1,白黒
どうも私です。
なんだか迷走しています。
まー……いろいろあるからね、疲れています。
この作品はけっこう前に投稿しようと思っていたのですが、いろいと忙しく忘れ去られていましたね……
まあ、ともかく本編をどうぞ
[咲希さん、なにか強い刺激や、大きな感動で色が見えるようになるかもしれません。]
[……はい]
私は生まれつき、色が見えなかった。
全てが白黒の世界。
いろんな先生が言う、刺激や感動で色が見えるようになる。
でも、こんな病院や身近な所で刺激や感動を求めても、見つかるわけが無い。
感動って、映画でも見れば感動するのかな。
いっそのこと余命宣告だとか難病だとか、そういったことを言われれば、色が見えるようになるのかな、なんて考えてしまう。
刺激
調べてみたら、
生物等の感覚器官に作用してその状態を変化あるいは興奮させ、何らかの反応を起こさせること。また起こさせるもの
だってさ。
興奮するものなんて、あるのかな。
でも実際に親しい人や、ずっと大事にしてたペットが亡くなって見える人もいたらしいけど、産まれた時と同じぐらいの時から一緒にいるペットの犬はもう…………二年くらい前に死んじゃったの。
思いっきり泣いた
とっても悲しかった
でも、色が見えることはなかった。
私にとって、あの子は大事じゃなかったのかな?
もっと大事なものなら、見えるようになるのかな?
両親?親友?いったいなにを亡くして、無くせば私は色を見ることができるの?
緑?
赤?
青?
黄色?
私にはわからない。
見たこともない。
ずっとわかることも、見ることもできないのかもしれない。
色が見えるのがとっても羨ましい、ずっとそう思ってきた。
[どうやったら色が見えるようになるのかなぁ……]
そうやって呟きながら、いつも考える。
病院の屋上、夏の暑い日差しに照らされた町を見渡せる屋上で、延々とため息と独り言を呟きながら、でも、ずっとそんなことしてると
[君……色が見えないの?]
[え?!]
正直かなりビックリして振り返った。
背が高く眼鏡をかけていて、細身な人だった
顔は………イケメンとも不細工だとも言えない普通の顔だ。
毎日ずっとここでこうやって、独り言を呟きながらいたのに、今までにその人に声をかけられるまで、いつもそこに人がいることに気づくこともなかった。
[―――はいそうなんです。]
一瞬固まってからその問に答える。
[そうなんだ、急に話しかけてごめんね。]
彼はいつも、屋上のベンチに座ってずっと考え事や音楽を聞いているらしい。
なにを考えてるのか気になったけど
なんとなく
なんとなくなんだけど、聞いてはいけないようなそんな気がした。
だから、聞かなかった
いや、聞けなかった。
そこから毎日少しづつだけど、話すようになった。
[どこに行ってみたい?]だとか
[この人のこの曲が好きなんだ]
恋バナってやつだったりとか、くだらないような話をしてた。
けど、とっても楽しかった。
一人でいることが多いから人と話すのは家族とか数少ない友人とくらいだったからなのか、男性と話すと
ちょっと―――いや、かなり緊張する。
でも話が合って、同じ曲を好きだったりだとか、以外と似たような人生歩いてきたような気がする。
なんでだろう。
でも時々、彼が居ないときがあった。
何回か居なくなった翌日に気になって
[時々居ないときって、なにしてるの?]
って聞いてみた
けど……
[―――ちょっとね]
といって詳しくもなにも、全然教えてくれずにはぐらかされた。
けど最近、彼がいつもの屋上に居ない時が、多くなった気がする。
でも、彼を見ると異常なく、平然といるようで
安心したような……
安心しないような……
……なんだか、変な感じがした。
彼と会ってから一ヶ月位かな、彼にこんなことを言われた。
[そういえばさ、お互いに名前聞いてなかったよね]
って、言われた。
そういえば自己紹介もなにも、お互いのいろんな事話していたりしていたけど、そんな初歩的な事すらお互い知らなかったんだなって思った。
だから
[たしかに……自己紹介もしてなかったからいま……する?]
[一応…しておこうか]
なんだか互いに今さら名乗るのも恥ずかしそうに
[私ら……飯島咲希]
[自分は……大石悠]
どっちも少し恥ずかしそうに、言葉詰まらせてさ。
そこから2、3日だったかな。
[咲希って……好き人とか……いるの?]
なんて、また恥ずかしそうに聞いてさ、なんでまたそんなことを聞くのかなって思ったけど、
[……居ないけど]
なんで言葉を詰まらせずに言えないんだろう。
眼を会わせられなくて、少し眼をそらす
[……そっか]
と、なんだか失望してたんだか期待していたのか、口をモゴモゴさせて何かを言った気がした。
でも、聞き取れなかった。
その届かなかった言葉が気になった。
[何て言ったの,,,?]
そう聞き直したけど
[な、なんでもない]
顔真っ赤にしてたのかな、隠したそうにそっぽ向いちゃって、凄い照れ屋さんで可愛らしいなと思った。
[,,,今日はもういかなくちゃ]
右手にはめたシチズンの腕時計を一瞬見て、何かを忘れてたのか……それともわざと忘れたのかよくわからないけど
[じゃ、また明日]
なんて言いながら、小走りでどこかに行ってしまった。
一人になってから考えた
あんなこと言うのなら
私の事好きだったのかなって
自分でも何考えてるんだろって思ったけど、あんなふうに言われたら、同じことを考える人もきっといるよね……
考えれば考えるほど恥ずかしかったけど、顔を赤くして恥ずかしがってるのかとか、顔色もわからなくて……
感情って私からすると、後から考えれば考えるほど、だんだんわからなくなっちゃう。
顔を赤くすると、恥ずかしがってるらしい
けど、顔を赤くしてるのかわからないから、声色とか動きとか、そういったことでしか感情が読み取れない。
いや、元々人の感情なんて本人以外が分かることじゃないけど……
でも…声色と動きの癖って言うのかな、なんとなく感情って動きに表れてくると思うんだ。
でも私にはそれもこれも、よくわからないから、明日彼に会ったら聞きたいことを、面と向かって、聞いてみることにした。
[ねぇ、昨日私にさ、好きな人がいるか聞いたじゃん?]
[うん、聞いたね]
[悠にはさ……好きな人っているの?]
単刀直入に聞いてみた。
そしたら考えるかのように、またそっぽ向いちゃった
眼をそらしたまま小声で
[…いないと言えば嘘になる]
[……そうなんだ]
誰が好きかなんて……ちょっと怖くて聞けなかった。
私が好きなように見せかけて、実は別の人が好きだったなんて……ドラマとかの映画の見すぎだよね。
やっぱり、変に考えすぎるのもダメだなね
……けど……私も彼が好きなような気がするから…そう思うのかな
次はさ
[もしもさ、目の前の人にいきなり……好きだとか愛してるって言われたらどうする?]
って言われたの。
私だったらまずびっくりするだろうし……その質問も突然で結構びっくりした。
でもやっぱり考えるよね、私はそんなに恋愛が……というか彼氏居たことも無いし好きだと思う人も居ないけど……
[ちょっとびっくりすると思うけど……それが付き合ってほしいって告白なら,,,基本はダメとは言わないかな……]
[そっか,,,]
そして、眼を背けて声を小さくして言った。
[,,,今度さ、近くの海に一緒に行かない?]
近くの海
名前はわかんないけど、夕日がとても綺麗だと有名な所だった気がする。
私はよく考えたら、海に行くことってほとんどなかったな。
生まれつきのこの目もそうだけど、病弱だからあんまり外出もしないし、入院することも多いから出かけるときは基本両親か、時たま友人と近所にしかでかけないし、海に行ってみたいと思った。
[ほとんど行ったことないし、海に行ってみたい。]
[それじゃあ、いつ行こうか。]
少し笑顔になっていた。
嬉しいのかな。
[基本いつでも大丈夫だよ、外出許可さえもらえばいつでも行けるよ。]
そう言ったらちょっと考えてまたあの時計を少し見た。
[来週の月曜日はどうかな?]
その日じゃダメな理由も無いし、楽しそうだしOKした。
その翌日に、彼が聞いてきた
[咲希ってなんで入院してるの?]
それは私も、彼に聞きたかった質問だった。
[私は喘息を拗らせちゃって入院してるの、あとは、目の検査とかもするし]
自分の病気のことを思い出すと、少し悲しく感じる。
[悠はなんで入院してるの?]
って聞こうと思ったんだけど、悲しさを感じている間に
[その目って、治ることあるの?]
そう聞かれて、強い刺激とか強い感動で色が見えるようになるかもしれないって、本当か嘘かわかんないようなこのことを彼に伝えた。
[,,,そうなんだ]
ゆっくりそう言ってなにかをまた考えてた。
しばらくの静寂の時間が続いた後に普通にいろいろ話していた。
そして約束していた月曜になって、外出の許可ももらうことができたから、ちょっとお洒落していつもの屋上で待ってたの。
彼も普段着てないような、やっぱり洒落たような格好して、また眼をそらしながら来て
[行こうか]
そう言って、歩き始めた。
どうでしたか?
私自身が女性視点を書くのは苦手な気がします……
まあ……友人には背中押されているので頑張って行きます。
人によっては投稿作品増やしてどうすんだって思われそうですが……
まあ……私もいろいろトラブルとか精神的に疲れていますのです……
ですので、応援とご声援をよろしくお願いします……