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短編集  作者: 日向 ゆい
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後悔の思い出

……非常に重たいお話となりますのでここから先はお気をつけください。

グロ描写はありませんが、知ってる人からしたらちょいとダメージを与えるかもしれないので……どうぞご覚悟を。

後悔しないように、間違わないような選択をしてくれ。何時もそんなことを言っていた気がする。その方が幸せになれると信じていたから。悔いのない選択をすれば、どんな結果になっても相互納得出来るから。自分という嘘と欺瞞と自虐で満ち満ちたただの化け物の手を離れるのは喜ばしいことだ。やっぱりこんな奴を好きになりきれる人はいないんだと。そう丸めて呑み込むために後悔しない選択をしてもらっていた。俺はその選択をした人を応援こそすれど否定はしない。ただそれに付き従うだけ。それが、俺に出来る唯一のことだと、信じていたから。

『別れてください』

だけど、それは違った。後悔しない選択なんて、絶対に無理だと悟った。たとえどんな行動を起こしたとしても必ず後悔に結びつく。あの時ちゃんと考えていれば、あの時ちゃんと勉強していたら、あの時……幸せに出来るような選択を、我慢を出来ていたのなら。こんな結末にはならなかっただろうし泣かせてしまうことにはならなかったのだろう。

『君のはヤンデレ、メンヘラだよ』

過度な愛情、恋情はかえって重荷になる。その事実を知ったのはこの言葉を見てからなのだろう。心配も過ぎれば束縛になり、求める心も、過ぎればストーカー行為のそれになる。いつから歪んだのだろうと考えると、最初から最後まで。と答えが出てくる。そう、最初からずっと重かったのだろう。そばにいて欲しい。離れないでほしい。この本心は過ぎた、歪んだものだったのだろうと改めて思う。主観的に見ようと客観的に見ようと過ぎた愛を押し付ける相手など、受け付けられないに決まっている。

「……はっ、馬鹿みてぇ」

後悔先に立たず。なるほど確かにその通りだ。後に悔やむから後悔なのであり、先に悔やむことなど不可能なのだ。ましてや過度な愛など、気づいていない者に気づいて改善しろなど無理に等しく、後悔はしても先に考えてから動くことなど無理だろう。だって自分の行いが正義なのだから。

「なんでこうなったんだろうなー」

本当に、何故こうなったのだろうか。ただ幸せになってもらいたかった。それだけの事だった。それだけなのに、いつの間にか化け物に成り果てていた。

「……とっくに冷めてたのかもな」

求めていたものはもう存在せず、生きる理由も与えられた尊厳もとうに無くなっている。さて問題です。生きる理由も尊厳も無く、求めていたものはありません。大切な人に見限られ、ヤンデレだメンヘラだとわかっている事実を告げられて。揚げ足を取ろうにも逃げられるこの状況で。何が正しいのでしょうか。

「答えはひとつだわな……」

正解は単純明快で誰も苦しまない素敵なものだ。わざと嫌われてしまえばいい。心にもないことをいい、大嫌いだと自我を殺して言い放ち、今までの思い出を消してしまう程の罵詈雑言を浴びせて自分といることをマイナスに捉えさせればいい。そうすれば彼女の方から消える。見捨てるだろう。それでいい。そうすれば彼女が俺に抱く何かは消え去るだろう。好きになる人は俺じゃなくていい。笑顔を見せるのは俺じゃなくていい。幸せになる相手は俺じゃない方がいい。

「とは言ったものの、別れたいわけじゃないんだけどな」

ここまで言うと別れたいのかと言われる。事実言われたこともあるし思い返すと確かにそう考えてるのだろうと思う。けど、違う。好きな人が幸せになるように。その為に尽力する。それが俺のポリシーであり前々から伝えていた俺の考えだ。好きな人が幸せであることを望むのだから、合わないなら仕方の無いことで。諦めて受け入れて、無理矢理にでも呑み込んで、最初から無かったことなのだとそう思い込ませる。好きだからこそ俺では相応しくないと決めつけて。好きだからこそ自分の心を殺して無にしてでも恋路を応援することを誓い。好きだからこそ、別れさせようとする自分に強い嫌悪感を抱いて。好きだからこそ、ずっとそばにいて笑えていたらと。そんな妄想を抱く。

「You taught me so much about life and love. I will always remember you.」

この言葉と共にセンニチコウと日本水仙と言う花を添える。英語の意味は『人生と愛のことをたくさん教えてくれた。あなたを忘れない』というもの。センニチコウは『変わらない愛情を永遠に』という花言葉で、日本水仙は『自己愛、うぬぼれ』という花言葉だ。どうだろう。自分によく似合っている。そう考えると自虐的な笑顔が良く似合う。

「バイバイ。貴女の未来に幸あれ」

それだけを言って校舎を去る。一番の思い出が詰まってるだろう四階の部屋を出て、玄関に向かう。途中で色んなことを思い出して涙が出てくるがこの感情は余計なものだと切り捨て涙を拭った。けど次から次へと涙は出てくる。どんなに感情を切り捨てようと、化け物になり下がろうとしても心は変わらない。好きな人を一途に思って、悲しいものを悲しいと思い泣いてしまう。そんな大うつけに変わってしまったようだ。

けど、進まないといけない。もう戻らないと分かっているから。友達以上恋人未満なんて素敵なものは存在しない。同様に、関係を壊すのは簡単だが、壊れた関係を戻すのは容易ではない。一度恋人になり、それが壊れたとしても、友人として話をしているつもりでも少なからず情は入る。一度は好きだったんだ。距離感が変わらないのでは友人のそれを超えたものになるだろう。恋人ではないが恋人と同様のことをしてしまう。なるほどそれが彼ら彼女らが言う友達以上恋人未満なのだろう。恋人同様のことをしてしまう。それは友達以上の関係であるが、実際は恋人ではないなら恋人未満。彼女が望んだその言葉の真の意図はそんなものだったのだろうか。

「バイバイイェスタデイ、365日分の想いは抱えきれないから。こぼれそうさ、こぼれてしまうね。」

バイバイ好きな人。今までの思い出は忘れないように頑張るよ。そう考えて。心を、考えを、感情を、記憶を、忘れはしないが思い出さないように殺して。


彼女から貰った、思い出と僅かな匂いが遺るパーカーを着直して。窓から飛び立った。

えーとですね……非常にお久しぶりです。ゆいでございます。

大学生活になれなくてですね……少しずつ書いてはいるのですがどれも掲載できるクオリティじゃないので諦めた結果この短編あげることにしました。


ある主事実が混ざっているので重たいと思います。すんません。


では、次回は怪異探偵でお会いしましょう。ではでは。

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