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ある音楽家の異世界暮らし  作者: 雨晴罔象
~前奏~ 新世界への旅立ち
8/37

〈第8音〉決着

戦闘シーンの描写、苦手……

◆ソアン=ガルヴァ◆


「さてカーター、俺たちも始めるか」

「ああ、望むところっ……だ!」


 カーターは力を込めると、剣を構えながら俺に突っ込んできた。


「おらっ、どうだ!」

「どうってことないっ……ね!」


 カーターが剣を振り下ろす。俺はカーターの剣を自分の剣で受け止めた。そして、『旋律(メロディー) ヘ短調(Fマイナー)』を心の中で唱え準備しておく。


 するとカーターが、


「『風付与(ウィンドエンチャント)』!」

「なにっ!」


 突如風が巻き起こり、俺は後方に吹っ飛んだ。


「そこだ! はー!」


 カーターが掛け声とともに剣を振り下ろすと、風の刃が俺に飛んできた。

 近距離と遠距離両方対処できる、いいスキルだな。


「なるほどね。じゃあ、俺はこうだ!」


 俺は『旋律(メロディー) ヘ短調(Fマイナー)』を発動させた。石の壁が下から一直線に走り、風の刃をかきけしながらカーターを狙う。


「―――キエラ=サージェンがリサ=パールを撃破!!……―――」


 キエラの勝利の報せが耳に届く。


『お、キエラ勝ったのか。だったら俺もちゃんと勝たねえとな』


「そんなものあたらねえよ! ほっ」


 カーターがジャンプでその壁をかわす。


「それも読んでるよ。『転調(モデュレーション) ハ短調(Cマイナー)』。はっ!」


 俺が指揮棒(タクト)を振り上げると石の壁が火の玉にかわり、上空のカーターに向かって飛んでいく。


「くっ! これは防ぎきれ……がっ」


 直撃。カーターは地面に落下して、リボンが赤色に変わった。

 勝ったな。


「―――なんと!! ソアン=ガルヴァもトムソン=カーターを撃破!! 予選第1回戦は1年1組の完全勝利となりました!!―――」


 観客席からは大きな拍手、歓声が聞こえる。


『そういえば、アルフはどこから見てるんだろ。人が多すぎて分かんねえな』


 するとそこに、


『奏一さん、お見事でした』


 突然のクリフの声。


『うおっ、ビックリした~、クリフか。とりあえず対人戦はこんな感じ?』

『はい。まだ少々ぎこちない点はありますが、『音楽家』の戦い方はそんな感じです』

『ま、取り敢えず勝ってよかったよ。次の決勝戦に備えて、頑張るか~』


 ぐっと伸びをしていると、


「やった~! 勝てた~!」


 今度はキエラが来た。涙目である。


「あ~よかった~! 本当に勝てるとは思ってなかったからさ~」

「毎日放課後にあれだけ練習したからな。勝ててよかったよ」


 キエラが涙を拭く。


「よし! 次の試合に向けて、対戦相手の試合を見に行きますか! ソアン君も来るよね?」


 切り替え早いな。


「ん? どうかした?」

「いや、なんでもない。今行くよ」


――――――――――――――――――


◆ソアン=ガルヴァ◆


「―――第1試合からすごい戦いでしたね。全校対抗戦予選1年生の部、続いての試合は、1年2組代表のナタリー=ローランさん、カタリー=ローランさんと1年3組代表のジオ=アドラム君、ステラ=エメリーさん、との戦いです。約15分後に始まるので、それまで席についてお待ちください。繰り返します……―――」


「さて、アルフはどこにいるかな?」


 観客席に来た俺達は、見に来てるであろうアルフの姿を探した。


「ソアン! キエラ! こっちだこっち!」

「お、いたいた」


 アルフの両隣の席が空いていたのでそこに座る。


「2人とも、予選決勝進出おめでとう!」

「「ありがとう!」」

「んで、ここに来たということは決勝戦の相手の偵察だな?」

「ああ。ところでこの対戦の4人のスキルは何なんだ? 訓練が忙しくてあまり知らないんだ」


 アルフに質問する。


「えーと、1年2組の方から説明すると、ナタリー=ローランとカタリー=ローランは双子で、スキルは、ナタリーの方は『飛行』と『四大属性』。カタリーの方は『俊敏』と『四大属性』だな」

「『四大属性』?」


『火属性』とか属性単体のやつは聞いたことがあるが。


「四大属性、すなわち火、水、風、土属性を得意とするスキルだな」

「かなり強そうだな」

「ああ、実際かなり強い。なんせこの国の宮廷魔導師候補だからな」

「そうなんだ。知らなかったな」


 肩書スゲー。


「え、ソアン君知らなかったの!? かなり有名なのに」

「生憎、世俗に疎くてな。んで、3組の方はどうなんだ?」


 このペアを相手にする3組、かなりのプレッシャーだろうな。


「ジオ=アドラムのスキルは『霧魔法』で、かなりの剣の使い手だ。そしてステラ=エメリーのスキルは『連射(ガトリング)』だ」

「ガトリングって、あの、武器の……?」

「違うよ。『連射(ガトリング)』は魔法を少ない魔力量で連発できるスキルなんだ。単純なスキルだけど、侮れないスキルだな」

「3組もまた厄介そうだな」


 てかこの世界、ガトリングあるんだ。


「ソアンはどっちが勝つと思う? 私は2組だと思うけど」

「俺も2組が勝つと思うが……。アルフはどうだ?」


 宮廷魔導師『候補』とは言ったが、かなりの実力があるのだろう。


「俺も2組だな。宮廷魔導師候補が2人もいるんだから3組が勝つのは難しいと思う」


「―――それでは、両クラス代表の入場です―――」


「お、そろそろ始まるみたいだな」

楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。

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