第二十九魔導 手当て
久しぶりの投稿なんですがまぁ、いつものことながら内容が酷いですね。
それとまた当分更新できないかもしれません。
「さてと、話してもらおうか? 柊羽」
闇の精霊を追い返し、俺たちは部屋で傷の手当てをしていた。俺の前方でベッドに片膝を立てて睨むような目で直登は言って来た。それに凛姉・菜月・美緒が手当てしている手を止め、剣呉は椅子に座ったまま顔だけをこちらに向けてきた。
「そうだな、その前に──────」
目の前に魔方陣を五つ描き、招来。魔方陣が消え、代わりに俺の契約精霊である五大精霊(人形姿)がそこに浮いている。
「シュラ達も呼んだことだしまずは俺の事を話すか」
シュラたちはユラユラと俺の肩や頭の上、足の上に降り立つ。直登たちもそれぞれシュラやディーネに目を向けてる。
「とりあえず、ここに居る五体の精霊は俺の契約精霊であり、同時にそれぞれの属性を束ねる五大精霊だ。まぁ、これはさっきの闇の精霊の時に言ったな?」
「あ、あぁ。何度かお前がシュラと話してるのは見たことあったが、こいつらがあの五大精霊だったとはな」
そう言って直登は改めて俺の頭の上で胡坐を掻くシュラを眺める。シュラも気にすることなく、おう、すげぇだろ! と威張る。
「──────以上だ」
「「「おいっ!?」」」
いや、だってめんどくさいじゃん。俺が五大精霊と契約した話とか、何であいつらが五大精霊を狙ってるかとか。まぁ、後者については俺も分からないんだけどな。
え? それじゃ前者だけでもさっさと言えボケ? 酷くない直登。
「わーったよ。だけどその前にシュラ。闇の精霊について教えてもらおうか?」
見えないが見えるように頭の上に胡坐を掻いているシュラに視線を向けると答えが落ちてきた。
「そうだな。闇の精霊ってのは──────んぐ?」
その時だった。突然俺の背後で魔力が高まるのを感じた。同時に人の気配が現れ、後ろからシュラの口を何かが覆ってその後の言葉が聞き取れない。
「シュラ?」
シュラに声を掛けるが返事は返ってこず、凛姉たちも目を丸くして俺を、いや、俺の後ろかな? を見ている。まぁ、契約したから誰の魔力か分かってはいるが首から上を後ろに向ける。
「ディーネは何やってんだ?」
やはりディーネだった。青い瞳と長く伸びた青髪。本来の姿に戻り、慈愛に満ちた笑みを浮かべながらシュラの口を両手で塞いでいた。
「申し訳ありません主。そのことはもう少し待ってくれませんか? もう少し待ってくれれば必ずお話しますから」
慈愛に満ちた笑みにうっすら浮かぶ影。俺は見間違いだろう、と考え、ディーネの言う通り今回の事はもう少し待つこととした。それは良い。いいんだが……
「それじゃ話してくれる? 柊羽。五大精霊との出会い話を」
智香さん。無表情でのジト目は怖いです。
「めんどくさいなぁ」
俺はディーネから凛姉たちに顔を向けてから一旦、下を向き再び顔を上げる。そうして俺はあの頃を思い出しながらゆっくりと語り始めた。




