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第32話.地中海海戦 中

ドイツ軍の攻撃は激しいもので既に「赤城」が被弾、致命傷ではなかったものの着艦が不可能になってしまった。

---「翔鶴」---


「取り舵一杯!最大戦速!」


「トーリカージ!!」


ドイツ軍攻撃機は必死に回避行動を取る翔鶴を狙って爆弾を落してくる。一発目は左舷から200mの所に落ちて無事であったが2発目は右舷に至近弾、艦内に浸水が始まったのであった。

そして3発目は飛行甲板、艦橋付近に命中、破片が中にも飛び散ってきて艦長も迷惑する。


「うぅっ!!」


「艦長!!」


「うぐく!私は大丈夫だ!被害は!?」


「現在確認中です!!…うわっ!」


翔鶴は次々と被弾、さらに雷撃機の攻撃をうけ魚雷2本を受ける。

流石の翔鶴と言ってもこれほどのダメージには耐えられるはずもなく、燃料や弾薬に引火、さらに所々で爆発を起こし地獄を見つつ焼け死ぬ乗組員もいた。

「艦長!2個所で爆発!機関停止!消火不能!」


「総員退艦!」


「艦長!軍艦旗は!?」


「回収する暇があれば負傷者の搬出を急げ!どうせすぐ新型の空母が竣工する!だから人命を優先する!!」


「了解!」


開戦以来、帝国海軍を見守ってきた航空母艦「翔鶴」はドイツ軍の雷撃と爆撃によりついに地中海で沈没した。だが艦長の指示と必死の避難によって死者数は予想を遥かに下回る数であった。


---赤城艦橋---

「そうか…翔鶴が……」


「南雲機動部隊の雲龍も一部で火災と艦内に浸水しているとか…」


「何、海戦とは本来こういう物だ。今までがうまく行きすぎたのだ」


「流石はナチスドイツ、海軍力では劣っているはずなのにわが海軍にこれほどまで打撃を与えるとは……」


「いや、相手が米海軍ならもっとひどい目に遭っていただろう。それよりもそろそろ第一次攻撃隊が敵艦隊に攻撃を加えている頃だ」


その頃、第一次攻撃隊はマルシャル艦隊の攻撃を行っていた。

ドイツ軍艦載機の激しい抵抗に遭いつつも、経験が豊富な日本軍は果敢に敵機、対空砲火を潜り抜けて敵艦へと迫り突撃攻撃を敢行する。


「日本機など全部叩き落せ!!」


「Ja!」


ドイツ軍の盛栄此処に有り。

対空砲火に次々と日本機は撃墜されていった、しかしそれでも彼らは諦めずに爆弾を落す。アツタ発動機搭載の彗星は急降下爆撃を行い、開戦以来消耗しつつもベテランばかりを揃え、高い命中率を誇る部隊は独空母に次々と命中弾を浴びせる。先ほどのお返しのような攻撃であった。


「爆撃の次は雷撃だ……行くぞ!ついて来い!」


「了解!」

天山、流星、九七式艦攻など、魚雷を抱いた航空機が水平に高度を下げ、対空砲火を潜り抜けつつ敵艦を目指した。


「ようそろ……ようそろ……」

高角砲の砲弾に中り魚雷を中てる前に炎を噴きながら海に突っ込む機もあったのだが数機は「グラーフ・ツェッペリン」の左舷を狙って魚雷を放った。

「…射っ!」


航跡は見える、グラーフ・ツェッペリンは回避行動をとったものの1本は命中してしまった。水柱が激しく天を目指し、その様子は機内からもよく確認できた。

「旗艦に発信!我グラーフ・ツェッペリンを雷撃!効果甚大!」


「やった!敵の旗艦をやったぞ!!」


「魚雷1本じゃ沈みはせんよ」


戦闘1日目は両軍とも痛み分けであった。

その夜……日本軍水雷戦隊の駆逐艦8隻はUボートの警戒に当たっていた、しかし実際に遭遇したのはドイツ海軍の駆逐艦10隻であった。


「敵との距離6000!」


「もう撃ってもいいですかぁ!?」


「かまわない!」


「ありがたい!よ~しやってやるぞ!!」


耳を労する砲声と目を眩ます閃光、これを見れるのは今のこの、夜の地中海である。日本軍とドイツ軍の雷撃戦は熾烈さを極めた。

しかしこの海戦で日本軍が受けた損害は駆逐艦1沈没のみである、一方のドイツ側は2隻が沈没、1隻が中破した。


沈没艦は駆逐艦「陽炎」である。

その頃、中破して後方に退却したグラーフ・ツェッペリン---

「ダメだ!日本海軍にはもっと大きな打撃を与えねば!」


「はぁ…」


「君もわかっているはずだ。敵軍のほうが規模は大きい、せめて日本軍を消さない限りはこの戦争には勝てないのだ。米海軍の艦艇はいくら沈めてもすぐに戻るが日本の艦艇ならばあの工業力からして一度沈めれば復活までに時間がかかるはずだ。つまり障害の一部が長期に渡って取り除かれる。日本軍を殲滅するのだ、でなければこの戦いは勝てない」


「しかし、すべてを攻撃するのは難しいですな」


「ええ、なんたって敵もこちらもこの地中海に広く展開していますからね」


「……それにしてもいい天気だ、嫌な予感がする…」

マルシャルは外を見た、当たりは月明かりで照らされておりとてもよい天気であったがそれがマルシャルを不安にさせる要素であった。

そしてその嫌な予感は的中するものであった。夜間、万が一日本軍の艦隊が接近した場合の事を考えてマルシャルは「ティルピッツ」を初めとする戦艦、巡洋艦、駆逐艦の一部を前衛に回して警戒させていた。


しかし「ティルピッツ」のレーダーはとんでもないものを発見したのである。

「……むっ!レーダーに大きな反応!大型艦多数!小型艦の数も半端ではありません!」


「まさか!」


そのまさかであった。

戦艦8隻を中核とする日本の大艦隊がドイツ軍撃滅の為に夜戦をし掛けようと接近していた。対するドイツの戦艦は4隻、しかし「ティルピッツ」はビスマルク級の2番艦で高い攻撃力と防御力を誇る艦である。それでも数の面で日本海軍には劣っていた。


「どうするんですか!?」


「よし、アドミラル・トーゴー(東郷平八郎)が採った作戦をやろう」


「できるのですか?」


「やらなければやられる。一種の賭けだ」


「はっ!」


ドイツ軍は敵国の英雄である東郷平八郎を真似ようとする。

一方の日本軍はそうはさせまいと針路を変更した、こうしてドイツと日本による主力艦同士の激しい砲撃戦が始まったのであった。


「方位2-2-0!距離20000km!!」


「砲撃戦用意!」

日本艦もドイツ艦もお互いの主砲をそれぞれの敵に向けた。

先にドイツ側が砲弾の装填を完了させ、砲撃を開始するが初弾命中というのはなかなかできるものではなく、わりと近い所に砲弾が降り注ぎ勢いよく水柱が立つものの艦自体には被害が出なかった。

「全主砲諸元入力完了!砲撃可能です!」


「用意!」


「射っ!」


大和型戦艦2隻は46cmという化け物のような主砲でドイツ軍を攻撃する、その威力は己自身がある程度傷つくというのは覚悟の上であったが他の火器が使用できなるなるほどであった。

おまけにその威力は全砲門で同時に砲撃を行うと艦体が痛んでしまうほどであった。


ドイツでさえ初弾命中をさせるのは難しいのだから日本も当然初弾命中をさせる事はできなかった。

「修正及び砲弾の再装填を急げ!」


「敵さん撃ってきてますなぁ」


その時、耳が痛くなるほどの轟音と共に大和後方より眩い閃光が日本軍を襲った。その音と光はドイツ軍の砲弾が戦艦「山城」に命中した事が原因であった。

「山城被弾!1番砲塔損傷!!」


「かまうな!攻撃を続けろ!」


日本軍は先ほどのお返しであるかのように反撃を開始する、その結果「ヨルク」に1発を命中させる事に成功し、砲弾は「ヨルク」の装甲を貫きちゃんと作動し「ヨルク」は大きなダメージを受ける。

さらに砲弾が「ティルピッツ」のほうに飛んでくる。


「まずい!」


誰もがティルピッツが傷つくのを確信した、ところが幸運な事にティルピッツは破片が飛んできた事によるたいしたことのない損傷で済む事になる。

理由は簡単であった、付近にいた駆逐艦が身代わりになったのである。この駆逐艦には「長門」の40.6cm砲弾が命中しその後戦没した。



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