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第3話,開戦近づく

昭和16年10月18日、ついに東條内閣が発足。

運命の1208(ひとふたまるはち)の開戦まで間近に迫っていた。



本日北村含む日本会は例の家に集まっていた。

「いよいよ、来てしまいましたな」


米内の言葉に一同は頷く、その後北村は語る。

「一端帝国国策遂行要領を白紙に戻したはいいのですが結局は12月8日、開戦となります」


「やはり…このままでは日米開戦は確実になってしまうな…」


山本はとても心配そうであった。

最後まで日米開戦に反対しそして今回もずっと日米開戦に反対している彼にとってね苦痛以外のなにものでもない。

ましてや彼は連合艦隊司令長官、戦争ともなれば嫌である対米英戦を指揮しなければならないのだ。


「もし、日米開戦となったら……?」


米内が山本に訊いてきた。

「予定通り真珠湾を叩きます、なお第一航空艦隊司令長官南雲君のかわりに北村君にする」


この時北村は何故か昇進、中将となっていた。

大丈夫なのかと思うだろう、しかし基本はしっている、問題なのは実戦未経験という事だ。

ただし北村はすべてを知っておりそこが山本の気をひいたところである。


北村も覚悟はできていた、そしてこの日の為に猛勉強を行ったという。

「しかし、日米開戦となっても勝てる可能性は低い、ボグより北村君のほうが詳しいと思うが、素人が考えてもそれはハッキリした事だと思うよ」


米内は冷静であった。

そして北村もそうである。

「はい、日本とアメリカでは国力自体に差があります、その差は今更埋めれないでしょう」

(…しっかし俺はなにをしているのやら…)


らしい事をいうが実は北村、決まっている歴史を変えてもいいのだろうかと迷っていた。

しかし陸軍メンバーのトップである佐々木に「歴史はもう、この組織の存在でかわっていると自分は思う」と言われとりあえずは動いていた。


しかしこの時点で北村はまだいまいち、乗り気ではなかった。


「……皆さん、北村君の予言はよく当たります。彼のいう事はすべて当たっています、もう彼が未来からきたということをうたがいませんな?」


全員頷いた。

ここまで予言どおりになると流石に疑えるものではなかったのだ。


「では…東條さんがどうしたという所でこのままでは結局、日米開戦になります………」


「実行…ですか?」


佐々木が訊くと米内は頷く。

いよいよ、クーデターを起こすのである。

ここから、日本の歴史はかわってゆく…



その後、決起の為、準備が行われた。


昭和16年11月26日。

択捉島単冠湾から北村中将率いる機動部隊が出撃、なお参加艦艇は史実と同様である。


(……命令があれば、すぐに引き返す…か…いざ自分の手で、自分の時代では同盟国であった国の軍港を叩きにいくとは…なんだか不思議な気持ちだ…)


その後御前会議で開戦が決定されたが12月1日夜。

「ん?なんだ?奴らはどこの部隊だ?」


「さあ?…俺らが知る所じゃどこかから来るって話はなかったぞ」


東京を、数十台のトラックが走っている。

もちろん乗っているのは武装した人間、佐々木中将率いるクーデター部隊である。

ようやく準備も完了し早速クーデターを起こすのである。


最も佐々木も米内も山本も、少し遅かったと感じているが。

「挺身隊は前へ!!」


「な、なんだ貴様らは!?どこの部隊だね!?」


ダン!ダンダン!!


この夜、帝都は戦場と化した。

陸軍の突入部隊は快進撃を続け東条英機の身柄拘束に成功。

「動くな!!」


「なにもするなよ、ぶっ殺すぞ!!」


「……」

東條はただ黙って、なにかを感じているかのような表情で座っていた。

その東條は日本会メンバーの兵士からかなりの罵声をあびせられていた、おそらく精神的にかなり参っているだろう。

(すまん……私は…ぐぅ…)


彼は泣きそうであった、他の場所に展開した者達も主要人物を捕らえ抵抗するものはとことん射殺しクーデターを推し進めていった。


その後も一部の軍人との銃撃戦があったもののクーデター部隊の勝利に終わりクーデターはあっさりと成功。

お上、裕仁は当初反乱軍と見なすも黙って見過ごすことにした。



朝…

「…我が帝国は!頑迷なる指導者を排除し!対米英戦を回避すべく!全力を尽くすことを!ここに国民の皆様に対し約束いたすほか!仮に開戦となった場合は!国家、天皇、国民の安全の為全力で戦う事を此処に約束するのであります!!開戦の場合とは、事実上の最後通牒であるハル・ノート!米英蘭などの白色人種が東亜から撤退したことを確認してから行うものとし、もしそうしないのならば!今月中には我が帝国は!全アジア人解放の為の正義の決戦を行う!帝国としては戦争は望まないものであります!そうならない為にも我が帝国はもちろんの事米英蘭におきましても努力してほしいと考えて降ります!以上が新政府の方針であります」


それは、クーデターを知らせるニュースでもあり事実上、宣戦布告でもあった。

このニュースは世界に発信され無論、米国大統領ルーズベルトの耳にも入ったのだ。


ドンッ!

「これは宣戦布告か!?ふざけた放送だ!新政府になってすこしは期待したというのにに…」


「大統領閣下、こちらを…」


「ん?……なんたる文章だ…こんな事ができると思っているのか日本は?」

ルーズベルトもほかの人も当然怒っていた。


「大統領閣下!これを利用し国民の戦意を高揚させ日本と戦うべきです!!我々が本気を出せば日本なんて半年以内に!!」


「待て!!そんな事をする必要はない、むしろ日本から攻撃してくれるほうが助かる」


「えっ?」


ルーズベルトには作戦があった。

それは、日本に先に攻撃させそれにより米国国民の戦意を高揚させるというものだ。

米国はかねてより欧州戦線へ介入したがっていたもののモンロー主義に代表される孤立主義の伝統があり、他国の戦争に巻き込まれることを嫌う傾向があった。



それを無くすための作戦であった。

(…新しい首相は佐々木といったな……近衛や東條とは違った雰囲気だ、もしかすると手ごわいかもしれん……いや、所詮日本は弱小国だ。指導者が強くても下が弱ければ意味がない…万が一どこかに現れたとしても飛行機は複葉固定、ましてや奴らは目が細いから操縦は下手、できるのは艦隊決戦だがそれでも太平洋艦隊だけでおそらく十分だろう……アメリカの国民には悪いが、これで欧州にいける……大陸進出には邪魔臭いジャップも、いずれ我々にとって最大の敵になるであろうナチの下衆も、これで撃滅できる…はずだ)



アメリカ側の上のほうは戦う事を決意した。

しかし、アメリカはなおも本格的な対策をとらなかった、その理由は日本が太平洋を渡りハワイや西海岸に現れるわけがないという根拠のない噂程度の話からだ、これは米国が日本による真珠湾攻撃を許すきっかけとなってしまう。



一方、モスクワでは…

「同志スターリン!」


「どうした?」


「日本で新政府が誕生!いっている事の最後の方は事実上の宣戦布告と捉えられます!」


「そうか……まあ、やらせておくんだ。それより今は中立国である日本帝国なんかよりもドイツのファシストどもをなんとかしなければならない、モスクワの戦況はどうだね?」


「はい、噂よれば現在赤軍が有利との事です」


「そうか………しかしこれでファシストが屈服すると思ってはダメだ、ドイツは必ず、もう一度ソビエトを滅ぼそうと来るだろう」


あの放送は、スターリンの耳にも届く事になった。

しかしスターリンのソ連はドイツのみで精一杯、日本なんかを気にしている場合ではなかった。

一方ドイツでもヒトラーが日本のあの放送に興味を示していた。


「ついに…ついに日本が戦う気になったか」


「そのようです」

側近のひとりがそう言う。


「うむ……西は我々だ、とりあえず今は東を日本に任せよう」


「……そのお言葉ですと?」


「…いずれ日本とドイツは、嫌でも戦争になるだろう。私はそんな予感がするのだ。ただし、現在は同盟国だ、敵対心を見せぬようにする…イタリアと共に共通の敵を打ちのめすまでは、日本は味方である」


「大丈夫なのですか?」


「っふふふ…君達、日本人は二流民族だ、しかし日本は君達が思っているよりも遥かに強い、見ていればわかるだろう、私の予想では…日本は強い、今ある同盟国の中でも最強であろう…おそらくは」


「…ハイル・ヒトラー!!」

周りの将校が手をあげて叫ぶ。

ドイツの同盟国といえばどこも強い国とはいえない、日本だってそこまで強くはない。

しかしイタリアなどと比べれば強いのは明らかであった。


日本の要求…回答はこなかった、日米開戦回避という目的に失敗した日本…いよいよ、長く苦しい太平洋戦争が始まろうとしていた。

御意見、御感想等お待ちしています。

いろいろとおかしい点はあると思いますが今後ともよろしくお願いします。

勉強不足なんですがいろいろとごまかしております。

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