表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導学園の頑張らない少年  作者: 暇な青年
第二章 闇の精霊強襲
35/54

第三十三魔導 暴発

久しぶりの連日投稿!

……は良いんだが、なんだろう。内容がめっちゃ盛り上がらない。

いや、盛り上がる場面なんだが、文章のせいで盛り上がりに欠ける


※あと前話の始めの方に出てきた女性はスーツを着ている、と書き直しました。


 紫色の髪を揺らしながら歩いていたスーツの女性は第三グラウンドの横を通って校舎に向かう所だった。そんなとき目の前のグランドに響く声にピタッと足を止めると顔だけを横に向けサングラス越しに声の主に視線を向けた。


 「暴発……バカなのか? それもかなりの量、注いだらしいな」


 誰もがその少年から逃げるように、第三グラウンドで自主練していた生徒たちが蜘蛛の子を散らす様に走り去っていく。

 スッと左手を肩の高さまで持ってきて、スーツとは対照的に白く綺麗な手を人差し指だけ立てて身体の横で魔方陣を描き始めた。


 ─────が。


 「ほぉ……面白い奴が居るな」


 他の生徒が逃げ出しているのに“そいつら”だけ逃げようとせず、その場にとどまっている。それを見たスーツの女性は微妙に笑って、描くのを止めた。


 「なるほど。あいつが………」


 そう呟いた女性はサングラス越しに柊羽を眺めていた。






 ◆◇◆◇◆

 グラウンド内に響き渡った方を向くとそこでは身体の前に赤色の魔方陣を描いた少年……どうやら後輩のようだが、そいつが慌てている。それもそのはずだ。あのバカは──────


 「このままじゃ暴発するぞ!」


 走ってきた直登の声は慌ててた。

 それもそのはずだ。あの後輩は……いや、下手すれば俺たち全員に命の危険があるからな。つっても俺たち以外の生徒は一目散に逃げてるけど。


 「はぁ……めんどくさい事しやがって」


 暴発─────それは魔方陣に多く魔力を注ぎ過ぎた事による魔導の暴走である。前々から魔導の威力を上げるために魔方陣に多く魔力を注ぐ、と言ったがそれは上限までだ。それを超えるほど魔力を注ぐと、魔導を形成できず逆に注がれた魔方陣が爆発を起こしてしまう。


 「どう見てもあいつの魔方陣は上限より多く注いだようだな」


 「……剣呉」


 「で、どうする? どうやって暴発あれを止める」


 キッと今にも暴発しそうな少年を睨みつけながらも冷静に対策を考えている剣呉を一瞬だけ見た。


 どうする、って言われたって暴発を止める方法は二つしかないじゃん。

 一つは魔方陣を壊す事。これは暴発じゃなくても魔導師同士の戦闘では重要な事だな。魔導師同士の戦闘ではいかに相手の魔導を撃たせないか、で勝負は決する。魔方陣を破壊する方法は武器でぶった切ったり、相手の描く手を拘束するなど、いろいろあるが完成して、暴発しそうな魔方陣にはぶった切る、が一番有効だな。


 つか、手を拘束するのは魔方陣を描いてる奴限定だし。


 で、二つ目がそのぉ……あれだ。使用者の意識を飛ばせばいい。つまり気絶させろ、ってことだな。例え完成された魔方陣でも使用者の意識を刈り取れば消滅する、らしい。 


 実力行使!

 って! 考えている間にカウントダウンならぬ魔方陣が点滅し始めた。これはもうすぐ爆発する、って合図である。


 「たっく、ここ最近俺の日常が壊れてる気がする」


 なんて無駄口を叩きながらも右手で魔方陣を描く。


 「我、契約図を描き、此処に招来す──────」


 「「柊羽っ!」」


 両隣で直登と剣呉が叫ぶ。あっちの魔方陣も点滅スピードが速まってる。間に合うか!?


 「翼……足っ!」


 両足に風を纏い、風の如く一瞬で迫る。


 「助かるんだから文句言うなよっ!」


 後輩の背中を獲ると同時に両手をがっちり組む。魔方陣も限界のようで点滅が終わり、光が消えた。


 「──────ふんっ!」


 光を失った魔方陣がシュン、と鳴ると同時に、がっちりと組んだ両手をハンマーの様に思いっきり後ろから頭にぶっ叩く。がっ!?と苦しそうな声をしながら後輩は意識を失い、暴発寸前の魔方陣は消滅するのを確認。 


 「ふぅ」


 嫌な汗をかいたぞ、まったく。

 手の甲で汗を拭いながら意識をなくした後輩を見下ろす。


 「大丈夫? 如月君」


 「俺より後輩こっちの方が心配だけどな。思いっきりぶっ叩いたし」


 しょうがないとは言え、若干心が痛い。

 ともあれ、大事にならなくてよかっ──────


 『シュウ!右からくるぞ!』


 馬鹿でかい声で内側から叫ぶシュラの警告に俺は咄嗟に右方向に向くと同時にこいつらを守る様に一瞬で魔方陣を形成、展開。


 「──────っぐ!? なんだ?」


 展開した朧水面には見た事も無い雷魔導であろう魔導が突き刺さっており、それが朧水面を貫こうとしていた。慌てて次の防御魔導を形成、展開する。


 「水壁!」


 朧水面の真後ろに水壁を出した時には、雷魔導は完全に朧水面を貫いており、水壁に衝突した。突然の襲撃に直登達も唖然としていたがここにきてやっと状況が理解できたらしく、各々防御魔導を展開する。


 それでも──────


 「守り……きれない!?」


 バカ言うなよ!? これで何個の防御魔導を貫くつもりだよ? 皆の合わせて七つの防御を貫く威力って!


 『柊羽!』


 焦り始めた俺を一括するようにライの声が内側で響いた。

 雷には雷、ね……仕方ない!


 「しゃーねぇ、特別だぜ?」


 新たに魔方陣を描く。だが今描いているのは防御魔導ではなく、攻撃魔導。そして五芒星ではなく、六芒星の新たな魔方陣。


 「お前ら! 俺の後ろに隠れろ!」


 「何する気だ?」


 「いいから……今は下がってろ!」


 今も一つ、また一つと防御魔導を突破している雷魔導を一瞬見た直登と剣呉は菜月、美緒、智香を庇う様にしながら俺の後ろに下がったのを確認!


 「我、大いなる契約図を描き、此処に新たに招来す──────」


 「その詠唱は……!」


 「轟覇雷震ごうはらいしんっ!!!」


 黄色く光る六芒星の陣はビリビリと電撃を帯び、次の瞬間目が眩むほどの雷が大地を震わせ、轟音を上げて放たれた。雷はまだ破られていない防御魔導を貫き、相手の雷魔導と追突する。


 「上位魔導!? それもかなりの物」


 拮抗する雷同士だが、徐々にこちらの雷が押す。次の瞬間、相手の雷は俺の雷によって真っ二つにされ左右にグランドに突き刺さる。こちらの雷は真っ二つにしながら相手の術者に向けて轟音を上げて行く。


 雷が向かう先はグラウンド内ではなく、外の舗装された道に向かって行き直撃した。爆音と土煙が巻き起こった。


 「──────なかなかやるな。さすがは五大の契約者、と言ったところか?」


 「っ!?」


 女性の声。凛としていてどこか鋭さを感じる声。そして俺たち子供の様な声ではなく、大人の声。それが後ろから……そう、俺たちの真後ろから聞こえてきた。


 「そうだな、74点だ──────如月 柊羽」


 恐る恐る振り向く俺たちの目に映ったのは、肩に当たるぐらいのセミロングの紫髪でスーツをキッチリ着こなし、サングラスを掛けた女性だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ