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ある音楽家の異世界暮らし  作者: 雨晴罔象
~第2楽章~ 目標と敵
33/37

〈第31音〉新技発表会

最近また暑く、熱くなってきましたね

◆ソアン=ガルヴァ◆


 ガキンッ!


 鈍い音が周りに響く。


「初手からフルスロットルだな」

「これくらい全力でいかないとあなたを倒すのは少々難しいでしょうからね」

「これ一応訓練だからな? あとお前、元だけど四天王じゃねぇか」


 鍔迫り合いをしながら会話をする。剣の鍔の場所知らんが。


「このまま畳みかけます! 『(サンダーボルト)』!」

「これはっ!」

「私の……」


 さっきの訓練でナタリーさんが放っていた技だな。威力が段違いで高い。見てわかる。


「それはまともに食らうとヤバいな」

「さあ、どうしますか?」

「なら、『嬰イ長調(A♯メジャー):ラッシャー=アモラルド』!」


 俺は新技、『嬰イ長調(A♯メジャー):ラッシャー=アモラルド』を披露した。ラッシャーをかたどった光の人型が召喚された。


「!? なんですかこの技は!」

「俺があの時出していなかった『本気』の一部だ」

「初めて見ましたよ。ファルコンはこの技は使ってきませんでした。見たところ召喚魔法……というより精霊魔法のようなものですかね」

「さて、こちらからも行くぞ!」


 剣を持ち直しユウヤに向かう。


「まずはこいつだ! 行けラッシャー!」


 ラッシャーが放ったのはただのパンチだった。が、なかなかの威力で、ユウヤを怯ませることができた。


「この精霊、かなり強力ですね。っと!」


 ガッ!


「! 気づいたか」


 俺の不意打ちの落下攻撃が当たる瞬間にユウヤはそれを両手剣で防いだ。


「伊達に四天王をやっていたわけではないですから、ね!」

「ぐっ」


 雷とユウヤの剣戟の同時攻撃に襲われ、防ぐことしかできなくなる。


『くそっ、このままじゃ埒が明かねぇ!』

「『転調(モデュレーション) ロ短調(Bマイナー) フォルテ』!」


 俺は『転調(モデュレーション)』で『嬰イ長調(ラッシャー)』を解除し、自身の力を上昇させた。

 そのまま、


「お……りゃ!」

「うぉっと!」


 ユウヤの剣を跳ね上げた。そこを見逃さず、


「『嬰イ短調(A♯マイナー):ラッシャー=アモラルド』!」


 ユウヤの腹に強力な一撃をくらわし、木に叩きつける。土埃が巻き上がった。


「ソアン君! やった!?」

「今その言葉言ってほしくなかったーー!」

「え、あ、ごめん!?」


 ハヅミが死亡フラグのお手本かのような言葉を発する。その結果からかどうかは断言できないが、


「なかなかやりますね、ソアンさん」


 ほらやっぱりーー!


「先ほどの一撃はなかなかでした。防御結界を張らないと防げないほどに」


 土埃が晴れたそこにはほとんど無傷のユウヤが立っていた。


「ダメだったかーーー!」


 俺は地面に仰向けで倒れ、雲一つない、快晴の空を見上げる。


「降参だ降参! 勝てる気がしねぇよ!」


 その体制から右手をひらひらと振って見せた。


「え、もっと粘れば勝てたかもしれないよ!」

「もしそれで勝った時、俺もかなり満身創痍のはずだ。それじゃあ意味がない。本気の四天王に相対した時、」

「……時?」


 少し間をおいて、


「瞬殺だ」

「ひっ!」


 ハヅミが小さな悲鳴を漏らす。


「結局三人とも、ユウヤさんに勝てませんでしたね」


 とナタリーさん。


「そんなに悲観しないでください。お世辞抜きで3人とも本当に強かったです。特にソアンさん」

「ん?」


 顔だけユウヤの方を向く。


「『嬰イ長調(A♯メジャー)-ラッシャー=アモラルド』でしたか、素晴らしい技だったと思いますよ」

「おう。しかしあの技を出している間、ほかの技が使えないんだよな」

「その間、『音楽家』以外の技も使えないの?」

「……あぁ~」


 確かにそうだ。『音楽家』以外の技は使えるかもしれない。


『お~いクリフ!』

『はい、なんでしょう』


 脳内クリフを呼び出す。


『『嬰イ長調(A♯メジャー)-ラッシャー=アモラルド』を出している間ほかの『音楽家』のスキルが使えない件について、『音楽家』以外の技も使えないの?』

『試してみないのですか?』

『訓練、全力、疲労、OK?』

『な、なるほど……』


 自分の状況を4単語であらわしてみた。


『質問への回答ですが、おそらく使用可能だと思われます。理由としては、そもそも普通の魔法とスキルは全くの別物です。なのでスキルと通常魔法が干渉しあわない場合、両者は完全に(・・・)独立しています』


 ほうほう。


『『音楽家』は通常魔法とは干渉しあわないスキルなので理論上は使用可である、ということです』

『なるほどなるほど。ありがとう!』

『はい、何かあればいつでもお呼びください』


 クリフが使用人の典型的な言葉を言って去る。


「まあ使えそうではある。ただ今は疲れているから実践はできないけど」

「本当に使えるならば、ソアンさんのデメリットが解消されますね」

「ただそれを実現するには、スキルや武器の訓練はもちろんのこと、通常魔法の練習も今まで以上に力を入れないとな……っと」


 体を起こす。


「3人とも、少し訓練をするだけで見違えるようになると思います。元、ですが四天王の私が言うのですから間違いありません!」

「よしやってやるか! 四天王を、魔王を倒せる力を手に入れるために!」

「ソアン君やる気満々だね! 私は大事な人を守れる力を手に入れるために!」

「……どこかの魔族が裏切っても対処できる力をつけるために」

「か、勘弁してください……」

楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。

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