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番外編 カルゾメイドの溜め息!side:マリンpart5

「おはようございま~す」

ソーヴェ様の寝室のドア越しに恐る恐る声をかける私。


「……ぁあ?」

凄絶に不機嫌そうな顔をした寝起きのソーヴェ様がゆらっと音もなく現れました。拳をしっかりと握り、お美しい眉間に皺を寄せておられます。

絶世の美女が台無しです。

お髪も乱れまくり、鋭く睨まれる眼光、発せられる圧が半端ありません。まるで昔、絵本で見た伝説の魔物のような、凄い迫力でいらっしゃいます。



本当にナルドさん、生きてるかしら……。



「おはようございます、ソーヴェ様。大公様がお見えになっておりますが」

私は恐怖と緊張のあまり、早口で一気に捲し立ててしまいました。


「……サラックが?」

私の言葉に焦点があった様子に復活されるソーヴェ様。

少し、シャッキリして私をご覧になり、ソーヴェ様の手がパーの形に開かれました。



よし、攻撃モードは解除されたみたいです。もう大丈夫でしょう。



「大公様は食堂の隣の控え室でお待ちいただいております。よろしければご一緒に朝食はいかがでしょうか」

「わかった。支度してすぐ行くわ。ナルド、部屋の片付けをお願い出来るかしら?」

ソーヴェ様が振り返って、廃墟のようにボロボロになった室内に控えているナルドさんに指示をされました。


「はい」

口元を片手で拭って、立ち上がるナルドさん。



さすがナルドさんです。部屋の崩壊具合の割に、あまりダメージはなかったのでしょうか。



「ごめん、ナルド。立っちゃダメ。結構、派手にいったわね。ちゃんと治療してきて」

ソーヴェ様は申し訳無さそうなお顔をされて、ナルドさんを見ていらっしゃいました。


「大丈夫です」

平然といつも通り答えるナルドさん。

「マリン!」

「はいっ」


突然、私はソーヴェ様に呼ばれました。

「医務室にナルドを連れていって。よろしくね」

「はい……」


衣装部屋へ着替えに行かれるソーヴェ様を見送った後、私は壁にズルズルと凭れて座り込み、荒い息をしているナルドさんに駆け寄りました。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫、と言いたいところですが肋骨がいったかもしれませんね」


痛みを堪えて無理に私に笑おうとするナルドさん。


肋骨……?まともに受け止めちゃったのかしら?肺に刺さってないと良いけど……。


さすが、ソーヴェ様。直ぐに痩せ我慢を見抜かれてたのね。

まぁ、 暴れたのもケガさせたのもソーヴェ様なんですが……。



それにしても普段、執事然とオールバックに撫でつけられているナルドさんの髪が乱れて、前髪がはらりとかかり、痛みに耐えている表情は何とも色っぽい……。


不謹慎にも思わず、私は息をのんで見つめてしまいました。


「ガードしきったと思ったが、俺もまだまだだな」

前髪が目にかかるのを鬱陶しそうに払いながら、自嘲的に笑うナルドさん。


痛みのせいか、いつもの「私」から「俺」になってます。



あれ?このヒト、こんな顔してたかしら……?いつもの理屈っぽいガチガチの雰囲気から一転、少年のような無防備な幼い表情。


普段とあまりに違う表情に不覚にも私、ドキドキしてしまいました。



ええっ!?

相手はあのナルドさんなのに……。

最近は変態監禁執事なんて言われてるナルドさんですよ……?


はっ!



これが、所謂ギャップ萌えっていうヤツなのかしら?!

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