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第21話.アメリカ本土爆撃 実行編

4月1日、北村は当初の予定通り艦隊を率いて米本土へと近づいた。

航空母艦:「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」「翔鶴」「瑞鶴」

戦艦:「金剛」「榛名」「長門」「陸奥」「大和」「武蔵」

巡洋艦9隻

駆逐艦13隻

その他10隻


まさに太平洋の王者の名にふさわしい艦隊である。

これほどの大艦隊なわけだからアメリカも当然、気がついていた。


ホワイトハウス……

「なにぃ!?日本の機動部隊が米本土へ向けて!?」


「はい、空母6隻を含む大艦隊です、もしかすると本土上陸の可能性も…」


「うぐぐぐ……ジャップめ!!」


これを迎撃すべく、サウスダコタなどを含む艦隊が合衆国の威信にかけて出撃する。

日本軍も索敵機によりその存在を知った。

「サウスダコタ、インディアナ、ワシントン、ニューキメシコ、ミシシッピなど戦艦5隻を含む大艦隊が接近中、長官!」


「駆逐艦を残し空母は待機、戦艦と巡洋艦を向わせろ」


「艦隊決戦をやるのですか?しかし…」


「わかっている。わかっているがこの作戦を遂行する為には多少の犠牲も覚悟の上だ。やろう」


「…そうですね。長官の仰る通りです」


「よし、向わせるぞ」


武蔵を旗艦とする日本海軍の主力艦隊が米艦隊迎撃の為に出撃、この数時間後両艦隊ともにちょうどいい所に展開、広いこの海域は艦隊を展開させてもまつたく問題がない、まさに艦隊決戦をやるにいい場所であった。


ドオン!!


まずはサウスダコタを始めとする米艦隊が砲撃、日本艦隊の付近に多数の水柱が立つ。

しかし初弾というものはなかなか命中しない、幸いにも初弾は一発も中らなかった。続いて日本軍のターンである。


「距離20!!」

20km先には確かに米艦隊の姿があった。


「照準よし!」


「仰角よし!」


「砲撃用意!」


「射っ!!」


6隻の戦艦から一斉に砲撃が開始される。

特に大和と武蔵は46cm砲が搭載されており攻撃力は非常に高い、無論中ればの話だ。アメリカ軍ですら初弾を中てられなかったのに増してや技術で劣る日本、当然1発もあたらなかった。


「砲弾の再装填を急げ!!」


「敵!!撃ちました!!」


「面舵一杯!!最大戦速!!!」


再び日本艦隊の周囲に水柱が立つ。

米艦隊の砲撃による混乱が収まると日本海軍も砲撃を再開、なんと偶然にも大和の放った46cm砲弾がワシントンに直撃、アメリカの首都の名前がついているこの艦に日本軍の戦艦の砲弾が命中した事は合衆国にとってとんでもない屈辱であろう。


「被害状況を確認せよ!!」


「現在急ぎ確認中であります!!!」


しかしアメリカ軍はなおも砲撃を続ける、その結果…日本海軍は痛い目を見た。

なんと榛名に砲弾が命中、中ったのはサウスダコタの放った砲弾であった。装甲が薄い金剛型戦艦である榛名の装甲はサウスダコタの砲撃に耐えられなかった。


さらに榛名に向って集中砲撃が行われているようであった…戦艦『榛名』はこの大戦で日本海軍が始めて失った戦艦である。退艦した兵士達はなにやら叫んでいた。


「艦長ー!!!」


「いや、私はいい。皆、元気でな」


「艦長!!」


「艦長ー!!!」


艦長は艦と運命を共にする、しかし榛名に集中射撃を行ってくれた事は日本海軍にとってむしろ好都合であった。その間に日本海軍はアメリカの艦隊に対して凄まじい砲撃を加え、アメリカは戦艦2隻が大破し重巡1隻が沈没、日本側の戦艦1隻沈没、重巡1隻大破よりも遥かに損害が大きかった。



日本海軍は損害が大きくならないうちに撤退、しかし戦術的にはこの『ロサンゼルス沖海戦』は日本海軍の勝利に終わった、一方後方の機動部隊はというと……


「後方より日本軍機3!!」


「撃ち落せ!!」


「そんな事はわかって…うっぅ!!」


哨戒飛行中だったドーントレスが零戦に撃墜される、その後P-38ライトニングが12機駆け日本側も6機の零戦を送りつけ両軍との間で空中戦が行われる。空中戦の結果、零戦に低高度に持ち込まれてしまうという失態を犯したP-38は惨敗を喫し、結局零戦を2機しか撃墜できず己は6機が撃墜された。


さらに…アメリカにとっての悪夢はこれだけではない。

「急げ!!急いで撃ち落せ!!」


「もう遅い!!」



この時既に、二式大艇10機はサンディエゴに爆弾を投下していた。

しかし二式大艇は無敵ではない、指揮官機が高射砲に撃墜され帰投中にも4機が撃墜され半数を失った、それでも半数は無事に味方の近くに着水して補給を受け、ハワイへ旗投した。


この爆撃ではアメリカに若干の損害をあたえるが戦局には影響がない程度であった。

むしろこの爆撃よりも、この後夜間に行われる戦艦5隻、巡洋艦8隻の艦砲射撃のほうが痛かった。


夜………


「昼間は散々だったな…」


「ああ、まさか日本軍が本格的に西海岸を攻撃してくるなんて……どうなっちまうだアメリカは!?」


「あ~あ……これだったら本当にあれだな。皆が言うとおり、さっさと日本と講和して強力になりつつあるナチス・ドイツをどうにかすべく共に戦ったほうがよさそうかもな」


「まったくだぜ」

ルーズベルトの支持率は毎週低下、今や国民の半分以上が今のうちに日米は講和して対独戦を全力で戦うべきと主張していた、そう主張する者の中には彼らのように軍人までもがいた。これには流石の大統領、ルーズベルトもお困りであった。


そしてその主張をさらに大きくさせる事になるのが…この夜のこの出来事であった……

「目標ロサンゼルス!!用意……」


「射っ!!!」

大和を始めとする戦艦、そしてそれ以下の巡洋艦は砲弾をロサンゼルスにぶっ放す。着弾するとロサンゼルスにピカピカっと閃光が発生しやがて火災が発生し、あたりが炎に照らされて遠くから見ていればとても綺麗であった。


「おお!!これぞロス焼きや!!」


「かぁ~、こんなん生きてるうちに見れるとは思わなかったぞ」


「もっと撃つぞ!!」


「了解!!よし装填を急ぐぞ!!」


さらに、艦砲射撃は続く、ロサンゼルスが日本艦隊に砲撃された事はルーズベルトの耳にもすぐに届く。それを耳にした瞬間、ルーズベルトは机を叩きながら立ち上がり、怒鳴り始めた。

「なにぃ!?ロサンゼルスが砲撃された!?」


「ははは…はい、海岸付近は火災がひどいとの事です……」


「貴様ら軍が開戦以来失敗ばかりしているからだ!!だから我々はイギリスへの支援が疎かになってナチが勝ち進んでいるのだぞ!!特に海軍、海軍が情けないからジャップに負けるんだ!!!」


「そ、そんな事言われましても…我々は全力を尽くして……」


「いいわけは聞きたくない!!それよりもこんな事が二度とないようにもっと警備を堅くしろ!!」


「はっ!!」


しかし、ルーズベルトの命令は数時間後には空しいものになった。日の出と同時に昨日飛行艇の爆撃をうけたサンディエゴに北村艦隊の艦載機180機以上が襲来、海軍基地を攻撃しアメリカ海軍はまたしても大損害を被る。幸いな事は艦艇のほとんどを念の為に疎開させていた事である。


しかし第2波攻撃隊の攻撃もあってサンディエゴの海軍基地はそれこそ1208の真珠湾のように見事に破壊されてしまい完全復旧には半年ほどかかるぐらいのダメージを受けた。

日本海軍は途中潜水艦に駆逐艦『朝潮』が雷撃により撃沈されたものの潜水艦を追っ払う事には成功し艦隊は無事真珠湾に帰投、戦艦1隻、駆逐艦1隻、そして二式大艇に給油を行ったタンカー1隻も雷撃により沈没して航空機も48機を失うという大損害を被るもアメリカ本土を攻撃したというわりには少ない損害で済み、作戦は成功といえた。



これ以降警備が厳しくなり簡単には近づけなくなったもののそれでも潜水艦による砲撃や小型水上機による山間部への爆弾投下は行われた。連戦連敗のアメリカ……国内世論はますます日米講和すべしへと傾いていった。




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