脇道10 :戦艦山城を改造するとしたら
脇道10 :戦艦山城を改造するとしたら
ある「なろう」小説で戦艦山城を改造するという話がありまして、つい考えてしまいました。
イラストを描いて「みてみん」に投稿したのですが、日本国民の0.00002%しか見てくれないので投稿者コメント込みでこちらに持ってきました。
投稿者コメントが長いから嫌われたのかもしれません。
最初は真っ当に戦艦として改造する話ですね。
戦艦としてのコンセプトはもちろん、アメリカ戦艦と撃ち合って勝てる戦艦。
戦艦山城の竣工は1917年3月31日ですね。
ちょうど第一次世界大戦の終盤当たり。
イギリスのクイーン・エリザベスが1915年ですから、大体同じ頃に作られたライバル同士になるでしょうか。
クイーン・エリザベス級は5隻全部が改装を受けて第二次世界大戦を戦っていますから、山城も適切な改装を受ければ充分戦力になったはずです。
山城の排水量やサイズ、全長、全幅を見るとほぼ長門型と同じですね。
建造当時世界最大の戦艦だったそうな山城の船型をそのまま長門に流用したのでしょうか?
なら、機関の換装も兼ねてバーベットを変更するなら長門にしてしまえばいい、とも思いますが、長門は古い船です。
開戦時で艦齢20年を過ぎています。
それでも砲戦力は一級品ですが、後はいろいろ時代遅れです。
装甲に手を入れる事はもちろんですが、時代遅れになりつつある速度も増やさなければならないでしょう。
戦闘で勝つには相手の一部をこちらの全力で攻撃する、陸戦では分断しての各個撃破になりますが、海戦では相手の単縦陣の先頭艦、または最後尾艦をこちらの全艦で攻撃する事になります。
いわゆるT字戦法ですが、これをやられた相手は当然逃げようとします。
これを逃がさないように、常に同じ状況において攻撃し続けるには相手より優速、速く動く必要があります。
日清、日露で常に劣勢な砲戦力を、日本はこの方法で補って勝ってきました。
「相手より優速」が日本戦艦の基本コンセプトでもあります。
長門型が完成した頃はアメリカ戦艦の速度は22~23ktでレイテで28kt近くを出した長門型は優速でした。
しかし、20年後では独仏伊の戦艦が30kt、米英の戦艦が28~29ktでは長門型の優速はなくなります。
速度が同じ、または劣勢なら、ユトランドのように2列仲良く並んで互いの相手と叩き合う同航戦に持ち込めればいいところです。
これではせいぜい痛み分けが限界です。
日本海海戦のように、一方的に勝つために必要なのが優速です。
なので山城改にはせめて31kt、できれば32~33ktの速度を与えたいところです。
速度を上げる方法は機関出力と艦形です。
機関は大和のボイラー12基150、000馬力を8基積んで100、000馬力。
史実の長門が82,000馬力だったようですから、まあ充分でしょう。
問題は艦形です。
船は長く細い方が速度が出ます。
極端なものはアイオワ級でしょう。
パナマ運河の制限で全幅を制限された結果全長が長くなり、あり得ないほどの速度になりました。
山城の場合、近代化改装時軸馬力が40000馬力から70000馬力と倍近く増加していますが、速度は23.3ktから24.6ktと1.3ktしか増加していません。
いろいろな要因はあるでしょうが、大きなものとして28.96mから34.6mまで増加した全幅があるでしょう。
全幅の増加はバルジの追加によるものです。
改装によっていろいろ追加された結果、山城は重くなり浮力が足りなくなりました。
バルジは一種の浮力装置で魚雷防御も兼ねる優れものです。
これを艦腹に増設して減った浮力を補いました。
ただしその代償が出力増加の割に増えなかった速度です。
なので長門型なら4基8門の主砲が搭載可能なところ、1基減らして軽くしバルジを最小限にして全幅の増加を抑えます。
併せて艦尾と艦首を改造し、全長を伸ばしました。
艦首は「大淀」のように高くして、高速走行時に主砲にまで飛沫をかぶっていた凌波性を改善しています。
主砲塔を前1、後ろ2にしたのは特に後方優先という事ではなく、誘導煙突を避けるためです。
日本海軍軍艦独特の誘導煙突は子供の頃は「かっこいい」と思っていましたが、大人になって少し技術の事が判ってくると、「あんなバカなものはないな」と。
ボイラーで発生した排煙を、空中の一定位置に導くのに最も効率がいいのは真っ直ぐ煙突を立てることです。
誘導煙突は真っ直ぐ伸ばす位置に艦橋などが来てしまったので、やむなく煙路を屈曲させて隣の煙突にくっつけたものに過ぎません。
ただでさえ限られた艦内容積を長い煙路に食われ、屈曲した煙路は排気効率も悪くなり、さらに煙路の周りは排熱で大変なことになるので防暑空間も必要になるでしょう。
良いことは何もないように思います。
それとも誘導煙突にすると出力が増加する、とかあるのでしょうか?
要は前甲板に主砲塔を3,4基集中配置したいがために艦橋を後ろに下げた結果だと思いますが、そうまでして前甲板に集めた主砲が前方12時に指向できるかというと。
6門を指向できるのは最上型だけで(利根型の4番砲塔は仰角を付けると出来るのかな)
3番砲塔は左右90°しか指向できません。
ならば後甲板においても同じ事です。
本図の主砲塔は全て射界320°を確保していますので、後甲板に積んだデメリットは少なくなっています。
註: と、これを書いた当時そう思ったのですが。
バイタルパートを考えると、誘導煙突やむなしと、”転び”ました。
バイタルパートとは戦艦の、謂わば急所です。
砲弾一発が飛び込んだだけで無力化、場合によっては爆沈の恐れのある場所で。
人間で言えば心臓や頸椎、脳に当たるでしょうか。
戦艦は謂わば鎧を纏った船であり、以前は全身鎧が主流でしたが砲弾の貫通力が上がってきて、それに合わせて鎧も厚くしてくると重くて動けなくなりました。
なので条約明けの新戦艦では急所だけをしっかり守った集中防御式、謂わばビキニ・アーマーのようなものが採用され出しました。
ビキニ・アーマーは人間用なので急所は動かせませんが、戦艦は被造物なので急所をまとめる事ができます。
かくて新戦艦は急所、主砲弾の弾薬庫、機関、つまりボイラー室と機械室を艦の中央にまとめて設置するようになりました。
その方が装甲の面積を節約できて、少ない重量割り当てで厚い装甲を使えるからです。
もっとも良く採用された形が、前部主砲弾薬庫、機関、後部主砲弾薬庫で、そうなると前後主砲に挟まれた上部構造物、艦橋などの下にボイラーが来る事もあり得ます。
つまり、艦橋の下から煙突が生えてくるものもある訳で。
昔の戦艦、有名なドレッドノートなどもそうですが、には艦橋と煙突が同居していた例もあります。
が、やはり艦橋と煙突の間にはいろいろ確執がありまして、誘導煙突を貰って別居する場合もありでした。:終
前1基にしたもう一つの理由はトップヘビー対策です。
塔型装甲艦橋にしたので重心が上がってしまいます。
前2基の場合、2番砲塔は背負い式になり、1段高い所に主砲塔を置かなくてはなりません。
後ろに回すことにより、主砲塔を概ね低い位置に設定できました。
主砲塔は八・八艦隊中止によって余剰になった41cm砲塔、副砲は最上型から外されて余剰になった15.5cm砲塔(「あの世界」で最上型はあるのかな?)です。
高角砲だけは大戦後期の長10cm砲なので、時代設定は無茶苦茶ですね。
25mm3連装機銃は日本海軍の一般的なものですが、主砲の爆風に晒されるところが多いので殆どカバー付きになりました。
カタパルト中央方式はヨーロッパの戦艦に見られる形で、この位置だと砲戦の最中でも水偵を射出出来るそうです。
日本海軍のように後甲板や4番砲塔の前に置くと、下手すると主砲発射の爆風で水偵が破損する場合もあったそうです。
その分、水偵甲板が狭くなったので、ゼロ式3座水偵は翼をたたんで保管したいところです。
短艇も同じ理由で水偵甲板下に集めました。
山城は甲板の至る所に短艇を置いていますが、主砲の爆風や被弾時の爆発などでボロボロになるのではないでしょうか?
さて、山城はアメリカ戦艦相手に艦隊戦を戦えるよう改造しましたが、果たして艦隊戦は発生するのでしょうか?
日本海軍はアメリカ艦隊の進撃に備えて漸減邀撃作戦を準備していましたが、アメリカ艦隊が主力決戦を挑んでくるとは限らない。
アメリカが艦隊決戦をするとしたら、日本主力艦隊を排除する必要がある、と考えたときだけですが、多分しないと思います。
艦隊は制海権を奪取するものであるのと同時に、自国の制海権を守るものでもあります。
日本という国は海から守る場合、非常に守りにくい国です。
太平洋に広く開け、長大な海岸線を持つ。
バルチック艦隊を迎え撃つとき、秋山真之はロシア艦隊を捕捉するのに非常に苦労しました。
日時が予測でき、日本海という内海に入る狭い海峡を通ると判っているのに、です。
時代が違うとは言え、太平洋という広いエリアからアクセスし放題のアメリカ艦隊を捕捉できるでしょうか?
対艦能力のある航空機がなければまず無理でしょう。
それがなければ。
史実では、大戦末期日本の航空戦力が失われた時点で釜石や室蘭が艦砲射撃を受けています。
アメリカはおそらく日本海軍が健在でもその隙をついて日本本土に自由に艦砲射撃を行えるでしょう。
守る側の日本としてはアメリカ艦隊を捕捉して撃滅する事が唯一の方法ですが、アメリカがそれに付き合う理由はないですね。
などと、戦艦改造案に懸念を表明して考えたのがもうひとつの案。
航空戦艦です。
うん、石を投げられても仕方がない色物です。
航空戦艦なんてものは、凡そ無意味なものです。
艦載機で先制攻撃を掛け、主砲でとどめを刺す、などと考えるかもしれませんが。
ならば艦載機用に空母を、主砲用に戦艦を準備すればいいだけです。
わざわざ1つの艦に両方の機能を持たせる必要はない。
第一、戦艦と空母は性格として真逆のものです。
遠距離攻撃限定で自艦は攻撃を受けないことが前提の空母と、視界内戦闘で撃ち撃たれる戦艦とでは船体構造からして違います。
戦艦と空母を無理に合わせた場合、空母5割、戦艦5割の船になるのではなく、空母3割戦艦3割の船になるでしょう。
どう考えても無駄です、艦隊戦用としては。
通商破壊戦用なら話は別です。
太平洋戦争では日本は通商破壊をやらなかったようです。(史実を詳しく調べた訳ではないので)
註:アメリカ本土太平洋側沿岸で潜水艦が細々とやっている。
艦載機で爆撃とかもしている。
アメリカ本土から西太平洋の主戦場まで、長大な兵站線があったはずなのに。
どうも日本海軍は戦争とは「相手の戦力をこちらの戦力で撃滅する」ものだと考えていた節がある。
確かに日清、日露では相手の戦力を撃滅することで継戦意志を失わせ、講和が結べました。
でも、WWⅠから始まった総力戦というものは、戦力を撃滅しても戦争は終わりません。
戦力は補填され、それこそ国力が尽きて補填できなくなるまで戦争は続きます。
ならば無理に相手の主戦力を撃滅しようとして、こちらの主戦力をぶつけて消耗するのは愚策でしょう。
寧ろ相手の主戦力を避ける形で、こちらの戦力がなるべく消耗しないように相手の弱いところを狙って攻撃を掛けるべきです。
そのアメリカの最も大きな弱点が長大な兵站線だと思います。
まあ仮想戦記に主戦力同士の激突が多いのは、半分以上読者受けを狙っての事だと思います。
皆さん、「大和 vs アイオワ」、「大和の勝ち、大和最強」が好きですから。
というわけで、山城を通商破壊戦用航空戦艦に改造します。
通商破壊戦というとUボートに代表される潜水艦が史実では活躍していますが、実は空母ほど通商破壊に適した船はないと思うのです。
英米日とも空母を通商破壊に使っていないので実績はありませんが。
(アメリカはあるか?)
通商破壊はまずターゲット、商船を探すところから始まります。
海面高度の潜望鏡、浮上しても通常の船の甲板程度の高さしかない潜水艦と、偵察機を使って広く空から捜索できる空母と、どちらが発見しやすいか、自明です。
註:聴音機という手段がありましたね。
あれだと、かなり遠距離から航走船、プロペラ船の存在が判るのだろうか?
通商破壊船の存在が明らかになると、相手国はハンター部隊を編成して通商破壊船を狩り出しにかかります。
襲撃位置から通商破壊船の移動距離を推測して、その範囲を網を絞り込むように追い込んでいくのですが。
姿を表して砲撃してきた水上艦や、姿が見えなくても魚雷の射程内にいたことが確かな潜水艦相手にはそれができます。
一方空母の場合は、そもそも襲撃時に母艦がどこにいたのかすら判りません。
仮に200kmの地点から(足の遅い九九艦爆でさえ1時間の距離です)攻撃を掛けたとしても、母艦の位置は半径200kmの広大な範囲のどこかです。
捕捉するのに非常な労力が必要でしょう。
もし、日本が龍驤や祥鳳型、鳳翔など搭載機数30機に満たない小空母を通商破壊に出していたら、結構面白い事になったのではないでしょうか?
(鳳翔は複葉機しか運用できなかったらしいけれど、商船攻撃は複葉機で充分)
では、空母だけで充分では、とも思いますが。
空母の場合、遭遇戦が怖いです。
龍嬢クラスでは駆逐艦1隻と遭遇するだけで戦闘力を失うでしょう。
広大な太平洋で、偵察機による広範囲警戒をしていたとしても、航空機が飛べない夜間や荒天時に偶然遭遇する事はあり得ます。
護衛に巡洋艦を付けてもいいのですが、(駆逐艦は航続距離が不足する)その場合巡洋艦は殆ど無駄な存在になります。
ならば航空戦力と砲戦力を兼ね備えた航空戦艦、または航空巡洋艦という色物にも価値がでてきます。
註:空母の場合、艦形が特殊で(水に浮いたアイロンというのは口の悪いイギリス水兵の評)貨物船に偽装しようにも無理です。
今ならタンカーとか自動車運搬船とか言い張る事もできるかもしれませんが。
当時の三島型形状の貨物船ではねえ。
通商破壊戦のもう一つの目的は、敵海軍戦力を引きつける事です。
広大な太平洋で1隻の船を探すためには多くの艦艇が必要で、それだけの兵力が前線から引き抜かれます。
そのターゲットが戦艦クラスの攻撃力を持っていたら、ハンターチームにも1~2隻の戦艦を加える必要が出てきます。
仮にハンターチームが10チーム編成されたとしたら、10~20隻の戦艦が艦隊決戦用に使えなくなるわけで。
戦艦山城を航空戦艦に改造する意味は充分あると思います。
空母として速力を上げるために、全長を伸ばしバルジを最小限にして全幅を抑えています。
機関は大和型の主機関を2/3搭載して10万馬力を確保しました。
翔鶴級や蒼龍級のように15万馬力の機関を積めば33ktぐらいは出そうですが、長期航海が前提の通商破壊艦です。
燃料や弾薬、食糧や水や補修部品、大量に必要で、船腹を機関ばかりに割くわけにはいきません。
後部に積んだ36cm砲は、砲身は山城のものをそのまま使い、長門型のバーベットに合わせた3連装砲塔に納めました。
飛行甲板を長く取るには砲塔2基が限界ですし、まともな砲戦をするには門数6門は必要です。
41cm砲艦と撃ち合うには力不足ですが、基本的にハンターチームと遭遇した場合は振り切れればいいので、巡洋艦を圧倒できる砲戦力があれば充分でしょう。
空母としての形は極端な開放型です。
設定では格納庫の側壁すらありません。
上甲板に装甲のある戦艦としての船体に支柱で構造物を作り、そこに木板を貼って飛行甲板にしています。
飛行甲板は艦載機の離発着が可能な範囲の簡素な構造で、この構造の目的は補修の容易性です。
日本から遠く離れた洋上では、多少の損傷で母港に修理に戻る事は出来ません。
しかし、飛行甲板に孔が空いたらどうしても塞ぐ必要がある。
自艦、または工作艦で飛行甲板の孔を塞げるならば、長期の戦闘行動が可能です。
飛行甲板を簡素にしたもう一つの目的は、トップヘビー対策です。
複数の艦艇からなる優速なハンターチームに捕捉された場合、主砲だけでは対応が難しくどうしても副砲が必要になります。
少ない砲で充分な射界を得るためには飛行甲板に砲塔を設けました。
バーベットがむきだしで半分船体からはみ出すという怖い構造ですので、充分な装甲が必要になります。
この部分の飛行甲板は狭くなっており、着陸時に副砲塔に激突する機は出てくるでしょう。
つまり高い位置に砲塔という重量物があります。
島型艦橋も大きなものが必要です。
外部から何の支援もない単独任務、航空戦と砲戦を両方をこなす指揮所、広いスペースが必要です。
さらに砲戦を想定する以上、ある程度の装甲も施します。
これもトップヘビーの要因です。
艦橋との重量バランスを取る意味で、煙突は反対舷に設けました。
英米空母が採用し、後に日本空母も追随したので煙突と艦橋を一体化するのが空母の主流ですが、それがベストでしょうか?
煙突からの排煙が艦後方の気流を乱し着艦の障害になるのであれば、飛行甲板から遠く高い位置から出せばいいのであって、艦橋と一体化させる必要はありません。
この案では舷側から煙突を出して斜めに真っ直ぐ高くしました。
ボイラーへの吸気口も煙突に設けてあります。
註:左右両舷に構造物を作ったら、飛行甲板上の気流が両側とも乱れて着艦機が通れる静かな空間がかなり狭まります。
といって、右舷に集中させたら右舷側への左舷副砲の射界が殆ど失われますし。
やはり艦橋、煙突ともに大きなリフレクター、気流誘導板を設けて飛行甲板上の着艦用静謐空間を確保しないとダメだろうなあ。
後、煙突断面形状が手抜き。
気流を考えるならば、単純なオーバル断面の煙突はダメだろう。
艦首はエンクローズド・バウではなく、飛行甲板と舳先を航海艦橋で繋げただけです。
島型艦橋をなるべく小さくするべく、航海に関する機能をこちらに分離しました。
戦闘時の操艦は島型艦橋で行いますが、それ以外はここで行います。
でも、荒天時などは使えるかなあ?
窓も破られそうですし。
飛行甲板は一応180m、祥鳳型と同じ長さを確保しました。
これ以上は短くするのは無理でしょう。
なので飛行甲板の後部は可変機能があります。
主砲発射時は持ち上がって前方にスライド、および折りたたまれて射界を確保します。
他の日本戦艦と同じ300°の射界を得るためにはしょうがないとは言え、無駄です。
本来後部艦橋に設ける副測距儀は、通常は飛行甲板下に収納されていて、主砲発射時にせり上がってきます。
しかし精度が必要な測距儀に可変機構を付けていいのだろうか?
註:良い訳ないだろ。
ただのギミックですね。
艦載機は零戦二一型8機、九九艦爆二型16機、補用機はありません。
甲板が狭いので甲板繋止もありません。
基本的に零戦1、九九艦爆2のチームで索敵兼襲撃を行います。
複数のチームで広範囲警戒を行いながら、商船を発見するとそのまま攻撃する。
2機、2発の250kg爆弾では商船といえど沈める事は難しいでしょうが、それで充分です。
攻撃を受けた商船はよほどの事がない限り、引き返すか手近な港に逃げ込みます。
註:頑張って飛行機描いて並べたのですが、後でハタと気がついた。
これ、最初の一機をどうやってエレベータに乗せるんだろ。
後、補用機は分解して倉庫にしまってありますから、あったとしてもここには出てきません。
それと、爆装して偵察はないですね。
攻撃がなければそのまま帰ってくるのですが、爆装したまま着艦なんて怖くてできない。
ただでさえ気流が乱れがちな艦形に、短い飛行甲板、激突しそうな副砲塔。
かといって爆弾捨てるなどは論外ですし。
それと、航空燃料が限られているのに、毎日そんなにいっぱい飛行機出せる訳がない。
やはり狩り場近くに来ての偵察がせいぜいでしょうか。
やっぱり遭遇戦が怖いなあ。
商船を沈める必要はないのです。
数千隻と存在する商船の数隻を沈めたところで物流を破壊する事は不可能です。
通商破壊戦の目的は、航路に襲撃してくる艦船がいることを周知させて商船主たちに出港を見合わせさせる事です。
攻撃を受けると判っている航路に船を出す船主は普通いません。
零戦の同行は艦爆を守る事ではなく、敵の偵察機を撃退する事です。
いくら見つかりにくい航空攻撃とは言え、艦爆が敵の偵察機に追跡されたら母艦の位置がバレてしまいます。
鈍足の九九艦爆に偵察機を撃墜する事は無理なので、(SBD-4は出来たようですが)零戦が代わりに行います。
独航船の襲撃が相次いだら、船主は出港を取りやめに動くでしょう。
そうしたら物流が途絶えて困るので、敵国は海軍主導で、護衛付き船団方式で物流を復興させます。
同時にハンターチームも複数派遣されるでしょう。
敵の海軍力を引きつける、という戦略目標は半分達成です。
後はできるだけ長期に粘り、引きつけ続ける事が必要でしょう。
船団方式に移行しても航空戦艦ならば、砲火力で敵の護衛部隊を蹴散らして自由に航空攻撃を加える事ができます。
居場所がバレてしまいますが、こちらの戦力を見せつけるという意味では有効です。
こちらが航空戦艦ということが船主たちに広まれば、彼らはそれに勝てる護衛部隊を要求するでしょう。
具体的には、戦艦や軽空母を含める事。
そうなれば敵海軍としても護衛できる船団の数は限られてきますし、運べる物資の量も制限される事になります。
これはどういうことかというと、前線に派遣できる兵力の量が限られる、という事です。
例えアメリカ本国に戦艦が10隻いたとしても、制限された物資で維持する事が可能なレベルが5隻だとすると、日本に派遣されてくる戦艦は5隻になる、ということです。
史実ではアメリカはマリアナ、レイテと膨大な兵力を集中していますが、よくあれだけ好き放題にさせたな、と思います。
航空戦艦案は昔からあるものですが、実際の所史実の戦艦伊勢、日向も含めて役に立たない。
つまり、コンセプトが成立しないのですね。
かろうじて通商破壊用ならワンチャンあるかな、とでっち上げてみました。
最初はドイツ襲撃艦案で描いたのですが。
主砲を前に持ってきたせいで舳先から第二砲塔後ろまでが長い。
おかげでろくに飛行甲板の長さが取れない。
まあ、測ってはいませんが、殆ど着艦経験のないルフトバッフェのパイロットには厳しいでしょうねえ。
やはり、シャルンホルストのシーアラインに魅了されたのがまずかったでしょうか。
失敗作ですね。
主砲は後ろだよなあ、と思って描いたのが航空戦艦山城です。
こちらも無理やり35.6cm砲を3連装と無茶しています。
まあ、大和型の練習と思って貰えれば。




