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とりとめもなく  作者: nayuta
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15.日本はなぜ太平洋戦争をしたのか。 余話2:太平洋戦争の評価とアメリカの学生運動。

なぜ、日本は大国の道を進もうとしたのか?

日本の近代史で私が判らないのは、そして答えを得られないのは、これです。

幕末も明治維新も太平洋戦争も、沢山の方がコツコツと一次資料を収集されて研究なさっています。

門外漢もいいところの私が口を出すべきではないと判っています。

子供の頃、太平洋戦記を読んで、強かった日本が嬉しくて、だけれどアジアを侵略したと言われて悲しくて。

専門として取り組むことは出来ないししなかったけれど、ずっと考えてきました。

太平洋戦争とは何だったのか?

そしてその原因であろう大国化への道を、なぜ日本は進もうとしたのか。

ただ、思い上がって道を誤っただけ、とは思いたくはなかった。



さて、太平洋戦争と学生運動がどう関係しているのか、という話ですが。

太平洋戦争について、それを考えるという事からして「悪い事」と、レッテルが貼られているような気がしてならないのです。

決して一部の人のように太平洋戦争は良い戦争だった、と言いたい訳ではありません。

確かに子供の頃は、大国アメリカ相手に激闘を繰り広げた日本の戦記を心躍らせて読みました。

大人になってからは戦争の悲惨さや残虐性も認識し、安易に賛美をしてはいけないものだと思いました。

ただ、それにしては余りにも否定的に言われすぎていて、さらに反論すら許されないような状況に日本社会が仕向けられている気がしてなりません。

戦争である以上複数の面があるはずだし、それぞれの面は別個に評価しないといけないと思います。

戦争が齎したマイナスの面とプラスの面。

そういう事を言おうとすると「マイナスしかないんだ」と怒鳴りつけられるような。

私はその態度というか匂いに心当たりがあります。

そう、学生運動の頃に。



今の日本には、日本を憎んでいる人たちが少なからずいると思います。

具体的には60年代の学生運動の生き残り、でしょうか。

学生運動については私も少し知っています。

中学の教師や高校の担任が被れていましたね。

彼らに対し毛沢東のことなどをちょっとでも悪く言うと、目を吊り上げて反論してきたものです。

文化大革命で学生たちが政府要人のリンチに使った毛沢東語録を大事にしていましたっけ。

浅間山荘やハイジャックで北朝鮮に行ったような人たちです。

だけど残念なことに、総括とやらで殺し合ったり国外逃亡して無害になったのはごく一部で、大半の人間は日本の中に存命しているのです。



60年代の学生運動、少なくとも日本の学生運動は”ばか”のしたことだと思います。

一方、アメリカの学生運動は判る。

当時ベトナム戦争を戦っていたアメリカでは、青年たちは徴兵され熱く苦しい密林で麻薬漬けになりながら、殆ど民間人に近いゲリラ相手に、油断の出来ない戦いに駆り出されていました。

確かに共産主義の侵略を防ぐ、という目的はあったでしょう。

しかし、当時の南ベトナムは独裁政権で酷いものだったそうです。

それをアメリカ政府は自由主義陣営と言うだけで擁護した。

これが人々にとって”良い”政権だったとしたら、解放戦線などと言う革命勢力は発生しなかったでしょう。

その失策をアメリカ政府は”アメリカ人青年の血”で糊塗しようとした。

アメリカ人青年が怒って、反政府的活動をするのは無理はないと思います。



同じ頃、公民権運動も起きています。

アメリカ社会には戦後になっても有色人差別、特に黒人差別が残っていました。

リンカーンの奴隷解放から何年経っていると思っているのでしょうか。

でも、アメリカ人にとって奴隷と差別は別物だったと言うことでしょう。

本文でも触れましたが、キング牧師の「私には夢がある。I have a Dream.」。

私はあの演説が好きです。

黒人のキング牧師には辛いことが多くあったでしょう。

でも、恨み言を言う訳でもなく、憎しみを煽ることなく、純粋にあるべき良い世界を語りかけた。

公民権運動を主導した人です。

権謀術数、汚いことに無縁であったとは思えません。

だけれど心根の一番底には優しい心があったのだと思います。

そういう人を暗殺しました。

アメリカ人が怒って、反政府的活動をするのは許されると思います。



ビートルズがアメリカ公演をしたとき、どこかの南部の街だったかな?

そこでの公演について。

「黒人差別のある街で公演するのは嫌だな。」と、言ったそうです。

それでその街の黒人差別は撤廃された。

当時は黒人お断りのレストランやトイレ、電車車両などが普通にあり、または黒人専用のものもありました。

もちろん、黒人専用のものの方が酷い。

そういうものが一気に撤廃されたそうで。

ある意味、人気を背景にした暴力だと思いますけどね。



もっとも白人が黒人を差別したがる気持ちも判らないでもない、です。

人間を人種について、ただ人種だけで別ける、差を付けるというのは間違いなく”悪”です。

ただ、ある意味生物的学な恐怖というものはあるのだろうなあ、とも思います。

アフリカ系の人は身体能力が優れています。

逞しい身体、強靱な心肺機能。

それはあらゆるスポーツシーンで証明されています。

ながらく白人優先だったテニスにおいてもウィリアムズ姉妹の活躍があります。

紳士のスポーツたるゴルフでさえタイガーウッズが出てきています。

全米プロバスケット、NBAたるや黒人選手が主力です。

見ていると本当に超人が躍動している、そんな感じを受けます。

当に超人、同じ人間とは思えない。

ちなみに日本のBJリーグがいまいち人気がないのは、そういう超人がいないからじゃないか、とも思います。



下世話な話ですが、ポルノのジャンルの中にもあるぐらい、黒人男性の男性機能は凄い。

あれを見たら、白人男性は女性を皆黒人男性に取られてしまうのではないか、と怖れるでしょう。

プーシキンだったか古いロシアの文学作品の中に、ロシア宮廷にやってきた黒人男性がロシア貴族の女性に子供を産ませる話があったと思います。

男性にとって女性を巡って争うというのは三大欲求に基づく根源的なもので、それの絶対強者を怖れるのは無理はないと思います。



アメリカ人の祖先はヨーロッパ人で、彼らの中には武というか、強者優先の思想があります。

騎士道なんかを見れば判るでしょう。

ヨーロッパにも身体能力の優れた、巨人と言われるような民族がいて。

北欧のバイキングなどがそうらしいですが、金髪碧眼長身、肌が抜けるように白いか血の色が透けて見えて赤いか。

その彼らは古代のヨーロッパを北から侵略して各地に征服王朝を築いたそうです。

ここらへんはろくな知識もないのですが。

その末裔が各国の王族や貴族だそうです。

私もつい最近知ったのですが、ついでにいうと間違っているかも知れませんが、英国王室と土着のブリテン人は人種が違うそうですね。

王室の方は金髪碧眼長身ですが、ブリテン人は背が低くがっしりして黒系の髪の毛だそうで、言うなればドワーフのような外見だそうです。



つまりアメリカ人の中には強者優先が根源にあり、その社会に身体的に絶対強者たる黒人人種が入ってきた訳です。

恐怖だったでしょうね。

まともにやったら勝ち目がない。

幸いというか、彼らはまだ知識が不充分だから社会的仕組みで縛ってしまえ、そう思ったでしょう。

アメリカ映画でしたか、奴隷制度の頃のアメリカ南部で若い妻を奴隷の黒人男性に寝取られて残虐に殺す話がありました。

奴隷制度で縛ってさえ、そういう事は起きていたのでしょう、実際に。



それを少しでも緩和してくれたのは第2次戦争や朝鮮戦争、ベトナム戦争でしょうか。

第一次世界大戦の頃は黒人兵部隊と白人兵部隊は分けられていたそうですが、前記の戦争では同じ部隊だったでしょう?

もっとも「コンバット」には黒人兵は出てきていないみたいですが。

黒人と肩を並べて戦ったことで、黒人を自分たちの既得権益を侵す敵、ではなく。

自分たちの命も守ってくれる頼もしい戦友と認識出来た白人男性が増えたのではないか、と思います。



60年代のアメリカの学生運動は確かに、アメリカを”良い”方向に変えたと思います。

ベトナム戦争で負けたことで、自分たちのしてきたことを省みるようになった。

アメリカ社会は強者優先というか、勝ったもの正義という感覚があります。

裁判の形もそうで、検察側と弁護側が互いに情報を出し合って正しい量刑を決めていく、のではなく互いに争って言い負かして自分の言い分を正義にする、という面があります。

それまでアメリカは戦争で勝ってきて正しい行いをしてきた、と信じていた訳ですが。

ベトナム戦争に負けて自分たちは悪、今までの常識ならばアメリカは悪になった。

そこで、勝ち=正義を疑うようになり、今までの自分たちの戦争は正しかったのか疑うようになり。



ちらっと見ただけで恐縮ですが。

アメリカンヒーローというアメリカドラマだったかな?

パンチパーマのような頭の(あれは巻き毛のくせっ毛なのかな)青年がスーパーマンのような活躍をする番組で、空を飛んで帰ってくると必ず着地に失敗して突っ込む。

ギャグ風味ですね。

そのドラマの中で。

北極のあるところにソ連が基地を作った。

あの場所に軍事基地があると世界平和が脅かされる。

アメリカンヒーローは飛んでいって基地を壊して帰ってくると、実はそれはアメリカの基地だった、という落ちです。

その後は見ていないのですが。

世界平和を脅かす場所に軍事基地を作ってはいけないのは、ソ連もアメリカも一緒です。

以前のアメリカドラマなら、実はアメリカの基地だった、なんて落ちはなかったでしょう。

アメリカはそういう事はしない国だったはずです、アメリカ人の中では。



「アバター」という映画。

3D映像が先進的で、世界中で大ヒットした作品です。

映像や幻想的な異世界の道具立てに気を取られがちですが。

ストーリーは

「あれ、インディアン戦争(ネイティブアメリカン戦争というべきでしょうか)のオマージュだよな。」と、思いました。

未開の土地に先進技術で武装した侵略者たちがやってきて、現地の人たちを武力で排除しようとする。

アメリカのフロンティアでは侵略者たちの思惑通り、現地の人たちは滅亡近くにまで追い込まれた訳ですが。

侵略軍の司令官はマッチョで強引で、ある意味典型的なアメリカ軍人のように描かれています。

私が気づいたのですから、他のアメリカ人も気づいた人たちはいたでしょう。

でも、彼らはこの映画を支持し、侵略者たちが追い出された結末に拍手したのです。

これもアメリカ人の意識の”良い”変化であろうと思います。



と、長々と、予定外に、アメリカの学生運動について書いてきましたが。

では、当時の日本は?

学生運動、騒乱を起こしてまで変えなければいけないことがあったでしょうか?



55年体制で保守が強固になり、自由民主党の一党独裁の傾向が見えてきた。

彼らの政治は金権政治で、お金で票や議席を買っている民主主義を冒涜する物である。

実際この間見た、読売新聞の大物渡辺恒雄だったかな、の回想ドキュメンタリによると、何千万という札束が目の前で遣り取りされていたといいます。

ロッキード事件、総理大臣が賄賂で多額の現金を受けとった事件もこの頃だったと思います。

企業は社員に超過労働を強い、労働運動に理解を示さず不当に差別してくる。

公害は垂れ流し、東京湾も駿河灘もヘドロに埋まって生態系は破壊されようとしている。

水俣病、イタイイタイ病など公害の被害者、カネミ油事件、森永ミルク事件などの製品による健康被害。

あれだけ悲惨な戦争をしたのに、それも忘れてまた自衛隊、軍隊を整備しようとしている。

日本の社会は悪の巣窟だ。

打ち倒して革命をするべきだ。



私も最初の頃は理解して賛成していた、つもりだったのです。

ところがある日、本当に覚えていないのですが、ある日ふと気づいたのです。

では私は、悪の巣窟たる日本の社会で生きている私は不幸か?

フランス革命やロシア革命の本を読んで、革命前の社会の悲惨な状況は知っていました。

それに比べて今の日本は?

そこに生きている私は?

学校にも行けず、食べ物もなく、お腹を空かしてあてどもなく街を彷徨っているか?

仕事がなく、死んだ目をして道ばたに寝転がるしかない人々を目にしたことがあるか?

住む場所もない人たちが雨露を凌ぐために作ったバラックの集まり、スラムはどこにある?

スリやかっぱらい、または生きるために仕方なく人を襲う盗賊に襲われた事は?

警官など権力者側の人間に不当な暴力や理不尽を受けたことがあるか?

・・・・・・・。

この日本で革命する必要はどこにある?



結果が全てです。

途中経過がどれだけうさんくさかろうが、結果という意味の日本社会が、健全で良い物であればそれは良いことだと思うのです。

当時、私はそう考えました。

そうなると学生運動自体が途端にうさんくさく思えてきて。

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