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第13話,ガダルカナル島攻防戦 ソロモン海戦 下

北村艦隊の到着は日本兵にとっては天の恵みであった。

ガダルカナル、フロリダ諸島に次々と援軍が到着し日本軍は反撃に転じようとした。そして北村は三川軍一中将の艦隊を向わせ海上に残る敵の排除を開始した。


「索敵機の報告によりますと現在敵の空母はなしとの事です」


「…ならば我々に勝機はある」


「長官、どのような作戦で?」

参謀の1人が三川に問いかける。


「奇襲。敵に勝つには奇襲以外はありえん」


「奇襲ですか…確かに。我々のお家芸です」

その時、見張員が叫んだ。


「右前方敵哨戒機!!!」


「対空戦闘用意!北西にいくと見せかけろ!!」


「了解!!針路戻せ!」


「もどーせー!!!」


三川艦隊は針路を元に戻す。

その後三川達は作戦室へと向った。作戦室で三川は説明を開始したのであった。

「我々はサボ島の右側から突入しガダルカナルに停泊中の敵艦船艦船に奇襲を加える。そして敵には空母が居ないとの事であるが敵機念には念を、急いで引き返すんだ」


その時、作戦室に男が慌てて入ってきた。

「長官!敵の哨戒機はあとをつけてきます!」


三川は表情を厳しくし命令した。

「敵さんはしつこいな。高角砲とかで脅かせ」


「了解!!」

各艦艇から砲撃が行われる。

哨戒機は激しい対空砲火の中、なんとかくぐりぬけ逃げていった。


「敵さん逃げたぞ!!!」


「数時間後には敵さん来るな」


「我々も索敵機を飛ばす。対空、対水上の見張りを厳とせよ」


先ほどの偵察機は米艦隊のものであった。

三川艦隊を発見した米海軍は無事に戻りこの事を報告、クラッチレー少将は頭を悩ませる。

(どうした事だ?先ほどの報告では空母と戦艦がいたはずだ………敵は何を考えている?さっぱり検討がつかない…しかし敵は今少数。数で我々に劣っている…っとすると。やるとすれば今ではないか?)


クラッチレー少将は今が攻撃時と睨んだ。

「提督、ご決断を」


「……全艦に継ぐ、突撃する!」


「突撃!?」


「今しかない!日本海軍に痛い目を味わってもらう。少しでも!」


クラッチレー少将は突撃を命じ、三川艦隊の方向へと向った。

一方の三川もアメリカ海軍を発見し重巡5、軽巡2、駆逐艦1の艦隊を向わせる。ここにソロモン海海戦の火蓋が切って落されたのである。



時刻はすでに夜中となっていた。

丁度夜になってからこの海戦は開始されたのであった。

「右10度!!巡洋艦3!右へ進んでいます!!」


「魚雷発射用意!!!」


「用意!!」


「射っ!!」

三川艦隊は魚雷を放ち、駆逐艦「ジャービス」を雷撃。これを撃沈した。

さらに三川艦隊は止まる所を知らずに攻撃を続行、自軍も損害を受けながら米艦隊に対し、凄まじい力を見せつけた。


本日のこの海戦はまさに訓練の賜物、夜になればこの時点では日本海軍は最強といっても過言ではない。

日本軍は次々と魚雷や艦砲をクラッチレー艦隊の艦船に命中させ損害を与えていった。史実以上の大活躍である。



海戦では日本海軍が大勝利した。しかし問題はここからである。

二つの意見が対立したのである。、「艦隊はほぼ無傷であり、直ちに反転して連合軍輸送船団攻撃に向かうべし」、という泊地再突入論と「上空援護がない限り、艦上機の攻撃を受ける愚を犯すべきではない」早期撤退論であった。


「長官!ここで敵の船団を放置しておけばいくら援軍が到着したとはいえガ島及びフロリダ諸島からの敵軍殲滅は難しくなります!!」


「長官!!叩くべきです!!」


「…………」

三川は決断を迫られる。

(どうする?突入するか?……大西参謀長や神先任参謀は後者を進言している。しかし………航空支援は今はない、だが今は夜、敵さんだってこんな時に飛行機を飛ばすのは苦労するはずだ………自分の判断で作戦が失敗してしまうのも嫌だ、この二択…私は前者を!!)


三川は史実と違い前者を選んだ。

従って三川艦隊は泊地へ突入、総攻撃を仕掛けた。


「撃ち方始め!!!」


「射っ!!!」


ドォン!!

米輸送艦隊は激しい攻撃に晒された。

「帰りの砲弾は気にせんでいい!とにかく敵輸船団を全滅させるんだ!!!」


その結果、アメリカ軍は甚大な被害を被り、重装備を失ってしまった。

この中には北アフリカに送られなかった新鋭、シャーマン戦車も含まれていた。アメリカ軍が被った被害はかなり甚大なものであった。


その結果、日本軍はまずフロリダ諸島を再占領、ガダルカナル島の戦いも一部米軍の撤退と降伏により8月20日に一応終結する。その後も降伏を拒んだアメリカ軍は日本軍に地道な嫌がらせを行うが気になる程度ではなかった。

そして既に滑走路も完成しており破壊もされなかった為航空隊が到着、移行ガ島は日本海軍の重要拠点として大規模な航空部隊がおかれる事になる。



続いての日本軍の目標は米軍の拠点、ニューカレドリア島、ニューヘブリデス諸島、フィジーおよびサモアである。これはシーレーン遮断による米豪分断作戦である。


9月には作戦が開始される予定であった。

しかもFS作戦ではバレバレだとしてTNO作戦という名前に改称された。Tは東京、Nは名古屋、Oは大阪である。どれも日本にとって重要な都市である。その都市と同じぐらい、下手するともっと重要である拠点を攻略するという意味からこの作戦名になった。


まずはニューヘブリデス諸島は陽動作戦でありあたかもニューヘブリデス諸島を攻略するように見せかけニューカレドリアを攻略。一応の修理を終えた赤城を加え加賀、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴、さらに飛鷹と隼鷹、祥鳳、瑞鳳を含む大艦隊が参加予定、指揮官には連合艦隊司令長官山本五十六に北村中将、6月の作戦での功績が認められ中将昇進した山口多聞中将などがいる。


連合艦隊の総力を挙げたこの作戦に備えて、今、相次いで米海軍に勝利し最強と謳われる連合艦隊はトラック島にその姿を潜めていた。


(……もう、8月も末か…あと4ヶ月で開戦から1年………元自衛官の俺は一体、こんな南の島でなにをやっているんだろうか?…………できる事なら現代に戻りたい…だがそれができない。成り行きで仕方なく帝国軍人に成りすましてはいるがそろそろ自分に限界のような物が訪れた気がする。だが……俺が現れた時点で、長官や米内さん、佐々木首相が違う動きをやってしまった時点で、ハワイを占領したりミッドウェーで勝ってポートモレスビー攻略も成功してガ島戦にも勝利して…………ここまで来てしまってはもう戻す事はできない。まだない歴史を創るのは簡単だ。しかし一度創ってしまった歴史は創りかえられない………俺はこのまま帝国軍人として戦い続けなければならないんだろうか?)


北村は今悩んでおり、同時に後悔すらしていた。

そして危惧さえしていた。このままいけば日本は勝ってしまうかもしれない。勝ってしまえば国民は勘違いしたままこの後を生きていく。勘違いがまた昭和前期の日本のようになってゆくかもしれない。勘違いはおそろしい。今だってそうであると北村は考えていた。今の左翼のようになにか勘違いをして、軍備を捨てるなど国の安全を脅かす事を言う。そうはなってほしくない。



だが日本に再びこのような大きな戦争をさせたくはない。

彼は今は軍人でありながらもそのような事を考え、既に歴史は変わってしまっているのに今だ苦悩していた。この後日本はちゃんと講和、あるいは史実のような悲惨な負け方をせずに負けるのだろうか。また自分がやった事ははたして正しかったのだろうか。そして日本が勝ち続けている事、アメリカなどの連合軍の動きが最近になって変化したり、そしてナチス・ドイツがモスクワを陥落させてしまったり、それによってソ連の首都がエカテリンブルクになってしまったり。またヒトラーが「ソ連問題の次は英国問題である」と演説で語り英国本土侵攻が本格的に行われる可能性が出たり、北アフリカでのロンメルの動きが史実以上に活発で戦果も史実以上であったり、同盟関係にある日本とドイツの交流が史実よりも活発だったりと歴史が大幅にかわってしまった事も気にしていた。



そして、大幅にかわってしまった歴史はさらに変化を続ける。

御意見、御感想等お待ちしています。

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