にした。

「そうか、彼の言ったとおりこの戦争、最初は順調なスタートを切ったか」


「はい」


「うむ、しかし目指すは敗北、マシな敗北。勝っても大日本帝国は繁栄せんだろうからな、ただし北村君のいうような日本にはなってほしくない。そのへんはうまくやってほしい」


「大丈夫であります」


「そうか、そうだな、今はそんな事よりも現状だな」


佐々木が注目するのは真珠湾でもなんでもない、マレー半島へ進撃した陸軍である、マレーには倍以上の連合軍がいる、いくらマレーに向ったのだ精鋭部隊だとしても不利なことにはかわりない。

「………はたして、マレーの陸軍は勝てるんだろうか?」


マレー半島、シンガポールはイギリス軍の一大拠点である、シンガポールは東洋のジブラルタルと謳われまさに、難攻不落の大要塞である。

しかも日本軍との戦いを予感していたイギリス軍は最新鋭戦艦プリンスオブウェールズと旧式ながらも重武装である巡洋戦艦レパルスを東洋艦隊に入れた。



ここらはアーサー・パーシバル中将指揮の下、日本軍なんかが攻略できる場所ではない…はずだった。

日本軍は12月8日シンゴラ・パタニ・コタバルに上陸、コタバルの上陸部隊はイギリス軍の反撃をうけるもこれを日本軍は突破したのである。


そして、驚くべき事態が発生したのである。

「ん~………間違いない!今度こそZ部隊です!」


「今度は見逃すな!絶対に戦艦を沈めるんだ!!すぐに偵察機を!」


「了解!!」


松永少将は強くそう言った、その後偵察機が飛び立ちZ部隊を見たのである。

もちろんイギリス軍はなにもしなかったわけではない、偵察機に対空砲火を浴びせた。


「敵さんやってきましたよ」


「ああ、やばいな。燃料も足りなくなりそうだ」


「機長!爆撃隊です!」


「ちぃ、ようやく来たか」


九六式陸攻8機がレパルス時様空に到着、攻撃を開始した。

8機からは爆弾が投下されそのうちの1発がレパルスに命中した。

「爆弾1発レパルスに命中!!」


「ッハハハ、一発じゃ沈まないでしょう」


「おっ、雷撃隊や!!」


続いて日本軍の雷撃隊が到着、その後も次々と攻撃隊が到着し激しい砲火を潜り抜けて陸攻は攻撃を敢行、着実に英戦艦にダメージを与えていた。

「きゃー、流石は英国海軍だ、なかなかやりますなぁ」


「おっ!また新たに味方が着ました!雷撃隊です!!」


「今度こそ頼むぞ!!」


これらの攻撃に対しイギリス軍は抵抗する、しかしプリンスオブウェールズにも、レパルスにも最期が訪れた、まずレパルスが沈没、続いてプリンスオブウェールズも沈没してしまった。

「提督!!艦長!!」


「皆…元気でな」


フィリッピスは部下に別れを告げ艦と運命を共にした。

この海戦は世を驚かせた、中でもこの男は…


「あの艦が!!」


「閣下!!」


それは、英国首相チャーチルであった、チャーチルは大変衝撃をうけたのだ。

「……これは、最大の屈辱だ…ナチにやられるよりもな」


「閣下……」


翌日、沈没地点には花束が投下された、日本、イギリスの戦士達への贈り物である。

こうして制海権を握った日本軍はすさまじい勢いで進撃していった。

その後、陸軍のマレー作戦は順調に進み史実どおりの勝利に終わる、日本軍は蘭印にも行く。

日本軍は史実同様、すさまじい勢いで勝ち進んでいった、緒戦では大きな変化がなかった。



空母が真珠湾攻撃で損傷したもののそれもやがて復活してゆく、ところで皆さん疑問があるだろう。

あの真珠湾攻撃、なぜハワイごと占領しなかったのだろうか?それにはちゃんとしたわけがあった。



その事が話し合われたのは昭和17年1月の夜であった…

「そういえば長官?」


「ん?」

日本会のメンバーの1人が尋ねてきた。


「なんで真珠湾を占領しなかったのですか?」


「………やろうと思えばできたさ、しかし我々の目的を忘れてはいないか?」


「は、負ける事です」


「そう、真珠湾を奪い取ってしまえば、米海軍は多分、弱体化するだろう。そうなってみろ?勝利の波にのった我が軍はすさまじい勢いで勝ち進む、さらに米国が弱体化すると今度はナチスが幅を利かせ今は味方でもそのうち大陸のどっかで合流、やがては戦争になるだろうと思う」


「ナチスとですか!?」


「………おそらくは、日本はナチスを相手にして戦えるほど強くはない、だからこそなんだ」


しかしこの佐官にはハワイを占領しなかった事の真の意味は、わからなかった。

現在の日本が狙う敗北は、ある程度は戦いある程度劣勢になってから講和に持ち込む、そしていろいろとやって中立国としてやってゆく事にし表にはでないようにこっそりと連合軍側に支援を行う、もちろん戦いはしないが船をつくったりいろいろしたりでだ。



日本は工業力こそ低いがそれでも力にはなれるはずだ、武器輸出国になって負けたとしても栄えればいい、それが目的であった。

もちろんこの目的を達成するのは容易ではないし、不可能かもしれない。



しかし、今の日本はそれをやろうとしているのだ、この戦争はそれを行うためのちょっとした手段に過ぎないのであった。

本命はそっちである。



その本命を果たすべく、仕方なく開戦となったこの戦争の緒戦は史実どおりの大勝利であった、しかし、ここからが本番だ。

ここからどうするかによって、大日本帝国の運命は決まるのである。


御意見、御感想などお待ちしています。

なんだか最初のちょっとした流れみたいな話が続きましたが次回より徐々に変化させる予定です。

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