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ある音楽家の異世界暮らし  作者: 雨晴罔象
~第2楽章~ 目標と敵
34/37

〈第32音〉次の刺客

第2楽章は間章を除いてこれで終わりです。

◆???◆


「時間になってもアランから連絡がこないな……」


 トントンと机をたたく。


「あいつらにやられちゃったのかもしれないよ~?」

「あいつのあの実力だろ? その可能性は低いと思うぜ? まああたしにはかなわないがな」

「それならなんで連絡がこないのよ?」

「さぁな。大けがをして帰ってこれないとか?」


 目の前の二人があーでもないこーでもないと言いあっている。


「確かにアランは強い。実力もあいつらよりは格段に上だろう。ただ、」

「ただ、なによ」

「アランはもともと魔族ではない。召喚者だからな。人間の心が多かれ少なかれ残っているだろう」

「……あ~」

「あ~ってなんだよ。あたしにはまったくわからなかったんだが」


 一人は気づいたようだな。


「え~、あんたこんな簡単なことも分からないの~?」

「うるせぇうるせぇ!」

「ん~? 私が説明してあげようか~?」

「あ~頭きた! お前表出ろ!」

「お前ら、いったん落ち着け!」


 怒気に少しの魔力を込めて二人をなだめる。


「う~、分かったよ~。」

「あたしもだ、ちょっと熱くなりすぎた」

「よし、まずは話し合いだ。アランの救出についてだが誰か行きたい奴はいるか?」

「私は行きたくな~い。めんどいし」

「おまっ、仮にも仲間のピンチなんだぞ!?」

「私あいつを仲間だと思ったことないし」


 また喧嘩を始めそうだ。


「まあまあ。で、お前はどうだ? 行くのか?」

「ああ、行こうとは思っている」

「ならこの件はお前に任せようと思う」

「よし、任せとけ!」


 今にも走り出しそうな勢いで立つ。


「しかし準備だけは怠るなよ。どんな手を使ったかはわからないが、アランが連絡をよこすことができないほどだ。相当な相手だろう」

「ああ、承知している」


 そう言い残すと足早に去って行った。


「本当にあいつ騒がしいな~」

「お前も大概だからな」

「うるさいな~」


 気だるそうな顔をする。


「もう私寝るから。邪魔しないでよね!」

「はいはい」


 手を振って見送る。


「俺もあの件を進めなければな……」


 遠くに暗雲が立ち込める。

楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。

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