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ある音楽家の異世界暮らし  作者: 雨晴罔象
~第2楽章~ 目標と敵
25/37

〈第23音〉ソアン=ガルヴァ冒険隊

ハヅミの新しい技のお披露目です。

◆ソアン=ガルヴァ◆


「ここか、『ナンヨウ渓谷』は」

「深いね~」


 『ね~ ね~ ね~』とハヅミの声が地球の口のような切れ目に反響する。

 ……ここ、地球じゃないと思うけど。


「本当に深いですね。想像以上です」


 暗闇を覗き込みながらナタリーさんがそうつぶやく。

 昨晩ナタリーさんに、『明日『ナンヨウ渓谷』に行こうと思ってるんだけど、行けそう?』と相談すると、


『もしかしたら妹もそこにいるかもしれません。行きましょう』


 と答えてくれた。


「あっちに道があるよ。行ってみよう!」

「うん。でもその前にこれを」


 俺は2人にある道具を手渡した。


「これは……、何ですか?」

「これは『危険時連絡ブザー』。そこのボタンを押したらすぐに救助隊がやってくるそうだ」

「へ~」

「受付に許可証を渡したときに貰ったんだ」

「これなら危険な目にあっても大丈夫ですね」

「まあ、会わないのが一番だけどな。さあ行こうか」


 俺たちは整備された道(と言っても手すり代わりのロープが張られているだけだが)をあるいて渓谷を下りて行った。

 道中はモンスターも出てきたが、難なく渓谷の底に到達した。


「よし、ここが底だな。みんなケガはないな?」

「うん、大丈夫!」

「問題ありません」

「それならよかった、じゃあ周りを探索してみよう。俺は向こうを見てくる」


 俺たちは分かれて渓谷の底の探索を始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


◆ハヅミ=バーマレー◆


「私はあっちを見てみようかな」


 ソアン君が行った方向とは別の方向に向かう。


「ナタリーはどうする?」

「え~そうですね……。ハヅミさんに付いて行ってもいいですか?」

「もちろん!」


 私たちは昨日の夜に友達になった。私が危惧していたこともなかったし。


「ところで、本当にをの幽霊はいるのでしょうか。冒険者協会のおばあさんが彼に会ったのも何十年も前のことでしょうし」

「確かに、もう消滅してしまっている可能性もあるね」

「あといたとしても本当にいい幽霊なのか……。もしかしたら、私たち呪われてしまったり……?」


 ナタリーがおどろおどろしい口調で恐ろしいことを話す。


「ちょっと、私をわざと怖がらそうとしてない?」

「いえ、そんなことはないですよ?」


 ほんとかなぁ。


「そんなことより、モンスターが出ましたよ」

「なんか話を逸らされた気がする……。まぁいっか」


 いつも通りモンスターを倒そうとすると、


「!? ハヅミさん! 気を付けて!」

「え、どうしたの? って、うわっ!」


 出てきたモンスターのうちの一体、スライムが尋常じゃないほどの速度で突進攻撃をしてきた。私は攻撃を防ぐので精いっぱいで、その衝撃で後ろの岩壁に激突してしまった。


「あいたたた。このスライム、通常のヤツより強いみたいだね」

「ええ。明らかに先ほどまで出てきていたモンスターよりも強いです」


 ナタリーの手を借りながら立ち上がる。


「手分けをしましょう。ハヅミさんはあちらのスライム3体をお願いできますか? 私はこちらのオーク2体を相手します」

「わかった。今度は油断しないようにしないと」

「では、お願いします」


 そういって二手に分かれた。


「さて、さっきのお返しだよ。『弱爆発(アンフォー・アモ)』!」


 私に突進してきたスライムが爆発に巻き込まれ、岩壁に吹っ飛ぶ。

 

「よし当たった。おわっと!?」


 爆発を食らわなかったスライム2体の攻撃が直撃しそうになり慌てて距離をとる。


「危なかった~。よし、この距離なら!」


 ナタリーはあそこか。それならこの攻撃が当たることもないだろう。


「『中爆発(ト二トン・ニロ)』!」


 先ほどよりも大きな爆発が2体のスライムを襲う。が、1体は直撃を免れたようだ。


「さすが、すばしっこいな~。でもこれで終わりだよ。『弱爆発(アンフォー・アモ)』!」


 私に攻撃しようと突っ込んできた最後の1体を爆発で吹き飛ばす。


「ここのスライムは本当に素早いな~。地上だと爆発攻撃を外すことはなかったのに」


 私は今回の戦いを反省しながらナタリーの方へと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よかった、大丈夫そうだね」


 ナタリーは倒したオークの素材を回収しているようだ。


「ハヅミさん、お疲れ様です」

「ナタリーも、お疲れ」


 お互いを労い、素材集めを手伝う。


「ここのモンスターはすこし手強いですね。ソアンさんは大丈夫でしょうか」

「きっと、大丈夫だよ。あんなに強いんだから」


 ソアン君は謙遜はしてるものの、本当に強いと思う。少なくとも私は、魔族とあそこまでやりあえる人をソアン君以外に見たことが無い。


「それもそうですね」

「うん、そうだよ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


◆ソアン=ガルヴァ◆


「はーくしゅ! 誰かが俺のことを噂してんのか?」


 暗い渓谷の底を進みながらそう思う。


「さっきから戦闘音も聞こえるし、2人は大丈夫だろうか」


 2人の安全に思いを馳せていると、


「ちょっと、そこの人、」

「? 誰の声だ?」


 突然聞き覚えのない声が。

楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。

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