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番外編 カイロス時間へようこそ~有華国嫁取事情~その6

『こうして、戦国の世の悲恋は二人の強い絆によって……』


「こら、適当なナレーション入れてしめようとするんじゃねーよ、作者!」

俺が突っ込みをいれたところで、世界がグニャリグニャリと曲がっていき……。



パチパチパチ……。


「やぁ、おかえり」

また気がつくと、真っ白な世界でカイロスと名乗っていた男がニコニコとして手をたたいていた。


「楽しめたかい?」

「全然。なんだこの酷い世界は」

「おや、お気に召さなかった?」

「いつもと対して変わらん世界だった」

「それは君らがどこにいっても変わらない、ってことだよ。かわらぬ友情?」

「そんなもんあるか!」

「まぁまぁ、僕が出してあげなかったら、あそこが君の現実なんだよ?」


「異次元の時を弄って何が面白いんだ?」

「そうだね、僕は退屈してるんだ。本当は君みたいなスカしたヤツが、環境を変えられて動揺するところを見たかったんだけど?」

「それはご期待に添えず悪かったな」

「あと一つ残念な事は、君に今回、運命の相手に逢わせてあげられなかったことかな?」


「は?」

「ほら、君の許嫁」

「一体誰のことだ?」

「すぐに逢えるよ。彼女が君の運命の人なのは何処へいっても変わらない。はじまっていない恋だということもね……」

「恋……?誰と?」


「さぁ、ね。それを言ったらつまらないや。せいぜい悩むことだね。さて、もう帰してあげるよ。君も退屈している面白くもない元の世界へ……」


紫色の瞳がギラリと光ったかと思うと白い世界の足元が突如消え去り、俺は闇に堕ちていった。


§§§


「大丈夫?」

心配そうにアルトがのぞきこんでいた。


「夢……か?」

「ずいぶんうなされていたみたいだけど?」

夢の中と同じ少女のような可愛い顔でアルトが俺を見つめる。


「あぁ、みょーな夢を見たんだ」

「夢?」

「聞きたいか?ヴィンセントがお前を追っかけまわす話…」

「いや、遠慮。正夢になったら困るし」


ハハハ……。


この夢はリツコと同じ、一種の異世界転移だったのだろうか。

そうだとしたら、本当に何処かに俺の許嫁、運命の人がいるのか?



……いや。考えまい。所詮、夢の話だ。



「運命の恋……か」

俺は自分にとって、一番縁遠いところにある感情を思って呟いた。


〈おしまい〉

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