十幕
これで最後です。
全ては仕組まれていたのかもしれないが、もう後戻りはできない。
このまま何もせずに手をこまねいていれば、死神の鎌は自分に振ってくる事になる。
どのみち逃げる事などはできない。部長は何かを探っていたが、彼は果たして真相にたどり着けたのか?
それも、わからない。彼の口は永久に封じられてしまった、残されたのは握られていたメモに書いてある手がかりだけ…
ならば全ての真実を突き止める為に、動くしかないとイチロウは覚悟を決めたのだった。
イチロウはその場所に自転車を走らせた。前に来た事があるような場所だった。
そのときの記憶は覚えている。確かに覚えているのだが記憶に霞が掛かったかのようにはっきりしない。
覚えているといってあれなのだが、どうやってその場所にいつ来たのかわからないのだ。
現実に足を踏み入れたような記憶もあれば、夢のなかで見たような場所かもしれない。
まるで砂上の楼閣のようだった。覚えている、来た事がある、しかし記憶がまるで断絶しているかのように重要な箇所がわからないのだ。
しかし、彼はたどり着く事ができた。自転車を林の中に隠して山の奥に入っていく。
空はもう昼の残照に翳りが見え始めていた。既に夕方であり、この時期に日が沈めば夜の闇がおとづれるのもそう遠くない。
しかし、迷いは無かった。頭の中にいつの間にか行き先のような者が示されているようでもあったのだ。
まるで、はるか以前に来た事のある道をたった今思い出しているかのように。
歩く。何者かに導かれるように獣しか通らないであろう道中に躊躇無く踏み込んでいく。
そう、何かに糸を取り付けられ操られているようにイチロウの歩みには迷いが無かった。
そして、どの位歩いたというときにようやくイチロウは気付いたのだ。自分以外の足音の存在を…
(誰かが追ってきている…のか?)
静かな森の中だからこそ分かった。それに妙なのだ
自分が歩みをはやめると『それ』も歩みをはやめ、歩く早さを緩めるとそれも歩みを遅くする…
まるでイチロウの歩く速度にあわせて後を付けているようであった。
そしてもう一つイチロウが気付いた事があった。それは足音が聞こえるようになって始めてわかった事だ。
(森の音が小さくなった? いや、殆ど聞こえていない)
森は静かだった。そう、不気味なまでに…その様子は森がまるで何かに備えて息を潜めているようにも思えた。
いったんそのように錯覚してしまえば、何かに監視されているような気がする。
不気味でしょうがなかった。ここに自分以外の存在はいないはずなのだ。
なるべく足音が聞こえないようにイチロウは歩みを速めた。しばらくするとその音は聞こえなくなったが、
何者かに監視されているかのような気配は森を抜けるまで消えなかった。
森を抜けた。そこは意外と広い平地だった。
…いや、平地にしては広すぎる。何か集落の跡地みたいだった。
朽ちたかけた家屋がぽつぽつと目に入る。今はもう人の気配は感じないが、生活の痕跡の残滓のようなものは見て取れた。
そうだ、確かにここに人は住んでいたのだ。十数人規模のかなり小さな集落だが、それはわかる。
(そうだ、全ての始まりはここだったんだ…僕は確かにあの時、この場所に居たんだ)
だが、イチロウは違和感のようなものを感じていた。こんな樹海に近い森の中にある集落の跡地…
それ自体がどうも現実味を帯びていないような気がしていたのだ。
違和感。そう、違和感だ。まるで何者かがイチロウに何かを見せる為の舞台を整えているようだった。
(あの家…)
暫く歩くとある建屋が目に付いた。屋根に穴が開いていたり、壁がはがれていたりする廃墟の中では比較的原型をとどめている様に見えた。
導かれるように其処へ向かって歩いていく。戸口に手を触れた瞬間、首筋にぞわりと悪寒が走った。
其処に入ってはいけない。それはまるで体が本能から発している警告のようなものに思えた。
しかし、今更引き返す事などできない。真実を知る為には必要な事なのだと寒気を黙殺してイチロウは戸を開けた。
ぞわり
その瞬間、寒気が彼の身体を包んだ。しかしそれもすぐに消えイチロウは家の奥へと入っていった。
(意外と原型は残っているんだな…)
そんな感想が出てくる。余計なものが少なく散らかっている様子が無く内部がすっきりしているからだ。
自分の部屋なんて本棚を中心にあらゆるものが置いてあるというのに…そもそも廃墟にモノが散らばっているというのもおかしい話だが。
進んでいく、外から見えるよりは意外と広いらしい。いや…広く見えるのはあまりの物が無くて閑散としているからだろう。
更に進むと唐突に気配を感じた。視線が圧力となって、体を刺してくるようだった。
イチロウは立ち止まろうとした、しかしその命令を体が受けつかなかった。
まるで別の生き物のように足は動いて、ある場所に向かっていくのが解る。
そこへ一歩一歩歩みを進めるたびに圧力が増していく、いや…増えているのだ。
少なく見積もって十数…誰もいないはずなのにそれくらいの人の気配が狭い家のなかに押し込まれているようだった。
そしてそのどれもが、たった一つの例外も無くイチロウに視線を向けていた。
イチロウは逃げ出したかった。そして先ほどと違ってどういうわけか体の自由は利いているようだった。
今すぐ回り右をして逃げ出したかった。真相などどうでもいい、この異界のような不気味な場所から離れたかった。
しかし、今ここに潜む気配がそれを許してくれるのだろうか?そうとは思えなかった。
誰もいない、人の姿なんて全く目に映ってさえも居ない。それなのにどうしてここまで冷や汗が出るのか?
そして、耳の中で何かが聞こえた。それと同時に部屋の中の気配が減り、気がある程度楽になる。
(声…?)
それは何処かで聞いたようなものだった。いつのものか分からない。
台所らしき場所で聞こえてくるようだった。この狭い家の中だ、恐らく間違いは無い。
(確かめてみるか?)
恐怖の中に好奇心が生まれた。恐ろしさと悪寒で冷静な思考ができないはずなのに、妙にそれが大きくなる。
見たいという欲求が自分の中で肥大化してくる。いや、それはイチロウ本人の意思ではない。
彼の中に…家に入るときに入り込んだ何者かの意思がそうさせているのだ。
そうだと分かっていても、その声が聞こえた場所を確かめずには居られない。
糸で手繰られた人形のように彼は声の正体を確かめる為に台所に向かった。
――見るな
本能が全力でそう叫んでいる。しかし、歩みをとめることはできない。
――――みるな
見るな、それを見たら本当に後戻りできなくなる。そんなことはわかっている。わかっているのだが
―――――――それを
既にイチロウの身体は自分の意思ではどうにもできない。ただ操られてふらふらあるくだけだ。
――――――――――――――見てはいけない。
足元に何かが当たり、その弾みで圧力が消失する。下を見てそれを手にとって見るとかなり錆びた包丁のようだった。
そして、その先にある黒い塊のようなものをイチロウは見た、見て…しまった。
直後、視界が黒一色に染まる。これが夢である事を信じつつイチロウの意識は闇の中に呑まれていった。
「あら、気がついたのね?」
目が覚めた、窓から漏れる柔らかな光がとても眩しい。
それだけだ、たったそれだけの事が今のイチロウにとってとても有難いことの様に思えた。
目が覚めるとそこは白い壁に囲まれた清潔感のある部屋で、病室のように見えた。
そして傍らにはマリが立っており、横たわるイチロウを見下ろしていた。
「あれは、夢だったのか…」
「夢って?」
思わず独り言が漏れてしまい、マリが聞き返してくる。
何故彼女がこんな所にいるのか、イチロウはわからなかった。
「家の中で人形がどうとか言って倒れたらしいんだけど」
「僕が…そんなことを?」
信じられなかった、となるとあれは夢だという事になる。
夢なのかあれは?そう割り切るには信じがたかった。あの時森の中で自分をつけてくる様な足音も、朽ちかけた村の集落跡も、
小屋に入ったとき背筋が凍るような冷たい感触も、あそこでみた●●さえもが夢や幻だというのだろうか?
「マリ、よかったら聞いてくれないか?」
「・・・ええ、いいわよ」
有坂はやけに艶がかかった薄桃色の唇を歪めるのが、暗い部屋の中でも気配でわかった。
彼女はどうやら、話を聞きたがっているらしい。イチロウは全てを話した。
彼女も当事者であり、全てを知る権利があると思ったからだ。それを聞いたマリは神妙そうに頷いた。
「へぇ…そんなことがあったんだ」
「あうん、だけど部長は…」
言いかけて迷った。マリは確か部長と口論していたはずだった。
その内容は結局の所わからなかったのだが、今この話題を持ち出すにはまずいと思ったのだ。
「ああ、別にいいのよ」
有坂マリは笑った、いつものように…彼女の様子に不自然さを覚える。
いくら劇の前日に酷い喧嘩をしていたからといって、二人は今までの演劇部を支えてきた仲だった。
それにしては、彼女の対応がドライ過ぎないだろうかと思った。
「あっ、でも…」
「あいつは選ばれなかったのよ、だから彼らに殺されたの」
「――――えっ?」
『殺された』?『彼ら』に?…それは一体どういうことなのだろうか?
有坂マリにそのことを聞こうとした。しかし彼女は長い髪を振りかざして僕に覆いかぶさってきた。
「選ばれるのは、わたし…ここで死になさいッ!」
細く白い指がぎりぎりと首を締め上げてくる。顔が一気に熱くなるのを覚えた。
苦しい、息ができない。酸素を求めるようにして抵抗するが、か細い声が絞り出るだけだった。
「か……は…ッ・・・・・・・・・・・・・」
一生懸命振りほどこうとする。だがまるで太い縄で思い切り絞められたようにびくともしない。
マリは苦しむイチロウを見て笑っていた。演技じゃなく、本物の殺意を込めた狂気の笑顔だった。
死ぬのか? 半ば諦めながらも右手は何か固い物を掴んだ。
それを振ってマリを払いのけようとする。ドス!とまるでゴムボールみたいなものに何かが刺さったような感触を覚えた。
同時に首を締め上げていた手の力が緩む。マリはふらふらと千鳥足で立ち上がり僕から逃げようとした。
左の脇腹が真っ赤に染まっているのを見、ようやく自分が手にしたものが果物ナイフであることに気づいた。
(―――――せ!!!)
頭の中で声が聞こえる。その声に従って逃げる彼女の髪の毛を引き釣り倒して馬乗りになる。
有坂が此方を向いた。仰向けになるような格好はまるで押し倒したかのようだ。
それでも有坂は抵抗し、なにやら罵声のようなことを口走っているようだ。
その声は全く耳に入らない。両手持ちにしたナイフを上段に掲げ何回も刺した。
まずは胸、子宮付近をそれぞれ三回刺した、後は覚えていない。とにかく無我夢中だった。
自分が殺されかけたことに対する怒りが、復讐心を伴ってそうさせたというよりは何かが自分の身体を乗っ取って凶行に駆り立てているようだった。
とにかく、ナイフを振り上げて突き立てる間のことをイチロウは傍観者のような視点で眺めていた。
病室の床はあっという間に血まみれになり、そこだけ綺麗に傷がつかなかった顔に笑みを浮かべて彼女は言う。
声こそ小さかったが、彼女が最期に言った言葉ははっきりとわかった。
「――やっぱり・・・選ばれたのは・・・・・・・」
そしてマリは動かなくなった。我に帰り、自分のやってしまったことがいまだに信じられず、僕は呆然としていた。
思い出したかのようにガタガタと足が震えだす。手に持っていたナイフを放り捨てる。
カラン、と床に微かな血痕を引きながらナイフが滑っていき、暗闇の影の中に吸い込まれた。
ガタガタと、今更思い出したかのように足が震えだす。イチロウは自分の手で人を殺してしまったのだ…
(ぼ…僕が悪いんじゃない。有坂さんがいきなり首を絞めてきて…たまたまそこにナイフがあって、僕は……)
そうだ、お前は悪くない――――――
唐突に声が、聞こえた。それは空間から鼓膜が拾ったというよりも、頭の中に直接響いてくるようなものだった。
その声をイチロウは聞いたことがある。最初がいつか覚えていないが明確に聞き取れたのは夜の体育館の練習のときだ。
地獄から響くような低い声は、ボイスチェンジャーで加工したような不気味な者だった。
だが、その声は僕にとっては心地よく聞こえた。僕の罪を咎めるようなことはいわなかったからだ。
それは優しく、心地よく、癒しのような甘い誘いだった。
頭の中がふらっとしてくる。なにか麻酔に掛かったように意識がかすれてきた。
自分の中に何かが入ってくるような気がする、視界がかすれ足がふらふらする。
このまま立っていられる自身が無い。自分の体の課mんかくが徐々に消えていくようだ。
それとほぼ同時にイチロウの中にある感情が入ってきた。それはとてつもなく勢いのある黒い炎のようなものだった。
イチロウはとてつもなく怒りに近い感情を覚えた。この国の全ての人間が憎くて憎くてたまらない。
体の制御が自分でないものに奪われているような気がした。そう、まるで操り糸を取り付けられた人形のように…
身体だけではない、思考さえも何者かに侵されつつあった。有坂をナイフで刺したときからだ、この何者かが入ってきたのは。
(このままでは、僕は…)
ぐったりとした足に力を込め、イチロウは立ち上がった。足が痺れたように動かないが感覚はまだ残っている。
そして彼は歩き出した。全てが手遅れになるその前に最後の決着を着けなければならない。
夜明け前の病院の屋上に付いた。どういうわけか鍵は掛かっていなかった。
まるで始めから彼がそこに来るのがわかっていたかのように…
夜天の空は暗黒の闇を投影し、世界を漆黒の色で染め上げている。
だが、もう数時間も経てば地平線に光が溢れ、天に太陽が昇り闇は打ち消された後、人々のそれぞれの生活がまた始まるのだ。
しかし、イチロウは自分がそれを迎えることはないのだろうと分かっていた。
彼だけではない、恐らく金田や他の劇に関わった人間もいずれは同じ運命を辿るのだろう。
何がきっかけで『あれ』を呼び起こしてしまったのか分からない。ただ、運命というものはそういうものなのかもしれない。
ある日突然、自分やその周囲に不幸が訪れる。そう、嘗てのあの兄妹達のように…
それは世界中で起きていることで、別に不思議というものでもない。
この平和で愚かな国からは考えられないほど、世界という者は死と不幸に溢れているのだろう。
―――――――不思議と怒りや憤りといった感情は湧かなかった。
そういうものなのだと、不思議と納得していた。悪意というのはそれを抱いた本人が死んだとしても残留する。
あの兄妹の兄は、きっと恨みを残したのだ。その強い憎しみと怒りが妹の大事にしていた人形に宿ったのだ。
自分達がやってしまったのはあの劇の再来だ。兄妹の怨念が自分達の憎しみを現代に生きる者達に決して忘れさせないように仕組んだのだろう。
いくつか不自然な所もある、腑に落ちない、納得できないこともあった。
だが、自分があの時見た夢は一種の鍵だったのだ。あの劇の脚本を書いた自分に全ての真相を教える為の…
岡田やシホは、劇の進行を邪魔しようとした。だからこそ人形の怒りに触れて殺されたのだ。
マリは何らかの方法であの兄妹に取りつかれておかしくなってしまった。もしかしたら劇が発端なのかもしれない。
しかし、今やその二人も故人である。もしかしたら部長はマリを元に戻そうとして殺されたのかもしれない。
部長と彼女が付き合っていた。表面上はそう見えなかったが、あの二人のやり取りに近しいものをイチロウは感じ取っていた。
しかし、これも推測から求めたあやふやな結論に過ぎない。いわば妄想に近い産物である。
だが、イチロウはそれに確信めいたものを感じ取っていた。部長は…彼だけは途中で気付いてしまったのかもしれない。
今となってはそれもどうでもよかった。イチロウはあれを見てしまった以上早かれ遅かれ、自分がマリみたいになってしまうとわかっていた。
だが、そうはなりたくなかった。そして今、その方法を実行に移そうとしているのだ。
屋上を覆っている柵の手摺に手をかける。ひんやりとした感触が手に伝わり躊躇なく乗り越える。
後二メートル半ほど進めば、そこには何も無い。まっさかさまに地面に向かって落ちるだけだ。
病院の階層は六階、更に地面には石畳の通路が敷かれている。落ちればまずは助からないだろう。
ひゅうひゅうと、風がイチロウの頬を撫でる。そうしてようやく彼は心の奥底に封じていたはずの恐怖心が蘇ってきた。
(ここから…落ちる? 確実に死ぬ……)
足が震えてくる。怖い、恐ろしい。そして……死にたくないと切実に思った。
(何で僕は…こんな場所に立っているんだ?)
信じられなかった。どうしてこんな事をしようとしたのか?
先程まで自分で命を絶とうとしていたのだ。そう、なぜならマリと同じになってしまうから…
イチロウは人形に魅入られてしまったのだから…もしかしたら松崎も同じ状況だったのかもしれない。
彼女も人形に殺されたのではなく自分の意思で死を選んだのだとしたら?しかし、死ぬのは怖かった。
だからこそ引き返そうとした。そうだ…逃げよう、この場所から…遠い所へ。
今ならまだ間に合うかもしれない。呪いから逃げたかった…そう、誰も…人形がいない場所へ―――――
「…ひっ!」
いきなりだった、背中が押されてしまったのは。当然、柵を乗り越えてしまったのだから向こう側には何も無い。
ただただ、虚空の空間がそこにあるだけだ。そしてその向こう側…すなわち重力という腕に引きずられて落ちる先は――――死だ。
バランスを崩しつつイチロウは振り替えろと身体を捻る。そして自分の体を押した『もの』の正体を見た。
(やっぱり―――――!)
落ちてゆく。その影が徐々に遠ざかっている。つまり、地面に落下しているのだ。
風圧を体中に受ける、息ができない。しかしそれもじきに問題ではなくなる。
ようやく、真相の一端が見えてきた。そう、これは彼らの復讐なのだ。
世間から無情に切り捨てられ、何の罪を侵していない二人の幼い兄妹が理不尽に命を落としたことにより
演劇での再現を図った結果、怨念としての力が強まり世界への復讐という名の呪いが始まった。
僕は死ぬ。でも劇に関わってしまったもっと多くの人が死ぬだろう、トリガーを引いてしまった僕のせいで…
もしかしたら、呪いはそれだけに留まらず独り歩きして病原菌のように広がっていくのかもしれない。
彼等の妹を守れなかったこの国の全てを殺しつくすまで―――――――
ゴンッ! と頭が固いコンクリートにぶつかる音を聞いた。しかし、痛いのは一瞬で直ぐにどうでもよくなる。
イチロウにとって唯一の救いは、即死に近い致命傷を受けたことだ。少なくとも黄泉路への旅立ちに苦痛は殆どない。
しかしイチロウは意識が闇に呑まれる最後の瞬間まで疑問を抱かずにはいられなかった。それはとっても素直な感情だった。
何故、自分達がこんな目に遭ってしまったのかという理不尽に対する一つだけの疑問。そして…それに答える者は誰もいなかった。
ここまで見ていただき。ありがとうございます
この小説も数年前にこのサイトで途中まで連載していて途中まで二部構成だったんですよね。
数年後にマリが行方不明になってその後を謎を追うために主人公が動く…という形だったんですが人気が全く出なくて打ち切りでその時にアップした部分もすべて消してしまいました(笑)
それでも一部の部分はかろうじて書き上げていたために謎の真相解明を前倒しにして無理やり人形の呪いという形で終わらせてしまいました…いわば打ち切りエンドですwかなり雑に終わらせてしまったものだと反省しています。
まぁ、人気が出ませんとモチベ保つのも難しくなるんで仕方のない側面ではあるんですがね…次回の投稿はそこまで間を開けないかもしれません。実際の未解決事件をモチーフにした作品で推敲前ですがすでに完結しています。
感想とか評価いただけましたら明日にも投稿するかもしれませんが、わかりませんねwそれではお疲れさまでした。また会う日まで…