〈第32音〉次の刺客
第2楽章は間章を除いてこれで終わりです。
◆???◆
「時間になってもアランから連絡がこないな……」
トントンと机をたたく。
「あいつらにやられちゃったのかもしれないよ~?」
「あいつのあの実力だろ? その可能性は低いと思うぜ? まああたしにはかなわないがな」
「それならなんで連絡がこないのよ?」
「さぁな。大けがをして帰ってこれないとか?」
目の前の二人があーでもないこーでもないと言いあっている。
「確かにアランは強い。実力もあいつらよりは格段に上だろう。ただ、」
「ただ、なによ」
「アランはもともと魔族ではない。召喚者だからな。人間の心が多かれ少なかれ残っているだろう」
「……あ~」
「あ~ってなんだよ。あたしにはまったくわからなかったんだが」
一人は気づいたようだな。
「え~、あんたこんな簡単なことも分からないの~?」
「うるせぇうるせぇ!」
「ん~? 私が説明してあげようか~?」
「あ~頭きた! お前表出ろ!」
「お前ら、いったん落ち着け!」
怒気に少しの魔力を込めて二人をなだめる。
「う~、分かったよ~。」
「あたしもだ、ちょっと熱くなりすぎた」
「よし、まずは話し合いだ。アランの救出についてだが誰か行きたい奴はいるか?」
「私は行きたくな~い。めんどいし」
「おまっ、仮にも仲間のピンチなんだぞ!?」
「私あいつを仲間だと思ったことないし」
また喧嘩を始めそうだ。
「まあまあ。で、お前はどうだ? 行くのか?」
「ああ、行こうとは思っている」
「ならこの件はお前に任せようと思う」
「よし、任せとけ!」
今にも走り出しそうな勢いで立つ。
「しかし準備だけは怠るなよ。どんな手を使ったかはわからないが、アランが連絡をよこすことができないほどだ。相当な相手だろう」
「ああ、承知している」
そう言い残すと足早に去って行った。
「本当にあいつ騒がしいな~」
「お前も大概だからな」
「うるさいな~」
気だるそうな顔をする。
「もう私寝るから。邪魔しないでよね!」
「はいはい」
手を振って見送る。
「俺もあの件を進めなければな……」
遠くに暗雲が立ち込める。
楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。




