表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある音楽家の異世界暮らし  作者: 雨晴罔象
~第2楽章~ 目標と敵
29/37

〈第27音〉怪しい人物との戦い

刺客との戦いです。

◆ソアン=ガルヴァ◆


「とりあえずお前の目的を聞きたいんだが」


 そう話を切り出した。


「目的……そうですね、全部は言えないのですが「あなたを殺さずに捕まえること」ですかね」

「殺さずに捕まえるのが目的なのにあの殺気を出してたのか」

「それはその殺気であなたが怯んだら事がすぐに終わるので出しただけです。本当に殺そうとは思っていません」

「まあ、どっちみちやられる気はないんだがな。『旋律(メロディー) ハ長調《Cメジャー》』!」


 炎の球を纏い相手に接近する。


「お~、これが……」


 なにかブツブツ言ってるが構わず斬りかかる。


「ガキィン!」


 俺の(タクト)での攻撃は受け止められたが、


「そこだ!」


 男のがら空きの横腹に炎の球をぶつける。直撃だからまあまあなダメージを与えられるかと思った。

 しかし、


「なに!?」


 すこし焦げ付いた程度だった。


「所詮この程度ですか。まあ痕だけでも付けられただけすごいと思いますよ。そこらの冒険者ではこの私に跡どころかダメージさえ入れられませんからね」

「くそっ、こうなったら」


 俺は『旋律(メロディー) ロ長調(Bメジャー) アッサイ』を発動した。

 そして回れ右をして……、


「逃げる!」


 脱兎のごとく駆け出した。


「は? え? そ、そこは力を振り絞って立ち向かうところでしょうよ!」


 男も走って追いかけてくる。


「無駄な被害を受ける前にすぐ逃げたほうがいいだろうが!」

「いや、まあそれもそうですが……、って速いですって! ちょっと待ってくださいよ!」

「だーーーーれが馬鹿正直に待つかよ!」


 もう全力よ全力。路地を抜けたところで、


「誰かーー! 助けてくださーーい! 不審者に追いかけられていまーーす!」


 と、街中で大声で叫んだ。


「あ、ちょっと、やめてください! 助けを呼ぶなんて卑怯ですよ! 痛い! そこの子供、石を投げないでください!」

「急に襲ってきたやつが何を言ってんだよ!」

「……何も言い返せません」


 走ること数十秒、海が見えた。


「あれ、ソアン君じゃん! 用事は終わった? 後ろの人は誰?」

「用事は終わった! 後ろのやつは知らん! 急に襲ってきたんだ!」

「じゃあ悪い人?」

「ああそうだ!」

「OK! なら『大爆発(ぺトン・セリン)』!」

「なんだこr……グハッ!」


 後ろで巻き込まれがいないか不安になるほどの爆発音が鳴り、俺を追っていたやつは地面に転がった。ハヅミ容赦ねぇな。怒らせんとこ。


「あとは私が」


 ナタリーさんが『飛行』で男を浮かし、『魔法無効(アンチマジック)』という魔法で魔法を無効にする。


「くっ、仲間がいるのは知っていましたが、まさかこんなに強力だとは……」


 俺だけじゃなくハヅミたちのことも知っていたのか。


「誰に指図されてこんなことをやったんだ?」

「それは……」

「ソアン君、いったんどこか人のいないところに行こう。人が集まってきちゃった」

「む?」


 あたりを見渡すと「なんだなんだ」と人が続々集まってきていた。


「ご迷惑をおかけしてすみません! 不審者は何とか捕まえることができました! では私たちはこれで!」

「「申し訳ありませんでした!」」

「不審者って言わないでください!」


 俺たちはスタコラとその場を離れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「で、誰に言われて俺を襲って来たんだ?」


 先程聞きたかったことを聞いた。


「その前に、この魔法を解いてはくれませんか?」

「解いてはくれないな。少なくとも質問に答えるまでは」

「ぐっ、まあ答えても差し支えはありません。我が主、魔王ジャノイの命令です」

「「魔王ジャノイ!?」」


 魔王か。異世界ぽいな。


「魔王ジャノイって、あの!?」

「はい、『あの』魔王ジャノイですよ」

「ひ、ひぇーー」

「ソアンさん、スゴイのを敵に回しましたね……」

「といったように驚かれるのが普通なのですが、ソアン=ガルヴァ、あなたは全く驚いていませんね」


 驚きより関心が勝ったからな。


「まあな、ところでお前の名前は?」

「まだあるのですか。私の名前は、さk」


 ?


「いえ、アランと言います」

「アランって言ったら四天王の1人じゃん!」

「あばばばば」


 ナタリーさんが言葉を失っている。

 というかこいつ、さっき何か言いかけてたが。


『アラン! ソアンさん、思い出しました』


 突然頭の中で声がする。


『どうしたクリフ?』

『アランとファルコン=フロントは以前戦ったことがあります』


 ほう先代と。


『ファルコン=フロントの5戦5勝でしたが』

「ふっ」

「どうしました?」

「いや? なんでも?」


 おっと笑いが漏れてしまった。


『てことは先代を倒したのはこいつじゃないんだな』

『そうです』


 そうかそうか。


「よしわかった。ナタリーさん、拘束解いていいよ」

「え、でもしかし」

「いいからいいから。また襲ってきたときは俺が何とかする。まだ本気出してなかったし」


 本当である。


「……わかりました、では」


 ナタリーさんが『魔法無効(アンチマジック)』を解きアランを地面に下ろした。


「よろしかったのですか?」

「なにがだ?」

「私に攻撃の機会を与えてよかったのですか?」


 そう言うとアランは両手剣を手に持ち構える。ハヅミとナタリーさんも武器を持ち臨戦態勢に入る。


「2人とも武器を下ろしていいよ。こいつに攻撃する気はないんだから」

「「え?」」

楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。


(ソ):ソアン

(ハ):ハヅミ

(ア):アラン


(ハ)ものすごい速さで走ってくるからびっくりしちゃったよ。

(ソ)不審者が追いかけてきたら誰でもああなる。

(ア)あの、不審者っていうのそろそろやめてくれません?

(ソ)いや急に話しかけてきて急に斬りかかってくるのは不審者だろ。

(ア)いやそうなんですけどね!? なんというかこう、私のイメージがですね!?

(ハ)そうだね。不審者って呼ぶのはよくないよね。

(ア)ハヅミさん……、あなたは私の味方です……。

(ソ)確かにそうだな。なら今度から「知らないおじさん」と呼ぼう。

(ア)さらにイメージ悪くなりませんか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ