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とりとめもなく  作者: nayuta
6/46

脇道2  :電気と電気自動車とカセット電池

そういえば、と思い出しまして。

こんな事書きました。

何となく、メーカーも判っているくせに、

最初はわざと不便な方法で始めている気がしますね。

脇道2  :電気と電気自動車とカセット電池




電気というものは、良く実用化出来たものだといつも感心します。

おかげで人類の文化はここまで発展しました。

電気なしではこうはいかなかっただろうと思うと、エジソンとその出資者に感謝しきりです。



電気というものは初期投資というか、インフラにかかる経費がもの凄いものです。

まず発電設備がお金がかかる。

水力発電所の場合はダムが必要ですから、まともなものを建設しようとすると何億円という費用になるでしょう。

殆ど道のない山奥がダムの適地だったりしますので、まず工事用の道路建設から始めなければならないかもしれません。

火力発電所の場合はそこまでではないかもしれないですけど、常にボイラーの燃料費がかかりこれがとんでもない。

電気の初期の頃は、主な用途が電灯、灯りだけだったようで、それも火事にならないというぐらいしかメリットがなかったみたいです。

当時、先進国では家庭用ガス灯が、今の電灯と変わらない程度の使いやすさで普及していました。

ベルヌの80日間世界一周では登場人物のひとりが、ガス灯を消し忘れて世界一周に出て80日分のガス代を請求される、というエピソードがあります。

「ガス灯に浮かぶ横顔」はシャーロック・ホームズの解説書のサブタイトルで、既にロンドンの街中には公共の灯りとしてガス灯があった事が判ります。

そんな中、発電設備や変電所や送電線などの多大なインフラを掛けて、良く電気が普及したものだと感心します。



この頃には既に電動モーターは実用化されていたのでしょうか?

やがて電灯以外の電気使用器具、電動モーターが開発され、外燃機関、内燃機関に次ぐ動力源になりました。

この電動モーター。

その利便性からかなりの人を魅了したようです。

いろんな使い方をしようとした人がいっぱいいます。

有名なところではレキシントン級空母と、エレファントだったかな戦車ですね。

レキシントン級空母はターボエレクトリック方式で、33ktの高速力を発揮しています。

ポルシェ博士も魅了されたひとりで、50t越えの重突撃砲戦車エレファントを電気モータで動かしています。

実際、電気モーターは実に使いやすい動力源で、電力線だけつなげばそれで稼働します。

他の動力源のように燃料パイプやタンク、排熱や排煙という問題がなく、設計する人にとっては本当に夢のような器具だったでしょう。



電気モーターは内燃機関に比べて出力が余り高くないのが欠点ですが、今後は常温超伝導コイルができれば更に出力が向上するでしょう。

そうなれば実用電気飛行機も視野に入ってくる。

電池が重いのも欠点ですが、こちらも技術革新の予徴はあります。

リチウム電池以上の軽さと蓄電量らしい常温超伝導電池は、航続距離を実用レベルまで持っていくでしょう。

他にも超音波モータやリニアモーターなど、使い勝手はいくらでも良くなってくるはずで。



そういう訳で自動車が内燃機関から、ハイブリッド、純電気自動車に向かうのは時代の流れというものでしょう。

さて、そういう電気自動車ですが私は購入しません。

ハイブリッド車が燃費も動力性能も良いのは知っていますが、買いません。

理由は電池です。



これらの電気自動車は全て蓄電池、二次電池を積んでいるのですが、聞くところによるとこの電池が凄く高いそうです。

そして必ず寿命がやってきて、その高い蓄電池を購入して交換しなければならないらしい。

なので今は、ハイブリッドや電気自動車の中古は買わないようにしています。

それに、もう直だと思うのです。



電池のカセット化。

日本の自動車メーカーや電池メーカーに告ぐ。

いい加減踏み切らないと海外に先にやられて、とんでもない規格を押しつけられるよ。

・・・・・・・・。

判る人には判ることですが、解説しますね。

今現在、これらのハイブリッド車や電気自動車・・・・、面倒くさいので電気車って呼びますね。

電気車は蓄電池を備えており、これは電気車に組み込まれた部品になっています。

ところで世の中のこういうものは、簡単に取り外せて交換できるようにするのが普通です。

というか常識です。



貴方のお宅のファンヒーター、あれ灯油タンクが簡単に取り外せますね。

昔は石油ストーブなんかはタンクが作り付けで、ストーブごと運んで給油しなければなりませんでした。

電池で動くもの、乾電池はもちろん、充電式の2次電池も簡単に取り外せて交換できますね。

以前は充電式の器具は、電池が取り外せないものが主でした。

他には卓上コンロ。

あの燃料もカセット式のガスボンベです。

このガスボンベを手軽な燃料源として活用したのがホンダで、家庭用耕運機に搭載しています。

さすがにバイクには法律の規制があって搭載は無理だろうと思いますが、ホンダだったらやったりして。

ガスボンベで動くスーパーカブ。

うん、面白いかも。



このように簡単に交換できるのは、その方が利便性が高いからです。

ですから電気車どもも、電池交換式に進むべきでしょう。

交換式はインフラ関係にお金がかかるので、普及台数が少なければ怖いです。

先を見越してインフラにお金を掛けても、使用台数が伸びなければアウト、破産です。

なので二の足を踏むのは判るのですが。

ですが、電気車はもう大丈夫でしょう。

というか5年ぐらい前には決断しているべきです。

本当にやばい、手遅れかもしれない、という状況だと思います。



交換方式のキモは規格です。

特に外形寸法や、電池の場合は接点の規格かな。

電気容量も問題ですが、そこは電池の今後の進歩次第のところがあり。

それより受け入れ側の寸法に大きく影響する、外形寸法の方が重要です。

規格がどれだけ重要かは、パソコンを使っている人はよく判っているでしょう。

USBやDVDの外部メディア、後はケーブルのジャック類。

次から次へいろんな規格が出てきますが、いずれは使いやすい規格に淘汰されていく。

規格からはずれたものは、淘汰されていずれ市場から消えていきます。

先行された規格に対抗して、別規格起こしても大抵の場合淘汰されます。



昔のことですが、初めてビデオデッキができたとき、ビデオテープに2種類の規格がありました。

ナショナル、今のパナソニック系のVHSとソニー系のベータです。

カセットサイズはベータの方が小さく仕組みも凝っていたのですが、録画時間の差でVHSが勝ちました。

負けたベータ陣営は惨めなものです。

当時はレンタルビデオ店の出始めでしたが、ほとんどの店にはVHSビデオしか置いてなく、ベータデッキを買ったユーザーは利用できませんでした。

ベータ用のビデオカセットテープも販売店が少なくなり、あったとしても希少生産で高額になっていきました。

ベータユーザーの中には意固地になった人もいましたが、ほとんどの人はVHSデッキに買い換えていきました。



規格のメインを握れないと、こうゆう事になります。

もちろん、適切な規格を設定することは重大なことです。

ですが、トップを取る、というのは、規格に関していえばメインを握るための絶対条件に近い。 

規格が発表されて、インフラや各方面がそれに合わせて動き出してしまえば、それを覆すのは不可能に近いです。

Windows が発表されて各ソフトメーカーがそれに合わせて動き出した時、その流れに何とか抗し得たのはMACだけで他は全滅したでしょう?

トップは他に任せて、2番手でリスク回避して美味しいところだけ持っていく、というのはトヨタやパナソニックのお家芸ですが。

規格に関してだけは、それはやめておいた方が良いと思いますよ。



さて、電気車の電池のカセット化を強硬に主張していますが、どういうメリットがあるでしょうか?

まず、本体価格、車両価格が下がるでしょう。

今の電気車は電池込みの値段ですが、交換式になれば電池代は別になります。

その分下がるはずです。

ユーザーとメーカー、両方にメリットがあります。

今、電気車はプリウス始め結構人気で売れていますが、ガソリン車と比べて値段は結構割高です。

ディーラーはハイブリッド人気が衰えたら、と実は戦々恐々としているのではないでしょうか。

電池代がなくなればガソリン車と価格勝負ができます。

後、想像ですが、電気車は電池の処分代が廃車費用に上乗せされていませんか?

電池の廃品処理はコストがかかるはずです。

電池がなくなれば廃車費用も下がります。

ディーラーは安心して売れるようになるでしょう。



次に充電施設ですね。

充電施設はぽつぽつとできているようですが、余り増えてはいないでしょう。

どちらかというと公共施設がいやいや、というか半ば義務で設けているような感じです。

まあ、無理はありません。

電気代はガソリン代と比べてかなり安いですし、充電に時間がかかる。

その土地の費用対効果、土地が生む利益が少なすぎるでしょう。

電気車が今より増えたとしても、これはどうしようもありません。

つまり民間が利益目的で充電スタンドを作るメリットがないのです。

これでは充電施設は増えない。

それに対し。

カセット方式では充電済みのカセット電池に交換するだけで済みます。

1台の電気車が施設の地面を占有する時間が短くなります。

場合によってはガソリン車の給油時間より短くできる。



充電スタンドのビジネスモデルを考えてみましょうか。

スタンドには充電済みのカセット式電池が複数、在庫されています。

在庫数は場所や状況次第ですが、お客さんに充分供給できる数を在庫します。

倉庫の大きさは100本入れたとしても、物置小屋程度で済むでしょう。

仮に充電済み電池がなくても「済みません、今充電済み切らしていまして。」

で、断ることもできるでしょう。

「もう、電気がないんだ。」という客には

「後、何分で充電終わりますから、待っていて貰えますか。」という応対もできます。



客から引き取った空電池は充電スタンドで充電します。

ガソリンスタンドはガソリン運搬のタンクローリーや、スタンド地下に巨大なタンクを作る必要がありましたが、そういうものは必要ありません。

充電用設備は簡単なもので良いはずで、電池収納ラックに組み込めるでしょう。

充電済み電池の在庫に余裕があれば、夜間の割安料金を利用できます。

もちろん電池収納ラックと管理ソフトの組み合わせで自動化できます。



お客さんが払うのは交換費用と充電電気代ですね。

もちろん収入はこれだけではありません。

メインは元売りからの割当金です。

充電スタンドの元売り、東電のように電気会社になるのか、湯浅のような電池会社になるのか、まあ、いいです。

元売り主体、カード会社提携で、電気車ユーザー用のカードを作り会費を取ります。

この会費が電池のレンタル費用であり、電池代のローンになります。

充電スタンドの利用は、このカードによる支払いが条件になります。

最初は加盟店しか利用できない形になるかもしれませんが。

そのうちスイカやイコカ、パスモのように提携するでしょう。

充電スタンドは客数に応じて、この会費の中から割当金を受けとります。

これで多分、経営が成り立つと思います。



後、隠し球的に。

蓄電施設として電気会社にレンタルします。

スマートシティ構想だったかな?

アメリカの話です。

個人所有の電気自動車をつないで、電気自動車の電池をクラウド型の蓄電システムにする、という構想だったと思います。

電気会社の総発電量は需要に応じて細かく増減はできません。

でも電気需要は結構激しく変動します。

急に暑くなってエアコンの使用量が増えるとか、皆が注目するテレビ番組があるとか。

その度に電気会社は右往左往します。

他の国では、電気需要に対応出来なくなると停電になるそうですが。

非常用のガスタービン発電機でも持っていたりするのだろうか。

いつもぎりぎりで凌いでいますね。

そんな電気会社は常に思っているでしょう。

どこかに大容量の蓄電池があれば、電気を溜めておけるのに。

充電スタンドが在庫しているカセット式充電池は、全部合わせば結構な容量になるはずです。

電気会社はレンタル料を払って喜んでレンタルするはずです。



経営が成り立つなら民間の充電スタンドは増えるでしょう。

そうなれば電気切れが心配だった人も電気車を買うようになるでしょう。

電気車が増えれば充電スタンドも更に増えていき。

正のスパイラル効果が発生して、市場は広がっていきます。

電池の寿命も、充電スタンドを通して元売りが管理します。

なのでユーザーは突然の電池劣化、いきなりの電気切れでエンストする事はなくなります。

そんな目に遭ったことがある人が居るかどうか知りませんが、そういう不安を持っている人はいるでしょう。



電池会社にもメリットはあります。

というか、ここが一番メリット大きいかも。

生産ラインは規格化で統一でき、効率は上がるでしょうし。

カーメーカの要求に合わせていろいろな種類の蓄電池を生産する必要がなくなるでしょうし。

生産した蓄電池も、自動車工場や補修品会社に納入する必要はないし、廃品も元売りから一括して帰ってくる。

そして正のスパイラル効果で生産量が伸びる。



多分、どこのメーカーでも考えていて、今は準備段階なのだろうとは思いますが。

いろいろ揉めてるんだろうなあ。

今までの電気車ユーザーにどう、言い訳するんだ、とか。

規格の主導権争いとか、予測値の食い違いとか、関係省庁との調整とか。

まあ、想像がつきますが。

でもいい加減に決めないと、外国に先手取られますよ。

アメリカサイズのとても日本では使えない大容量規格とか。

中国当たりは規格の使用料を要求してくるかもしれない。

とんでもないことになりそうな気がする。

やっぱりコンピューターの時みたいに、経済産業省に音頭取って貰わないと動かないのでしょうか。



カセット電池が実用化されたら、需要は大きく広がります。

電気車以外にも。

電動小型船舶の電源に、家庭用非常電源用に、山小屋などの電源に。

今の小型発電機の市場が、まるまるカセット電池の市場に置き換わる可能性が高いです。

小型サイズの規格があれば、冷蔵庫や冷凍庫だってカセット電池装備になるかもしれない。

非常用発電機は高くて普通の人では中々手が出ませんが。

でも停電になったら、冷蔵庫や冷凍庫の中身は全滅ですからね。

誰も「突発性ごちそう」を食べたい人はいない。

(OL進化論の一話、冷凍庫が壊れて中身を緊急処分するごちそう。)

特に首都大規模地震に備えたい自治体は、家庭用非常用電源の普及を強力に推進したいでしょう。

非常時に各家庭の冷蔵庫や冷凍庫の中身が使えるのと使えないのとでは、援助物資の計画が大きく変わる。

などなど。



という訳で。

電池のカセット化を待っているのですが。

遅い。

いつまで待たせる。

おかげでこんなエッセイ、書く羽目になりました。

まあ、書いても無駄だろうけども。

困ったもんだ。

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