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とりとめもなく  作者: nayuta
25/46

脇道9 :CO2排出抑制と酸素購入代(オゾンプライス)

さて、化石燃料の使用について。

要はCO2排出抑制、削減の問題なのですが。

太陽光発電はそれの有効な対策ですが、そもそもCO2排出抑制って何?

そんなに焦ってやる事なの?

そう思いませんか?

まあ、その通りです。

ただね。

この問題はある意味、試金石です。

ここで人類が飛躍するか、じり貧になって滅びるか。

いきなり大きな話になって恐縮ですが。

でも、間違いなく21世紀は人類の行く末を決めるターニングポイントになるでしょう。

CO2排出抑制、この問題をどう処理できるかで、人類の今後がある程度判るはず。



化石燃料の使用には問題があります。

この前まで、石油資源が後数年で枯渇すると言われていて、ああ良かった、と思っていたのですが。

シェールオイルが出てきて、今はまだ採掘技術が秘匿されていたり、採掘コストが高かったりで普及は足踏みみたいですが。

これが本格的に採掘されるようになるとヤバイ。

何故、ヤバいかというと地球が原初の状態に戻ってしまうからです。



原初の地球には、酸素がなかったそうです。

酸素を生命活動に使わない生物、現在の地球には深海にしかいないそうですが、そういう生物が地球に生まれてきて増えた。

その中に毒ガスを出す生物がいて、やがて毒ガスに順応した生物が増え始めた。

私たちは酸化反応生物ですから、酸素が危険という認識は少ないのですが。

あれ、毒ガスですからね。

特に活性酸素は何にでも結合して変質させる。

私たちの身体の中でも、活性酸素が体細胞を傷つける場合があったはずです。

空気中の酸素濃度が下がったら人体が危ないのはご存じでしょうが、濃度が上がっても危険になります。

鉄だろうと何だろうと酸素が結びつくとボロボロになる。

錆びるというのは塩分のせい、という謂れなき非難がありますが、あれ、主犯は酸素です。



ただ、酸化反応で発生するエネルギーは大きい。

良く知られているのは燃焼、爆発ですが、人体も酵素を使った酸化反応でエネルギーを得ています。

で、酸化反応生物はその大きなエネルギーで強く、速く。

弱肉強食、強者優先で非酸化反応生物を駆逐してしまいました。

そうして毒ガスに順応し、毒ガスを発生させる生物が地球で繁栄を極めました。

彼らはそれまで地球の大気に含まれていた二酸化炭素を体内に取り入れて、それで身体をつくり、替わりに毒ガスを排出し地球を毒ガスで満たしました。

その死骸が地中で化石になったのが化石燃料、つまり石油や石炭です。

つまり毒ガス発生犯のなれの果て、で。

奴らを全て燃やしてしまえば、毒ガスはなくなる。

小川一水の「天冥の標シリーズ」には毒ガスではなく、電気で人体を維持する種族が出てきますが。

私たちは毒ガス、酸素がなくなると困ります。

まだ、地球上で酸素が薄くなったという話は聞きませんが、もう直でしょう。



まあ、まだ酸素は一杯あります。

だから焦る必要はない、と言いたいところですが。

実は人間もいっぱいなんです。

世界人口の推移を見た事がありますか?

産業革命当時、地球の人口は10億程度だったようですね。

WWⅡが終わった1950年も25億人、それが37年で倍になり、約3倍、70億になったのが2011年、時間にして61年、です。

地球人類、西暦からでも1900年の間で10億しかいなかった、と考えると空恐ろしいものがあるでしょう。

そりゃあ、ねずみ算式に元の人口が多ければ、増える量が多いのも当たり前ですが。



減らないんです。

減らしちゃまずいのは確かですが、大きく減少した時はあります。

ペストが蔓延した中世ヨーロッパですが、ところが人口は減った分増加率も高くなり、人口曲線はちょっと凹んだみたいになって何事もなかったかのように元の曲線に復帰しています。

日本の人口もWWⅡで大きく減っていますが、それを補うようにベビーブームがあり人口増加曲線は元のラインに復帰しています。

なので例え新型コロナがバンデミックを起こして人口が一時的に減少しようと、世界人口は何事もなく増加曲線を維持、つまり人口爆発に向かって行くでしょう。

増えた人口は重油を燃やす火力発電所の電気を使い、ケロシンを燃やす旅客機に乗り、ガソリン燃やす自動車を運転します。

CO2の排出量が人口爆発と同じように爆発的に増加する、と見るべきなのは当然でしょう。

今、どれだけ余裕があるかは知りませんが、この人口爆発を見ると風前の灯火だろう、と思うのは私だけでしょうか。



京都議定書でCO2の排出量抑制方向に世界は動きましたが。

わがまま言っている国もある。

中国当たりは

「CO2が増えたのは先進諸国が散々化石燃料を使ったからだ。

発展途上国は好きにさせろ。」

などと言ってますが。

GDP世界第二位の国が、どの面下げて発展途上国と言い張るんだか。

実際問題として、先進国が1960年ぐらいまでとしましょうか、それまでに排出した全世界の総CO2量って、おそらく現在の1年間の総排出量の数年分ですよ。

中国一国の年間の総排出量でも10年程度じゃないかなあ。

誰かが調査していてくれると良いのですが。

近年の化石燃料の使用量の推移を見ると、大凡算出できるのではないかと。

それほど爆発的に使用量が増加しているはず。

それに忘れてはいけないのですが。

人間もCO2排出装置だという事です。

4000年の昔から、人口最大の中華の国はそれだけ沢山の人間がCO2を排出してきたのですよ。



さて京都議定書で、排出量抑制のために導入されたのがCO2排出権取引です。

要は排出してもいい、という量を超えてしまった場合、排出量に余裕がある国からお金を出して買い取るという仕組みです。

一種の金融商品になるのかなあ?

お金を出したくない国は排出量抑制に努める。

抑制へのモチベーションになります。

まあ、大量にCO2を排出している確信犯的国、アメリカと中国とロシアが参加していない時点で骨抜き制度ですが。

それでも何とか排出量抑制への仕組みを作ろうとしたのは評価出来ます。

惜しむらくはあまり効果がなさそう、というところでしょうか。



排出量取引は、おそらくあまり効果がない。

私には、より効果的と思える抑制策のアイデアがあります。

書きますね。


それは、「酸素の有料化と酸素購入義務」です。

通称「オゾンプライスシステム」でしょうか。


これ、偉そうに言いますが。

CO2排出量取引より有効な抑制策になるはずです。

数年前に思いついて、それ以来折に触れて考察していますが。

ちゃんと運用できれば、とても効果的だと思います。

日本の環境省当たりが素案をまとめて国際会議に出してもいいような、良い抑制策だと思います。

これを読んでいる方も是非検証してみて下さい。



説明しますね。

現在CO2は増えていますが、一挙にCO2で満たされないのは酸素に還元する仕組みが地球にあるからです。

当たり前ですが、植物がCO2を取り込んで酸素に変換している。

地球規模ですと、シベリアの大森林とアマゾンの大密林が主力の酸素変換場所だそうですが。

なので、アマゾンのジャングルが焼き畑で消滅の危機にあるのが実は怖い。

まあ、いいです。

つまり植物が繁茂しているところは酸素製造工場と言える訳で、なら製造した酸素をただで使うのは良くない。

ちゃんとお金を払いましょう、という事です。



日本では空気と安全はただ、という言葉があって。

これは海外では安全にお金がかかるという意味ですが、宇宙空間では空気だってただではない。

そして地球は宇宙空間の中にあり、空気、即ち酸素も、本当はただではないんです。

私たちが生きる上でも、または自動車やオイルヒーター、火力発電所など化石燃料を燃やすときでも、それに使われている酸素はどこかで生産されたものです。

今まではただで使っていましたが、今後はお金を払いましょう。

具体的には植物を育てている所に。



簡単に説明しますと。

まず、酸素生産量の特定、評価をします。

田んぼならば、そこに生えている稲がどれぐらい酸素を発生させているか。

植物は夜間は酸素を消費しますし、日照条件や、生育状況でも変動しますが。

仮に田んぼ1ヘクタールで1月に生産する酸素量が10tとします。

そうすると、田んぼのお百姓さんは酸素10tを売る事ができる。

誰がそれを購入するか。

酸素を大量に消費するところ、例えば電力会社などですね。

火力発電所が一月に消費する酸素量を1000tとしましょうか。

法律で、1000t分の酸素を購入しないと燃やしちゃいけない、と決めておきます。

そうすると電力会社は操業するために、お百姓さん100人から酸素を購入しなければなりません。

酸素なんて目に見えないもの、どうやって売買するんだ、という意見も出てきそうですが。

出来るでしょう。

先物取引なんて、まだ現物もないもの売り買いしているんだから。

そう、酸素生産量は金融商品なんです。



まずは法律を設定する。

酸素を使用しているものは、酸素代を支払うように。

人間個人も生命活動のために酸素を使っているのですが、取り敢えずそれは置いといて。

まずは火力発電所や、ガソリンの元売り、航空会社当たりの大口から始めて徐々に適用範囲を増やしていくしかないでしょうが。

一国でそれを始めるといくら何でも価格競争力が酷くなるので、国際協調の上で。

コンプライアンスという形で、世界中の承認を採る必要がありますね。

これを遵守しない国に対しては、関税を引き上げるなどの処置を組み込んで。

国際会議できちんと枠組みを決めていかなければならないでしょう。

もちろん、マスコミにもしっかり働いて貰う必要があります。

この方策は、実は国際世論の賛同を得やすいのです。

なぜかというと、開発の進んでいない、発展途上国ほどメリットが大きいからです。

そして国連での投票を行う国は、先進国より発展途上国の方が遙かに多い。



さて、法律を制定して酸素購入を義務化し、需要を作り出したところで。

今度は酸素の製造能力を測定します。

酸素発生能力測定会社をいくつか認可して、彼らの測定結果である証書を金融商品化、ある意味株券のような形に認定します。

そうしてそれを株式市場のような、酸素市場を作って売りだします。

東京証券取引所当たりが場を設ければ良いでしょう。

日本政府は率先して国有林などの酸素生産量を測定し、おそらく膨大になるであろう酸素生産量を市場に出しましょう。

巨大な税収外収入になりますよ。

農林水産省あたりの収入になるのでしょうか。


挿絵(By みてみん)


Aさんの所有する土地は、年間〇〇tの酸素を生産すると酸素測定会社が証明します。

Aさんは〇〇tの酸素を、証書という形で売りに出します。

一方、操業するのに〇〇t酸素が必要と指定された企業は、酸素市場で必要量の酸素を購入します。

きちんと必要量の酸素を購入していれば、それは即ち排出したCO2分は酸素に還元しているということです。

CO2排出と還元が釣り合うでしょう。

それはつまりCO2が増えない、という事です。



このオゾンプライスシステムが動き出すとどうなるか。



まずは森林減少圧力が減ります。

今まで山林なんてものは無駄、金食い虫でした。

ですから伐採して農地にしてしまえ、宅地にしてしまえ、工業団地にしてしまえ、という圧力がありました。

今まで無事だった森林は、単にそれらに不適切だけだっただけです。

都会の中の林や森は軒並み伐採されてしまっていますね。

主な要因は相続税でしょうか。

まあ、それも無理はありません。

今までは森林なんてものは木材という形でしか収入が得られず、都会の中の雑木林はそれすらも出来ず、管理費や税負担ばかりだったのです。



ところがオゾンプライスシステムが動き出すと、森林は利益を生み出せるようになる。

持っているだけで毎年少なくない量のお金が入るならば、わざわざ伐る人はいなくなるでしょう。

さらに、手入れをすれば酸素発生量が増える、お金が儲かるとなれば、下草切りや間伐などの管理も進んで行われるようになるでしょう。

そうすれば森林の整備が進み、土砂崩れなどの自然災害も抑えられる。

他にも、野生動物の間引きもされるでしょうし。

野生動物は酸素消費物ですから、多ければ酸素発生量が目減りする。



酸素の発生量がお金になる、というのはCO2還元方法研究への大きな動機付けになります。

酸素を多く発生する植物は何か、とか。

その最適な生育条件は、とか。

野生動物の割合は、とか。

都市環境においても酸素を発生させる事が出来ないか、とか。

より精密に酸素発生量を測定する方法はどうか、とか。

今まで駐車場だったところに木を植えて酸素発生林にすればどれぐらい収益が上がるか、とか。

工場やオフィスビルなども、ツタや植木でできるだけ緑化する方向になるでしょう。

まあ、確かに自然の山林を多量の酸素高発生植物に変える、などということもあり得ますが。

一般的に考えれば、健康な植物ほど良く活動して酸素を多く発生させる訳で。

無理に植物を変えるより、植物の生育条件を良くする方向に向かうとは思います。



国際社会での理解も得られるはずです。

海外の、それこそ密林しかない発展途上国も、密林こそがもっとも多額のお金を産み出す場所になります。

今まではお金を掛けて自分たちの周りの自然を切り崩さなければ豊かになれなかった。

でも、先祖代々の自然を守る事で、利益を得る事が出来るようになる。

中には手つかずだった自然を整備して管理したい、という要求が先進国の酸素生産量取り扱い会社から出てくる事もあるでしょう。

そこは必ずその国にお金を落とす。

世界中で、酸素発生場所を抑えてお金にしようという動きが活発化するはずです。

その中には砂漠を緑化して酸素発生場所に変えたい、というプロジェクトも含まれるでしょう。

樹木一本当たりまで酸素の発生量測定が進んだら、庭木もお金になります。

そういうニッチの市場を狙う業者も出てくるでしょうし、そこには少額資本の参入余地もあります。



酸素市場は金融の世界に受け入れられるでしょうか?

市場で売り買いするのは銀行やファンドの仕事でしょうが、商品、酸素生産量測定は商社当たりの仕事になるのかなあ。

最初は国営で酸素公社でも作って、道筋を付けないと難しいかもしれません。

政治的にも揉めるだろうなあ。

特に酸素生産量測定という部分で、不正や政治圧力が飛び交いそうな気がします。

凡そ酸素を産み出さないような所を認定したりして。

でも、それらの調査や認定という事は、

「如何に効率よくCO2を還元するか。」

の研究につながります。

やがては植物に頼るだけではなく、人工物CO2還元パネルなどで還元する方法も生まれるでしょう。

アメリカには誰かが作った大規模なCO2還元施設があるようですが。

できれば単純に酸素と炭素に分けるのではなく、エチレンなどに生成できるようになれば化学工業界も原油に頼らなくて済むようになります。



酸素の購入代は、同時にあらゆる産業の化石燃料離れを促進するでしょう。

それはおそらく、電化という方向に進むはずです。

実際の所、速いとこ動力を電気に変えないと、爆発した人口が化石燃料利用に進むと大変な事になるでしょうし。

そうして化石燃料離れが進むと酸素の需要は減り、金融市場において酸素生産量の価格は下落していきますが。

そこは各国政府が買い支えて。

酸素の売れ残りが出るということは、どこかがインチキしていなければ(しそうな国はいっぱい心当たりがありますが)CO2が削減されたという事です。

排出量の増加率が削減された、のではなく。

地球にあるCO2の総量が減った、ということです。

喜んで買って貯めておきましょう。

宇宙開発には多量の酸素が必要になるはずです。

そして、戦争をしたいのなら戦争にも。

化石燃料売買で儲けている国や企業の反発は必至ですし。



CO2還元はある意味、地球資源のリサイクル化です。

今後の人口爆発の中で、限りある資源をうまく使って宇宙に地歩を築く。

21世紀はそれをする時代です。

決して一部の人間だけが、宇宙に逃げられるような事態にしないために。

CO2問題は世界がうまく協調して解決できるか、の試金石です。

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