〈第26音〉天気の不安定なコスタマル
次の街です。
◆ソアン=ガルヴァ◆
ナンヨウを出発して数日後。
「着きました。ここがコスタマルです」
御者に到着を告げられ、俺たちは外に出る。するとそこには
「うわー! 海だ!」
「これはすごい」
「初めて見ました」
馬車を下りてすぐのところに白い砂浜と広大な海が広がっていた。あたりには潮の香りが充満している。
てかこの世界の海きれいすぎないか? 海の底が透けて見えるぞ。
「よし、早速泳ぎに行こうよ!」
「あ~俺はちょっとやることがあるから、2人で先に行っててくれ」
「そう、わかった。じゃあナタリーちゃん行こ!」
「わかりました。ではお先に」
「気を付けてな~」
2人を海へと見送った後、俺は1人コスタマルの冒険者協会へと足を運んだ。なぜここに来たかというと、
「う~ん、カタリーはここにはいないか……」
『そのようですね』
ナタリーさんの妹、カタリ―の消息についての情報を聞くためである。ナタリーさんからはカタリーはすでに冒険者として登録を済ましていると聞いたから冒険者協会で話を聞けばわかると思ったのだが、冒険者として登録されているというすでに知っている情報しか聞けなかった。
「人生なかなかうまくはいかんな……」
『亡くなったという情報を聞かなかっただけ、良しとしましょう』
「それもそうだな」
クリフと話をしながら冒険者協会の出入口に近づく。
「――っ!」
一瞬殺気を感じたような気がし、勢いよく振り向く。が、振り向いても何ら変哲ない人々しか目に入らなかった。特段騒いでいる様子もない。
『どうしました?』
「……気のせいか」
少し思うところはあったが、俺はそのまま冒険者協会から外に出た。
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◆???◆
ターゲットが外に出ていくのを確認する。それと同時に自分にかけていた不可視魔法を解く。
『危ない危ない、姿を見られてしまうところでした』
一瞬出してしまった殺気、それに気づかれてしまったようですね。
『いまはまだ好機ではありません。始末する場所は人がすくないところ、ですね』
冒険者協会にいる有象無象くらいなら敵にもなりませんが、この世には万が一ということがあります。
『そのような事態になればいくらこの私でも無事では済まないでしょう』
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◆ソアン=ガルヴァ◆
次は必要物品の購入だな。
「以前買ったやつがかなりぼろくなってきたからな。あと食料があまりないんだよな」
などとつぶやきながらコスタマルの市場を見て回る。
「しっかしまあかなり大きい市場だな。王都までとはいかないが、かなり品物が豊富だ」
『そうですね。おっとこれは』
「どうした? 何か見つけたか?」
クリフの見ている先を見る。
『これはアクセサリーですね。効果は、移動速度アップでしょうか』
「あ~そんなんあったな」
移動速度アップといったものは大体スキルで事足りるから、俺はアクセサリーはつけていない。ハヅミやナタリーさんはちょくちょくつけているのを見たことがある。
「ハヅミたちのアクセサリーが壊れた時のために、何個か買っていこうか」
『そうですね』
アクセサリーを2、3個持って会計を済ませた。初めて買ったのだがまあまあな値段するんだな。
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「さて買うものも買ったし、海の方に向かうか。えっと道は確かこっちだったよな」
『そうですね』
路地を通り海を目指す。すると、
「――っ! まただ!」
また殺気を感じた。振り向くとそこには、
「こんにちは」
背の高い、優しそうな男が立っていた。
「誰だお前は!」
剣を抜き戦闘に備える。
「誰だと聞く前に、自分が名乗るのが礼儀では? まあ私はあなたの名前くらいなら知っているのですがね、ソアン=ガルヴァさん」
動揺する。俺は間違いなくこいつにはあったことはない。この一度も感じたことのない殺気が証拠だ。
「しかし、私の名前は知る必要はありません。なぜならあなたはここで死ぬのですから――ねっ!」
男が両手剣を片手に素早く接近してくる。その一撃を俺は避けた。が、
「ゴゥワ!」
「がっ!」
風圧がすごすぎて吹っ飛んでしまった。吹っ飛ぶと同時に、俺はこいつに勝てるのかと内心恐怖を感じた。汗が頬を伝わる。
「なかなかやりますね。この一撃を避けるとは」
「伊達に戦いを潜り抜けてないからな」
さてさて、どういきましょうかね。
楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。




