表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある音楽家の異世界暮らし  作者: 雨晴罔象
~第1楽章~ 仲間
17/37

〈第16音〉再会、そして、参加

8話ぶり。

◆ソアン=ガルヴァ◆


「クリフ~。クリフいるか~?」

「クリフちゃーん?」


 かれこれ3時間、王都でクリフを探しているが、一向に見つかる気配がない。


「おっかしいな~、いると思ったんだけど」

「王都に来る途中ですれ違っちゃったかな?」

「どうだろう……、あまり考えたくないけど」


 クリフが王都を離れていないとするならば……、


「クリフは魔族に連れ去られてしまっt」

「お久しぶりです。がくn、ソアンさん」


 すぐ後ろからよく聞きなれた声が聞こえた。


「お~クリフ! やっと会えたよ!」

「すいません、心配をおかけしてしまって」

「いいよいいよ! それより、無事でよかった!」


 俺たちが感動の再会を喜んでいると、


「えーっと、ソアン君? 私にはクリフちゃんの姿が見えないんだけど、」

「あ、そっか。クリフの姿は普通は見えないんだったな。クリフ、姿を見せることはできるか?」

「はい、構いませんよ」


 そう言うと、クリフのあたりの空間が少し波打つような感じがしたあと、ハヅミの息をのむ音がした。


「すごい……。妖精だ……」


 ハヅミさん、口が空いたままになってますよ。


「初めて見たけど、本物ってわかる。この羽の透け感とか、体の大きさとか! かわいい!」

「そんなに珍しいものですかね」


 クリフがいつになくどぎまぎしている。


「羽とか触ってみてもいい?」

「ま、まあ、いいですよ。減るものではありませんし」

「やったー!」


 ハヅミ、好きなものにはぐいぐいいくな~。


「ところでクリフ、俺が飛ばされた後、王都はどんな感じだったんだ?」


 ハヅミに触られまくって少々(?)戸惑っているクリフに聞く。


「それがですね……」


 クリフから、その襲ってきた魔族が王都を荒らしたりモンスターを蔓延らせたり、さらには王城を制圧しようとしているという話を聞いた。


「幸い王城はまだ陥落はしてはいませんが、かなり危機的な状況でしょう」

「そうか……。いまは誰が応戦しているんだ?」

「主に、王直属の兵を含む、軍の兵士たちですね。あとは数10人の冒険者たちです」

「俺が行っても問題はないかな」

「ないと思います。向こうは1人でも人手が欲しい様子でしたから」


 そんな俺の言葉にハヅミがその手を止め、反応する。


「ソアン君、もしかして、行くの?」

「もしかしなくても、行くよ」


 返答があると同時に、ハヅミの顔に恐怖の色があらわれる。が、すぐにその色はやる気の色で薄れた。


「わかった。私も戦うよ」

「それはありがたいが、命を失ってしまうような戦いだ。無理をしなくてもいいんだぞ?」

「いや、やるよ。奴隷としてだけど、親に見放された私を育ててくれたところだからね」

「……そこまで言うなら俺は止めない。けど、少しでも危ないと感じたら逃げること。それだけは約束してくれ。俺もそうする。お互いに不安にならないためだ」

「約束する」

「よし、じゃあ向かうか。クリフ、案内してくれ」

「わかりました。こちらです」


 俺たちはクリフが飛んでいく方向に駆けて行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 走り出して5分、王城についた。今は魔族はいない様子。だが城壁はボロボロだ。


「すみませ~ん。王都防衛の募集のポスターを見て来ました~」


 王城に向かう途中でみたポスターを見て来たという体で呼びかける。


「すみませ~ん」


 シーン


「返事がないね」

「そうだな。無礼だが非常事態だ。勝手に中に入らせてもらうか」

「う~、ちょっと気が引けるけど」


 城の中に入って進んでいると、兵士らしき人が廊下を歩いているのを見つけた。


「すみません。ポスターを見て来たのですが」


 その兵士に声をかけたとたん向けられたのは、


「貴様、何者だ!」


 鋭い眼光と槍の切っ先だった。


「なぜ勝手に城の中に入ってきた!」

「それは……」


 俺は勝手に城内に入ったことを詫びたあと、城の前で呼びかけても誰も出てこなかったことをしっかりと説明した。


「む……、そうだったのか。すまない無礼を詫びる」

「いえいえ、お気になさらず。勝手に入ったのはこちらですから」

「して、王都防衛のポスターを見て来たとな?」

「ええ。何か手伝えることはないかと思いまして」

「そうだな……」


 兵士が何か考える素振りを見せる。


「君らは、子供に見えるが、それなりの戦闘経験はあるか?」

「日頃からモンスターを狩っている程度には」


 と俺が答えるとハヅミが、「ドラゴンはモンスターの範疇には収まらないよね?」といった目で俺を見てくるが、無視する。


「それなら前線でモンスターを倒すのをお願いしたい」

「わかりました」

「君はどうだい?」


 その兵士がハヅミに問いかける。


「彼と同じでお願いします。私も戦闘経験はありますので」

「了解した。それで2人とも、わかってはいると思うが、これはそこらのクエストとは異なり本当に危険である。だからこそ、危ないと感じたら逃げてもいい。躊躇してはダメだ。わかったな?」

「「はい!」」


 返事がそろう。


「よし。では城内の案内をする。ついてきてくれ」


 兵士に連れられるがまま、城の奥に進む。

楽しんで頂けたでしょうか。良ければ誤字脱字、アドバイス等、教えてもらえると嬉しいです。


(ソ):ソアン

(ハ):ハヅミ

(ク):クリフ


(ソ)いや~。クリフが無事でよかったよ。

(ク)ハヅミさん、ソアンさんが何か迷惑をかけたりしなかったですか?

(ソ)オカンかよ……。

(ハ)オカン?

(ソ)いや、何でもないよ。続けて

(ハ)ん~迷惑はかけてないけど、ときどきいじってくるのはあったなぁ。

(ク)そうですか。もしかしてこんな顔でですか?

 クリフがソアンの顔真似をする。ハヅミ、爆笑。

(ハ)そう! そんな顔! あっはっは!

(ソ)え~。俺、そんな顔してたんだ……。今度から気をつけよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ