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第19話 お悩み送信?

やっぱり、私が出るの?」

『別にお前でも大丈夫だ。ゲンメ公主代理で適当に挨拶しといてくれ』

「はい?挨拶?」

『最近のお前なら何とかなる。任せた』


蛇姫の言っていた夜会の件、ゲンメ領地に居るハゲ狸に電話のような通信システムを使って聞いてみた。

すでに招待状は来てたようだ。しかも夜会などの催しでは大公は勿論、四公も慣例で簡単な挨拶をするらしい。



……無理だ。


あのキラキラの大公宮で人離れした美貌の公子たちや渋い大公、お綺麗な女公と並んで挨拶?


ムリムリムリ。


そんなこと、あのハゲ狸。今まで恥ずかしげもなくよくやってたわね。



「お嬢様、夜会にお出になるのですか?」

横で通信を聞いていたルーチェに尋ねられる。


「お出にはなりたくないんだけどね」

「仮病使います?」

「使いたいのはヤマヤマなんだけど、行った方が良いと思うの……」

出たくない。

出たくないんだけど、夜会に出ずにアルルに危険を伝える良い方法ってある?

私がその場で呼び出しは嘘だって伝えたら、蛇姫の目論見は潰せるんじゃないかと思うの。


匿名でたれ込み入れても、もともとアルルファンは一部過激で有名だからまともに取り合ってもらえなさそうだし。

夜会前に、それこそカルゾ公邸に突入して「アルルが危ない!」と喚けばいいのかしら?

そんなことをしても、猿姫襲撃!って絶対門前で止められるだけよね。

ヴィンセント様のメールアドレスも分からないし……なんとか伝える方法ないかしら?


ん?


今日ってミスターユッカの配信日だったわよね。


公開お悩み相談で公子たちやアルルが気づいてくれたら?


やってみる価値はあるかも。

多分だけど、ミスターユッカもただの一般人じゃなさそうだもの。

何となく、感覚が浮き世離れしてるから多分身分のある人間じゃないかしら。


「ルーチェ、ネットカフェに行くわよ」

私は例のダボダボフードを被って玄関に走った。


※※※


「さて、何て書き込んだら分かるかなぁ……」

すっかり定番になったサラック茶を片手に、キーボードの前で固まる私。


『今日は、私の悩みを聞いて頂けませんでしょうか?』


悩み、とはちょっと違うような気もするけど……ま、いっか。


『友人ではありませんが、会えば挨拶や会話をかわす程度のお付き合いをしている女性の方のことなんです。

その方は、ある殿方にまるで爬虫類のように執着されていて、最近ご婚約されたその殿方の美しい婚約者に御自分の思いをぶつけようとされてますの』


蛇だと丸わかりだもんね。爬虫類でも分かっちゃう?


『爬虫類のごとき女性は私に御自分の身勝手な危険極まりない思いを打ち明けてきたのですが、私には婚約者の方にそれをお伝えする手段がなくて困っています。

もし、お話できたとしてもあまり面識のない相手から、突然警告されるなんてきっとお相手の方もビックリされることでしょう。どのように私が振る舞えばベストなのか、ということで悩んでいますの』


ちょっと分かりにくいかな?これでアルルかヴィンセント様、周りの人が気づいてくれるといいけど。


……発行部数500万部の週刊誌だもん、偉いさんでも定期購入してるって聞いてるからそこに期待よ。こないだ、大公宮の控え室にも置いてあったから、いざとなったらミスターユッカのページを開いた状態のものを夜会の控え室でばらまいちゃえばいいかも。


律子、ナイスアイディア!それやってみよう。


『人の恋情というものは、予想外の出来事や衝動的な事件を引き起こしがちです。それも一方的であればあるほど、傷は深くなるでしょう。

今回のことも私の杞憂かもしれませんが、誰しも傷つかないように、それが私の一番の願いです』


ま、コラム的に最後はまとめちゃった。危険警告なんだけど、勘の良さそうな銀の公子あたりならピンときてくれるでしょう。


こんな公の場で、爬虫類女に「生きたまま切り刻んで楽しみたい」と言われました、なんてストレートに書きこんだら、公序良俗に反するとかで削除されるかもだよね……。


よし、送信!

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