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とりとめもなく  作者: nayuta
29/46

脇道12 :自転車とバイクとスクーターと

本編「軍艦をデザインする」迷走中。

気晴らしに書いた脇道が少し貯まったので出します。

自転車、バイク、スクーター。

いわゆる2輪の乗り物ですね。

走り続けないとコケる。

乗り物としては欠陥品、と言えますが。

でも俊敏さという事から見れば、あらゆる乗り物の中で一番俊敏な物かもしれません。

CCV戦闘機だろうとWRCのラリーカーだろうと、瞬時の姿勢変化の鋭さでは多分敵わない?

ということで今回のテーマは、自転車とバイクとスクーターについてのちょっとした疑問と妄想案。

後、ロードレーサータイプの自転車の不合理さについて?かな、です。



元々は騎馬でしょう。

古来、人類の移動手段として、馬はもっとも汎用的なものでした。

草原の民、遊牧民の第2の足。

多くの民族の戦闘職の花形。

アメリカカウボーイの相棒。

運搬手段の動力としての馬も重用された事もあって、馬は身近な(まあ上流階級にとってですが)ものでした。

「どこの馬の骨だ」という言い方がありますね。

何処の誰かは知らないがつまらないやつ、というニュアンスだと思いますが、それほど馬はありふれていたのでしょう。

まあ、維持費はとてつもなくかかったみたいですが。

それがいろいろ技術が進歩してきて、戦場では機関銃の餌食となり、内燃機関動力に積載量、速度ともに追い抜かれ。

今では競馬場か乗馬クラブでしか会えない動物になりました。(日本では、ですが。)



かくて人類は、古来より持っていた乗馬欲(こんな欲望があるかなんてしりませんが)を満たす事が出来なくなりました、が。

それに変わる物として出てきた、と言っていいのが自転車とバイクでしょう。

一部の人間の中には股の間にものを挟み込んでないと、欲求不満になる人がいるのかも知れません。

「髀肉の嘆」とか。

なので、自転車もバイクも基本的には乗馬と同じ乗車姿勢になったのは、ある意味自然だったと思います。



まあ、機能的に見ても妥当だと思います。

バイクを馬みたいに使おうとしたら。

急カーブをニーグリップを効かせてリーンインで曲がるロードレーサー。

ダート、荒れ地、泥濘地を膝のクッションでいなしながら走るモトクロッサー。

林間、岩場、登山路、果ては崖などを巧みな体重移動で登るトライアラー。

膝で、腰で、ステップに立って、体重移動で。

まあ、乗馬テクニックに通じるライディングテクニックがある訳で。

バイクの乗車姿勢が乗馬に似てくるのは仕方がないでしょう。

アメリカンタイプ?

昔の西部劇で、足を鞍の上におっぽり出して乗っているカウボーイを見た事がある。

あるいはラクダでしょうか。

ラクダの乗馬姿勢(乗馬で良いのかな?)は確か鞍の上で胡座をかいて乗るんじゃなかったかな?

ああいう横着者は取り敢えず置いといて。


挿絵(By みてみん)


自転車が人力で、バイクが内燃機関で動く馬だとすると、スクーターという存在は少し違ってきます。

何というか、走る椅子、みたいな感じでしょうか。

有名なスクーターにイタリアのベスパがあります。

映画「ローマの休日」では可憐なアン王女、オードリー・ヘップバーンが中年のおっさん、グレゴリー・ペックを後ろに乗せて走り回っていましたね。

日本ではどういう訳か、スクーターの販売が途切れていた時期がありました。

その頃のスクーターにラビットというものがあって、富士重工(現在のスバル)が生産していました。

結構な人気車種で、ドラマ「少年ジェット」の愛車でもありましたが。

スーパーカブ系の軽敏なビジネスバイクが台頭してきた影響でしょうか、スクーター系は軒並み販売が打ち切られました。

多分、コンセプトが被ったのでしょうね。


挿絵(By みてみん)


その後、10年ばかりスクーターの存在しない時代があったみたいですが。

女性向けソフトバイクとして復権を果たしました。

ステップスルーで、足を閉じたまま乗れる点が高評価だったのでしょう。

まあ同時に、女性のモータリゼーションがバイク分野にまで到達した、という事でもあるのでしょうが。

コマーシャルで和服の女性がスクーターで軽やかに走るシーンを見た覚えがあります。

その後の隆盛は、皆さんご存じの通りです。

そのあおりで原付バイクからタウンユースに使える程良いものが、メーカーラインナップから消えてしまった。

ダックスなんか手頃で好きだったのに。

まあ、いいです。



街中に行くと、おしゃれなヘルメットを被ってスクーターで征く女性の姿を良く見ますが。

少し微妙な気分になる。

スクーターというのは元々はアメリカ海軍が、空母の広い甲板を走ったり歩いたりするのが面倒なので作った、という俗説があって。

俗説でしょうね、そんな情報は見つからなかったですから。

それからすると、スクーターはセーラー服着たムキムキのセーラー(水夫)が大股広げて乗るもの・・・・・。

何か嫌な感じしません?

私自身はスクーターには乗った事がない。

あんなもの、少しバンクしたら直ぐステップが擦るだろう。

コーナーで速く走るには、後輪をドリフトさせなければダメなんじゃないか。

まあ、こういう思考をする段階でスクーターに乗っては駄目な人、とも思いますが。



さて、かくも人気なスクーターですが。

どういう訳か、自転車にはスクーターに匹敵するものがない。

疑問に思いませんか?

何故、自転車にスクータータイプはないんだろう、と。



確かにミニサイクルと言われるファミリータイプには座席が低く、車輪が小さいタイプもありますが。

あれはスクーターではないですよね。

スクーターの定義があるかどうか知りませんが、私が考えるスクーターというものを説明すると。

ひとつは足の間、特に太ももの間に何も挟まずに乗れる事。

もうひとつは足の位置。

太ももを水平に伸ばし、そこから膝を直角以上の角度で降ろした姿勢で乗れる事。

この二つだと、思います。

ですので、アメリカンタイプは足の位置はスクーターだけど、股間にタンク(等のもの)を挟むから該当しない。

ファミリータイプの自転車は足の位置が体幹のほぼ下、少し前方になるから該当しない。

なので、自転車にはスクータータイプは存在しない、と考えています。


挿絵(By みてみん)


まあつまり、椅子、ビジネスチェアーでもソファーでも良いですが、それに座った状態で乗れるのがスクーターだと思うのです。

そこから考えると、自転車にスクータータイプがない理由がわかります。

要はこげないんでしょうね。

自転車の動力は言うまでもなく乗っている人の足の力ですが、単純な膝の屈伸ではなく、体重を掛けて踏みつける、ぐらいの力が必要です。

特に登り坂なんかではペダルの上に立ち上がったりして、体重全てを掛けて力を出す場合もある。

スクーターの乗車姿勢、椅子に座った形の乗車姿勢では、体重の殆どは座面にあります。

その状態でペダルを漕ごうとすると、体重の乗らない膝の屈伸だけということになるわけで。

必要な力が出せない。

まあそれが、スクータータイプがなかった理由だろうと思います。

要は椅子に座った姿勢のまま、つまり横着して自転車に乗ろうとしてもダメ、という事だったのでしょう。

今までは。



今は電動パワーアシストがありますよね。

それこそお年寄りの萎えた足でも坂道を登らせてくれる、アレです。

あれがあれば座ったままの横着なペダル漕ぎでも、充分な走行が可能だろうと思うのです。

どうでしょう。

と言う訳で設計してみました。


挿絵(By みてみん)


タイヤはスクーターサイズをそのまま持ってきましたが、自転車で使うには小さすぎるかも。

自転車のタイヤサイズの選定理由がよく判らないのですが、あれはリムのたわみをサスペンション代わりに使っているのでしょうか?

それとも大きくしないと強度が持たない?

まあ、フロントタイヤは大きくする余地はあるでしょう。

面倒なので書きませんが。



ペダルは自転車の360°回転式ではなく、約60°程度の振り子式です。

座った姿勢でぐるぐるペダルを回すのは大変そうなので。

確か観光地の湖などで見かけるスワンボート、白鳥の形をした足こぎボートがそういうペダルなんじゃなかったかなあ。

乗った事はありませんが。

あれ、多分しんどい。

見てると直ぐ止まって、大抵ポケッと浮いてるだけになる。

楽に乗れるのがスクーターなのですから、しんどいのはダメですよね。



振り子式ペダルはロッドを介してクランクで回転運動に変える。

至って平凡な手抜き構造です。

でも、2ピストンのクランクなので死点が存在します。

スムーズに動いてくれるだろうか。

まあ、ペダル周りはいくらでも改良の余地はあるでしょうが。

振り子式にしたもうひとつの理由は最低地上高を低くするためです。

ペダルが下まで回らない分、下げる事が出来ます。

ここまで下げると、立った姿勢からそのまま腰を下ろして乗れる。

気軽に乗れるのが、スクーターの持ち味ですから。



スクータータイプのもうひとつの狙いは子供の安全。

近頃増えてきたミニサイクルは、かなり子供の乗車位置が低くなって安全にはなってきていますが。

普通の自転車では子供の乗車位置は1m近い。

そこからただ倒れただけで、子供は大けがをしそうです。

散々コケてきた私にはよく判る。

イラストの子供用座席は、結構しっかりした防護座席でシートベルトも付いていますが、裸に近いただの座席もある訳で。

スクータータイプだと、更に乗車位置を下げられます。

幼稚園児ぐらいならとっさに足を出して支えられるかも。



無理のない足の動きで漕げるようにしたつもりですが、どうしても足を上げる必要がありますね。

ミニスカートだと危ないかも。

買い物籠だけでなく、しっかりしたシールドがいるでしょうか。

そこまで足を上げて漕いだとしても、まあろくな力が出ないだろう事は明白ですよね。

いいんです。

前に進もうとする力さえあれば。

実際の動力は電動パワーアシストにお任せです。

こんなもの自転車じゃない?

自転車の風上に置けない?

そんな事言う人には、これだ。

次は競技用ロードレーサーです。



ツール・ド・フランスが有名なものでしょうか。

他にはトライアスロンでも見た事があるな。

NHK-BSの土曜日の番組も好きです。

会社の先輩に昔大学の自転車部にいた、という人がいて。

その人の話を聞くと、ちょっと信じられない訓練をしている。

長距離ツーリング、何でも箱根から御殿場抜けて、そこからアルプスの麓を日本海に抜けた、とか。

それを1日か2日でやったそうで。

バイクツーリングでだって、結構アップダウンのあるしんどいコースを生身の身体でこなすとか、人間か?と思いました。

でも、テレビなんかで見ると結構普通の事みたいで、改めて自転車の機動性というものを再確認した次第です。

とても街中で、漂うという形容が似合いそうなお年寄りの自転車の同類とは思えない。



そういう人たちが乗っているのがロードレーサーです。

何というか、これこそが自転車、自転車の王道の最先端、という感じです。

最先端技術をこれでもか、というほど詰め込んでいるのが判ります。



見た目で気付くのがタイヤが細い事です。

リムはどこまでも薄く、薄く。

タイヤはどこまでも細く、細く。

多分、転がり抵抗を極限まで削り落とした形なのでしょうね。

タイヤ自体も固そうで。

チューブ、入っているのかなあ?

もう、タイヤ要らないんじゃ?

思っても言ってはいけません。

あのタイヤ、普通のタイヤとリムみたいに組み込めなくて、接着剤で付けているそうですね。

会社の同僚にバイクで40分の距離を自転車で通勤している人がいますが、よく道ばたでタイヤをはめているのを見た事がある。

簡単に外れるそうです。



車体、フレームもアルミ合金かチタン合金か。

凄く軽くできているそうで、ものによっては指一本で持ち上がるとか。

レースなんかの中継では、よく片手で無造作に扱っていたりしますね。

近頃よく見かけるのが黒一色のディッシュタイプのホイール。

なんか横風に弱そうな感じですが、あれどういうものなのでしょう。

圧力分散は多くのポイントになるスポークより、ラインになるディッシュタイプの方が良さそう。

軽いだろうしなあ。

空気抵抗もスポークより低そうだし。

でも、前後両方に装着している人を見ないのは、メリット、デメリットがあるという事なのでしょう。



そのロードレーサー、長い伝統と豊富な資金に裏打ちされた至高の製品。

レーサーのトップチームには大企業のスポンサーが付くそうですし、最先端バイク(自転車)メーカーの製品は自動車並みの価格でそれが普通に売れている。

・・・・・・・・・。

それにもの申そうか、と。

・・・・・・・・・。

アホか。

何とち狂っているんだ。

普通、突っ込みますよね。

でも、どう考えても不合理なんだもん。(子供か)

言いたくなるのは無理もない。(お前だけだ)



軽量スリムで空気抵抗、転がり抵抗を極限まで抑えたロードレーサー。

これだけなら素晴らしいものですが。

そこに乗るのは、がたいが良くて、重そうで、臭そうな(臭いは関係ないか)おっさん。

幅広のボディは投影面積が大きく、分厚い胸板はcd値1に近そうな平板。

まあ、他の競技より細身の人が多そうではありますが。(後女性のボディはcd値が低いって本当だろうか。)

確かにユニフォームは身体にぴったりして、皺やたるみで空気抵抗を生むような事はなさそうですし、表面は空気との摩擦係数を減らした加工がされているでしょう。

ヘルメットは如何にも流体力学した涙滴型で、頭部の冷却と保護強度を両立したスリット入り。

ハンドルに伏せて走れば相応に空気抵抗は減らせるでしょう。

ですが。

無駄なあがき、とか、焼け石に水、とか、頭の中をそんな言葉がよぎるのは何故でしょう?



後、力の出し方が不合理。

人間の身体の中で、背筋に次いで高出力なのが脚部。

膝と腰。

まあ、中には腹筋の方が強い、とか。

腕力がクレーンとタメを張る、握力万力並みという方もいるでしょうが。

重量挙げのジャーク。

あの競技では胸元に体重の数倍のバーベルを抱えて、蹲踞の姿勢から膝と腰の力で立ち上がります。

自転車でペダルを漕ぐ脚部、膝と腰の筋肉は、鍛えればそれだけの高出力を出す部分なのです。

ですが、自転車では自分の体重以上の力をペダルには掛けられませんよね。

体重以上の力を掛けようとしても、サドルの上に身体が浮き上がるだけです。

まあ、ツール・ド・フランスのような長距離レースでは、短時間の出力より長時間の安定した出力の方が大事なのであろう事は判ります。

ゴール近くでは、体重頼みで乗り切る場合もあるでしょうし。

でも、脚部の出力をフルに使えれば、より高速が出せますよ。

脚部はペダルを漕ぐ以外に、長時間体重も支えていますよね。



と、まあ。

そういう理屈をこねて設計してみたのですが。

・・・・・・・・・。

どうしてこうなった?


挿絵(By みてみん)


乗車姿勢は間違っていないはずです。

エコカーレース、ソーラーカーレースとか。

低出力の動力を使って航続距離や速度を競う競技があるのですが。

そこに出場するレーシングカー(合ってるけど何と不似合いな)は、抵抗を極端に減らしてきます。

転がり抵抗や空気抵抗で、その車体に搭乗する人もまともな姿勢がとれる訳はなく、大抵はうつ伏せ腹這いか、この仰向け少し起き、の姿勢になります。

つまり空気抵抗を減らす乗車姿勢としては、極めてトラディショナルな(何か使い方間違っている)姿勢です。



足の使い方だって間違っていません。

ボートレース、賭け金、舟券が飛び交う方ではなく、オリンピック競技にあるカッターとかです。

9mカッターで12名、6mカッターで6名の漕ぎ手が艇指揮のもと、綺麗に揃った4m越えのオールで水を掻く。

大学では意外や東大が強いそうで。(昔そう聞いた)

海洋国家では古くから船員の必須技能で、そのレース競技は上流階級の嗜み。

明治の初期には、御雇外国人たちが横浜港や避暑地の中禅寺湖でレースをしていたそうです。

つまり長い歴史が技術を洗練している。

勝利したチームの艇員が胴上げの後、水に放り込まれるまでがお約束です。



あの競技、オールは手だけでは漕いでいません。

後ろ向きに搭乗した座席の前には板(特別な名前がありそうですが)があって、それを両足で蹴る。

そうすると座席が後ろにスライドして、胸の前引きつけたオールが船縁を支点にして動き、水を掻く。

強力な脚部、膝、腰の力も使っています。

さらに最後には身体を反らせますから、背筋も使う。

人体の高出力部位を余す事なく使っているから、あのデカいオールであれだけの速度が出るのでしょう。

え~と、つまり、座った姿勢で脚部の高出力を出す方法として、カッターの動きを取り入れたのは間違いではないです。



そこからは流れで。

前の方にあるペダルで後輪を駆動するには、面倒なチェーンやシャフトの取り回しが要る。

なら、前輪駆動、フロントドライブにしてしまえ。

だったら前輪ステアはないよな。

後輪ステアで。

面倒なクランクなんかいるかな?

あっ、ステアリングバーだけで済みそう。

別にホイール中心にステア中心を持ってこなくても良いよね。

何か車体が二つに折れる感じで、安定しなさそうだけど大丈夫だよな。

サスペンションは要るよな。

折角、全体の高さを低くしているのに前輪を大きくできないし。

小さな前輪で高速走行するなら、サスペンションは必須だろう。



でも、ペダルが漕ぎづらい。

足の動きはカッターみたいなストレートにしたいし。

振り子式ペダルでクランクを使うのも、動きが完全なストレートではないし。

あっ、ラック&ピニオンで直接タイヤを回しちまえ。

・・・・・・・・・。

そこだ!

かくて世にもけったいな動力機構ができた訳です。

でも、後悔はない。

所詮、戯言、妄想の類いですし。


挿絵(By みてみん)


それでも、ちょっとした擁護を。

自転車のペダル機構にはブランク部分があるそうです。

足が力を込めて踏み込めるのは、上死点を過ぎて5°~10°あたりから。

そこから下死点手前5°~10°近辺まで。

反対側の足が踏み込める位置に来るまでの10°~20°は惰性で回すだけのブランク状態だそうです。

スライドペダルだとブランク状態はない。

踏み込んだ足を引き戻す間、反対側の足はしっかり踏み込んで力を出します。

もっとも。

カッターみたいに両足同時に漕ぐ人は、この限りではありませんが。


挿絵(By みてみん)


さて、それでは一応説明しておきますね。

フロントホイールを支える2本のフォーク。

フォークと言うにはごっついですが、このフォークに沿って前後に動くのがスライドペダルで、内部にはラック、直線状の歯車(車、円じゃないから矛盾した言い方ですが)が入っています。

このラックが、ホイールに付いた歯車(ドリブンスプロケット?)を回して推進力を産み出します。

当然、足を引き戻すときは逆方向の回転を歯車に与えますが、そこは歯車とハブの間にフリーホイールを組み込んであるので大丈夫です。

欠点として、左右両方のスライドペダルに同じ機構を搭載しなければならないので、重量増になります。

特に後述の変速機構を組み込むと、左右両方必要で更に重量増になりますね。



もっともメリットがないわけではなく。

足の動きがペダルより格段に自由という事でしょうか。

先ほど冗談で言った、両方の足で同時に漕ぐ事もできますし、フルストロークで踏み込まずに小刻みに踏み込み、戻しを繰り返して漕ぐ事もできます。

ペダルの動きに縛られて、常に一定の足の動きを強制される事より、楽っちゃ楽かもしれません。

まあ、実際はどうかなんてのは、現物がない以上判るはずありませんが。


挿絵(By みてみん)


で、変速機構です。

ヒルクライムが必須の耐久レースならば、どうしても減速機構は必要でしょう。

基本的にはドリブンスプロケットの大きさを変えて変速します。

踏み込んでスライドさせるラックの歯数は一定ですから、それに組み合わせるスプロケットの歯数を変える事によって変速ができます。

大きなスプロケット、歯数の多い物と組み合わせると一回のスライドで回るホイールの回転数は少ない。

減速します。

逆に小さくて歯数の少ないスプロケットだと、一回のスライドで多く回るので増速します。

スペース的な意味からドリブンスプロケットの径が小さくて減速比が不足する場合は、減速ギヤを一段組み込むしかないでしょうね。

そこらへんはいくらでも改良や工夫の余地はあるでしょう。

そもそも、ここまでごついフォークなど要らないでしょうし、重いでしょうし。



ラックとドリブンスプロケットの組み合わせ変更方法は、一応2案出してみました。

ひとつは全てのスプロケット(イラストでは3段ですが)とラックを常に噛み合わせておく方法。

自動車のオートマ機構に使われていますね。

あちらは遊星歯車も使っていますが。

A,B,Cとあるスプロケットは、通常はドリブンシャフトと結合しておらずフリーです。

いくらスライドペダルを踏み込んでも空転するだけ。

その状態で、A~Cのスプロケットのどれかがドリブンシャフトと結合すると、そのスプロケットの減速比になります。

マニュアルミッションみたいに速度の違う歯車を結合させる事がないので、歯車の歯の耐久性は良くなるのですが。

スプロケットとシャフトの結合方法が思い浮かばない。

自動車だと油圧バンドや電磁クラッチで結合するのですけど。

まあ、ここから先は詳細設計の分野なので後は丸投げです。

ああ、完成品を求められないって、気楽でいい。



もうひとつは普通の、というか平凡な、ラックがスライド(ペダルによるスライドではない)して噛み合いを変える方法です。

スライドはリンクかカムを工夫して貰いましょう。

操作自体はワイヤーですかねえ。

現在の自転車のチェーンを組み替える方法に近いですが、チェーンと違ってラックは走行中でも止められます。

さらにラックにデッドスペース、歯のない部分を設けてそこで組み替えを行うと、自転車より楽です、多分。

ギヤが切り替わらない、とか、ギヤを変えようとしたらチェーンが外れた(昔のは結構ありましたが今はどうなのだろう)ということは起こりにくいと思います。



ここまでは普通の(普通?面の皮が厚くなったなあ)変速機ですが、つい悪乗りして。

無段階変速機、自動車でいうCVTですね。

まあ、原理は簡単です。

回転体の外縁近くに接触させるか、軸近辺に接触させるかで減速比が変わる。

自動車のCVTは、V溝が可変するVプーリーにVベルトを掛ける事で掛かる位置を調整しますが、似たような物です。

ここではドリブンコーンというドリブンスプロケットと同じ役目をする円錐形の回転体に、ドリブンバーという同じくラックの役目をするものを押しつけて駆動させます。

ドリブンバーの当たる位置によって無段階に減速比が変わります。



イラストでは一応、ドリブンコーンは硬質ゴム、ドリブンバーは環状の突起が多数、細かく付いた金属の棒を考えていますが、本気で作る場合は適当に選択してください。

自動車のCVT技術が応用できるでしょうし、あれより遙かに簡単なはずです。

ドリブンバーはベルトのように曲げる必要はないし、人力出力はエンジン出力より小さい。

何より一旦組み上げてしまえば分解するのに非常な工数がかかる自動車のミッション機構と違って、分解するのが凄く楽です。

レース毎のドリブンコーンの交換もできるでしょう。



更に、更に、悪乗りして、自動変速機構を・・・・・・。

自動変速機構は負荷に応じて変速比を自動で変えてくれる、自動車だとIC技術満載の機構です。

それをただの人力機械で。

でも思いついちゃったから。(子供か)

負荷の測定というか、スイッチはペダルです。

通常の(通常?)スライドペダルはスライドにペダルが固定されていますが、自動変速機構ではペダルがスライドに対して動くようにします。

普段は強力な押しバネ、コンプレッションスプリングで、ペダルはスライドの後端に押しやられ位置決めされています。

平地など負荷の余りかからない状態では、ペダルはスライドに対して動きません。

ドリブンバーはドリブンコーンの軸付近、速度は出るが力が出ない場所に接触しています。



坂道などでタイヤに負荷がかかると、ペダルが重くなり強く踏み込む事になります。

そうすると押しバネが圧縮され、ペダルがスライドに対し少し前進します。

前進したペダルに付けられたペダルロッドは、スライドレバーを回転させてドリブンバーを持ち上げ、接触場所を外縁方向に移動させます。

結果、減速比は負荷に応じて大きくなります。

まあ、押しバネ、コンプレッションスプリングの荷重設定がキモでしょうね。

一応、自動変速として機能はしそうでしょう。

実際は判りませんが。

後、お気づきでしょうがスライドペダルを引き戻すとき、ドリブンバーも元の位置に戻ります。

この機構はペダルを踏み込むたびに変速操作をする、ドリブンコーンにとって、とっても優しくない機構です。



後、書いておく事は。

そういえばタイヤの太さは転がり抵抗大の太いタイヤです。

ホイール径が小さいのでそれを補う意味もありますが、一番の理由はサイドフォース、横滑りに対抗する力を持たせる事です。

自転車のロードレースを見ているとコーナーではあまりバンクさせていない。

コーナリング速度を上げるのにバンクが必要なのは、バイクも自転車も変わりないはずです。

多分、余りバンクを掛けると細いタイヤとリムが外れるのではないかなあ、と思うのですが。

このロードレーサーは重心も低いので、思う存分バンクを掛けてコーナリング速度を稼いで貰いましょう。

ダウンヒルでぶっちぎれるはずです。



さて、調子に乗ってロードレーサー改(怪?)を書いてきましたが、私の気持ちとしてはツール・ド・フランスがこの手のロードレーサーになるのは嫌だなあ、と思うのです。

やっぱり自転車競技は人間の肉体が主で、自転車は従であるべきでしょう。

ムキムキマッチョのアスリートを愛でることこそ、正しい自転車競技の見方なのかも。

そう言えばツール・ド・フランス・フィメールはないのでしょうか。

トライアスロンなんかにはあるのにね。

後、ロードレーサー改がサーキットをF1のように快走するのは、少し見てみたい気もします。



蛇足。

そういえば気になっていたのですが。

皆さん、自転車にバックミラー付けるの諦めたのですか?

バイクは付けていないと整備不良、違反になるのにね。

警察も学校もメーカーも諦めたのでしょうか。

確かに街中で付けている自転車は見ませんし、メーカーの自転車のカタログにも付いていない。

ふ~ん。

いいのかなあ?



なろうでは異世界転移小説が主流ですが。

異世界に行った主人公が、冒険者になって魔物の森に魔物を狩りに行く。

気配探知スキルをチートで貰って、近寄る魔物を余裕で迎撃する。

・・・・・・・・・・。

本気でできると思っているのかなあ?

ここは実は、異世界の魔物の森より遙かに危険な場所なんですけど。

気配探知スキルもなく、頼りになるのは肉眼と耳だけだというのに。

チェック6。

歴史上全ての戦闘機パイロットが最も注意を払った後方監視用の有力な手段、バックミラーを平気で外している人間が。



判りません?

ここには異世界の魔物より強いものが、遙かに多く、遙かに高速で、遙かに近距離を疾走しているのですよ。

中にはドラゴンを凌駕する大きさの物もいる。

遮蔽物もなければ、攻撃して倒す事もできない状況で。

ただ、攻撃してこないだけです。



そんな中、相手が”攻撃してこない”という事だけを無邪気に信じて、のほほ~んと無防備でいる。

本当に攻撃してこないと思っているのだろうか。

どれだけ歩行者に突っ込んで殺しているか、ネットのニュースを見れば直ぐ判りますよね。

薬でらりって、ボケがきて、携帯に気を取られて、眠くて。

自転車保護は自動車の責任?

轢かれて殺された後じゃ、責任も何もないですよね。



まあ、異世界転移に備えてください、という意味じゃありません。

自分の命の安全を放棄して、後方確認もせずにふらふら出てくる自転車がウザいだけです。

まあ、ミジンコですら自分の命の危険を感知して逃げようとするのに。

自己防衛本能を失った生物に未来はありませんよ。


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