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お邪魔するわよ...!!!
レジにやって来て。
エロ本を差し出し、俺は狼狽した。
慌ててそれを引っ込め、
「間違えた。俺は漫画本を買おうとして
此処に来たんだ...」
と嘘を吐き、その場を後にした。
「そうですか...」
と幼馴染な店員は商品スキャンをしようとして手を止めた。軽蔑の眼差しで俺を見てた感があった。
俺は。
買いたかった本は買えなかった。
代わりに読みたくもない、漫画雑誌を
買って帰ることとなった。
さて。
この日の夕方のことだ。
俺の家のすぐ隣の家に住んでいるアイリが
家に訪ねて来た。
ちょうど両親ふたりとも仕事の出張で不在で
家には俺ひとりだけだった。
「何しに来たんだ?」
そう尋ねると、
アイリはいつもみたく。
日常みたく。
学校生活及び、私生活での
アイリの態度で俺に対してこう言った。
「ご飯作りに来てやったのよ!」
そう言うアイリは。
確かに、左手に買い物袋を提げていて。
更に右手に赤いトートバッグを持っていた。
「お邪魔するわよ...!」