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4話~ぼくのきおく~

アンドロイドである「ぼく」の中に眠るものが

目を覚まそうとしている

耳にさしこまれたソケットからは

脳に直接情報が流れ込んでくる。

ぼくは頭の中を解放しながら、

電気信号をそのまま受け入れる。

ソケットがはずされたとき、

ぼくは昨日より賢くなっているだろう。

そうしたら・・

そうしたら・・・。

今ぼくの口の中にはいっている紙片の意味も

わかるかもしれない。

ばくは瞳をまっすぐに天井に向けて

あのたくさんの「色」を思い出していた。

心地よい印象。

まるで記憶の底を優しく撫でるかのような。


記憶の底?


ぼくはぼくになったときからの、

インプットされたプログラムを検証する。

記憶?

そんなものは注入されたことはない。

では?


頭のずっと奥。

たくさんの扉のずっとむこう側。

引き出しの奥。

ぼくは探るように見えない手を伸ばす。



綿のエプロン。

白。

さらさらと葉ずれの音。

みどり。

ぼくを覗き込む瞳。

ブルー。

ブロンドの長い髪。

そしてぼくを呼ぶ声。


「チャーリー」



 警報機が鳴り響いた。

ぼくは頭の中の記憶を

誰も探れない引き出しに押し込んだ。



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